体力・消化力・抵抗力をアップさせるには?アーユルヴェーダが推奨する「体力の半分程度の運動」の目安
ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。
数千年の歴史がある生命科学であるアーユルヴェーダには、より良い人生を送れるように、有益な暮らし方のアイディアが満載です。何か不調が起こってしまった時に、その苦痛を一時的に取り除くような対処法があったとしても、根本的な解決策であるとは限りません。
今現れている状態には、必ずどこかに原因作りがあるはずで、そのような原因と結果の法則は自然界のリズムである、とアーユルヴェーダでは考えられています。もしこの先に良い状態を手に入れたいとするならば、今のうちからせっせと良い原因作りをしていけば良いわけですね。
今年の冬こそ寒い季節を楽しめるように、朝晩少し肌寒く感じ始めるこの時期から、力をアップしておく方法を紹介します。
私たちが持つ体力、消化力、抵抗力、この3つの力はいつもセットになって、アップダウンをしています。またこれらの力には個人差がありますし、幼年期や老年期の力は低く、誰にとっても真夏は力が低下しバテやすい、といったように年齢や季節によっても変動します。秋という季節は力が一番低下していた夏から、一番高くなる冬に向けての上り坂の途中といった感じです。真夏から比べると食欲もだんだん戻って来て、旬の食材が豊富なことも合わせて、ご飯が美味しくなって来た頃でしょう。ご馳走がうまく消化されると体がしっかりと作られて、寒さにも負けない体力に、そして風邪も引きにくい抵抗力をつけることにもつながります。
そして上り調子になっている今、運動をすることによって、その力をさらにアップすることが出来るのです。アーユルヴェーダでは体力の半分程度の運動を日常的に行うことで、体力、消化力、抵抗力の3つの力をアップできると考えられています。誰がいつ運動するのかによって、この半分程度というのは調節が必要になって来ますが、次のポイントをバロメーターにしてください。
・ジワッと発汗がある
・適度に心拍数が上がる
・喉が渇く
・喜び、達成感、充実感を感じながら
最後のポイントは精神面ですが、嫌々やっては、いとも簡単に疲労になってしまいますので、ぜひ楽しみながら行ってください。
アーユルヴェーダが最も推奨している運動は、ヨガのポーズの練習です。この時期からは適度なチャレンジがある動きがおすすめで、ポーズとポーズを連続させていくようなフローのリズムで行ったり、一つのポーズを2〜3呼吸長めにホールドしたりすることで、発汗しやすくなります。ウッカターサナ、ヴィーラバッドラーサナ1、ヴィーラバッドラーサナ2、ヴィーラバッドラーサナ3などの力強い立位のポーズ、アルダチャンドラーサナ、ウッティタハスタパーダングシュターサナなどのバランス系のポーズ、クンバカーサナ、ナーヴァーサナ、ダヌラーサナなどの重力に逆らって自分を支えるタイプのポーズもおすすめです。
ヨガにポーズに限らず、ウォーキング〜ランニングをその日の体力に合わせて調節しながら外に出かけるのも、季節の移り変わりを一緒に楽しめます。
AUTHOR
HIKARU
アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「HIKARUの楽しいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」(主婦の友社) www.ayusya.jp
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