【モデルSHIHOが語る】「私の生活になくてはならない…」14年間の実践で見つけた瞑想の魅力とは

 【モデルSHIHOが語る】「私の生活になくてはならない…」14年間の実践で見つけた瞑想の魅力とは
撮影:市村恭一

著書『NATURAL MEDITATION IN HAWAII はじめての 瞑想 BY SHIHO』(辰巳出版)の中で「私にとって瞑想とは、自然本来のあるがままに戻る時間」と語るSHIHOさん。14年間の実践で見つけた瞑想の魅力とは? 瞑想との出会い、瞑想を続けるなかで感じる変化について教えていただきました。

広告

私の暝想の歩み

瞑想での一番最初の記憶は、幼少期の頃、信仰深かった祖父母達が、毎朝晩のように仏壇の前で手を合わせていた、その姿かもしれません。

そんな私の初めての瞑想体験は、28歳でハタヨガアシュタンガヨガに出会い、ヨガの聖典「ヨガ・スートラ」で聖者パタンジャリが説いた「八支則」を知ったことがきっかけ。これは「ヤマ・ニヤマアサナ・呼吸・集中・感覚の制御・瞑想・悟り」の8段階で構成されているヨガ哲学の基本的な教え。ヨガのポーズにあたるアサナは「八支則」の中の1つにすぎず、何よりも最初で最後の目標が「瞑想」であることを知り、興味を持ち始めました。

また、精神的な行いになる「八支則」の後半部分がすごく気になり、ヨガの練習の延長のつもりで、瞑想を始めたのが31歳のときです。ヨガ後のシャバアサナ(寝転がって目を瞑るポーズ)で自分の中にポカンと空白ができたような心地よさを感じたときに、そのまま座禅して目を瞑りたくなったんです。

Matt Sclarandis
photo by Matt Sclarandis

瞑想での暗闇の世界は、新しい未知なるものが広がっているようで、わからないからこその楽しみがありました。ヨガは体を動かして心身を整えていくものですが、瞑想は心を静めて、より深淵なる部分に入り込んでいくような感じ。心はいつも思い通りにいかないし、どこかフワフワ、ザワザワしているもので……例えると、大好きな人ができたらその人のことをもっと知りたいって思うように、瞑想は私にとって、恋する相手に会いにいくように、その未知なる存在に、もっともっと知りたいと吸い込まれるように夢中になったのが始まりでした。

毎日の習慣だったヨガ後に瞑想するようになり、ヨガで体が整ったから、次は心を整えよう!と瞑想にハマっていきました。ヨガもそうですが、瞑想って毎回、同じではない。だから、毎日、いろんな違うやり方を試していました。そうやって私が実際に行ってきた様々な瞑想法を著書『NATURAL MEDITATION IN HAWAII はじめての 瞑想 BY SHIHO』(辰巳出版)でも紹介しています。

Matt Sclarandis
photo by Matt Sclarandis

例えば、見えないものを見ていく、無音の中の音に集中してみる、音に身を委ねてみる、呼吸に集中する、マントラを唱えてみる、肌感覚に敏感になる、自分のすべてを投げ出すように全身の力を抜いてみるなど。ほかにも、何かをシンボル的に捉えて意識を向けてみたり、ここは地球だけれど宇宙空間に仮定してみたりとか(笑)。毎回、自分の中にテーマを持って続けていました。それがとても面白かった! とにかく独学で、ただ座る瞑想を10年くらい続けていました。

40代に入ってから、もう少し本格的に瞑想を学びたくなり、ブッダが悟りを開いた瞑想法と言われる、ヴィパッサナー瞑想の修行にいきました。合宿のように集まって10日間で110時間くらい瞑想をするのですが、苦痛で仕方なかった6日目を経て、7日目から急にすべてが快楽に変わったんです。その感覚がとても不思議で!きっかけは、朝の瞑想後に、感情や思考とは全くリンクしない涙がポロポロと溢れてきて、その後から心身がとても軽く、すっきりし始めたのです。そこで学んだことが、瞑想法を見つける一つのベースになっている気がします。ただ、そこにたどり着くまでのやり方は結構時間がかかるものだったので、もっと簡単な瞑想法はないかと考えるようにもなりました。

Matt Sclarandis
photo by Matt Sclarandis

その後、故郷でもある滋賀の比叡山延暦寺との出会いもありました。「瞑想って何のためにするのかな? 」という疑問は常にあって、例えばビジネスの効率が良くなったり、ストレス解消や集中力が高まったり、と色々言われていることがあると思うけれど、延暦寺の最澄さんが残された、“すべての人の中に仏性(仏の心)がある”という言葉がすごく腑に落ちたんです。自然の叡智というものが、自分の中にも実感できるような感覚があって……それを探すというよりは、それとともに呼吸をするような感覚。ご住職とのアドバイスなどもあり、比叡山延暦寺との出会いが「108瞑想」などの瞑想法を作るのに大きな影響を与えてくれました。

さらに、インド人のマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって知られるようになったヒンドゥー教に由来する超越瞑想のプログラムを日本の一般社団法人マハリシ総合教育研究所で学びました。

Matt Sclarandis
photo by Matt Sclarandis

瞑想法や瞑想での体験に同じものはないし、それぞれが違うものだから、学びに終わりもなければ、正解も不正解もない。ここに“在る”というのが瞑想。上手も下手もない。すべてを静観していくと生きていく上で大事な普遍的なものに気づかされます。呼吸をする、生かされている、感謝する、共に在る、というようなシンプルな気づき、そんな原点を忘れないように私は毎日、瞑想を続けています。それは、最もラクに楽しく生きるために役に立つ方法だから!

瞑想が何千年も続いている理由は確実にあり、もし瞑想に出会っていなかったら、自分の人生ってどうなってたかな?って思うほど。これからもずっと私の生活になくてはならないライフスタイルのひとつです。

『NATURAL MEDITATION IN HAWAII はじめての 瞑想 BY SHIHO』(辰巳出版)
『NATURAL MEDITATION IN HAWAII はじめての 瞑想 BY SHIHO』(辰巳出版)より

SHIHO

1994年のデビュー以来、女性の圧倒的な人気を得てトップモデルになる。ファッション雑誌・テレビ・ラジオ・CM ・プロデュース・出版など幅広く活躍。ヨガブームの火付け役にもなった DVD 本『SHIHO loves YOGA~おうちヨガ~』、出産後に出版したヨガストレッチDVD本『トリニティスリム"全身やせ"ストレッチ』は、シリーズ累計40万部を突破。比叡山延暦寺、北海道ルスツリゾートなどにて瞑想リトリートツアーを開催。国内外でモデルのみならず、ウエルネスアドボケイトとしての活躍の場を広げている。 Wellness AWARD of the Year2019受賞/全米ヨガアライアンス200時間認定ヨガティーチャー/滋賀国際親善大使

HP:shihostyle.com Instagram:@shiho_style

広告

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

Matt Sclarandis
Matt Sclarandis
Matt Sclarandis
Matt Sclarandis
『NATURAL MEDITATION IN HAWAII はじめての 瞑想 BY SHIHO』(辰巳出版)