【インタビュー】私のブッダボディ|プラスサイズの体でヨガを学び、指導するようになるまで

 【インタビュー】私のブッダボディ|プラスサイズの体でヨガを学び、指導するようになるまで

マイケル・ヘイズさんは、ヨガと世界の中で、自分自身の道を見つけなければなりませんでした。そして現在、彼は他の人々が同じようにできるよう手助けをしています。

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体の大きな黒人として、私はヨガ、そして世界の中で自分の道を見つけなければなりませんでした。

私がヨガを始めたのは、マッサージの学校に通っているときでした。ヨガの効果について聞き続けて、ついに試してみることにしました。実は以前、14番街のインテグラル・ヨガで一度ヨガを試したことがあったのです。そのクラスでは、ポーズをとっては横になり、横になってはポーズをとり、ということを繰り返していました。面白いな、リラックスできるなとは思ったのですが、あまり自分にはしっくりこなかったので、それ以来、戻ることはありませんでした。ヨガはそういうものだと思っていたので、初めてジヴァムクティ・ヨガを訪れた時、そのクラスに心底打ちのめされました。

それまでジャンプバックを見たことがなかったのです。ジャンプスルーも見たことがありませんでした。最初の太陽礼拝AとBの後、全員が床の真ん中で逆立ちをしたのですが、僕は衝撃を受けました。武道家であり、ダンスやその他様々な経験してきた私は、「学校を修了したらすぐにここに戻ってこよう、こんな経験は初めてだ」と思ったのです。

マッサージの学校を卒業して、ジヴァムクティに戻りたかったのですが、お金があまりなかったので、取引をすることにしました。

スタジオの清掃をすれば、その見返りにクラスを受講できると言われました。カルマ・ヨガを受講しても良いと言われたのです。しかし、マネージャーにこれまで何回受講したかを尋ねられました。そして一年前に一度だけ受講したことを彼女に告げたところ、定期的に受講していた生徒ではないとカルマ・ヨギにはなれないと言われました。その瞬間、彼女は私をオフィスから閉め出し、僕に向かってドアの鍵を開けられるかどうか尋ねました。彼女にバターナイフを持っていないかどうか尋ねると、彼女はそれを見つけて私に手渡し、私はドアを開けることができ、カルマ・ヨガを受けさせてもらえることになったのです!

私はこの話をもう20年近くしていますが、5年ほど前までは、その瞬間がどれほどすごいことだったのか、本当の意味で理解していませんでした。ドアが文字通り閉じ、私はバターナイフでドアを開け、このヨガのシステムへと私は導かれたのです。

その瞬間、すべてが変わりました。私は毎朝ジヴァムクティに通い、それが私のヨガへの入門となりました。

練習、そして全ては向こうからやってくる

さて、私は他のスタッフがやっていることを全てこなせたわけではありません。私以外は誰もブロックを使っていなかったのです。そしてある時、私にはこんなことできないと悟りました。そこでティーチャーたちに「どうしたらこんなポーズができるの?」と尋ねると、彼らはもっと意欲的になるべき、とか挑戦し続けるべきだと言うものの、私には全く効果的ではありませんでした。ティーチャーたちが何を考えているのかを理解したくて、ジヴァムクティのティーチャー・トレーニングの受講も考えましたが、結局はお金がかかりすぎるので無理でした。ちょうどその頃、マッサージ診療を始めたばかりだったのです。でも、ヨガを探求したかったし、プロップスを使ったワークを本当に探求したかったのです。

それでも、私はヨガを探求したかったし、プロップスを使ったワークも本当に探求したかったのです。私はマッサージと解剖学の知識があり、ジヴァムクティでの経験もあったので、ジヴァムクティの共同創設者であるデイヴィッド・ライフは、シヴァナンダのティーチャー・トレーニングを勧めてくれました。そして、実際に行ってみると、それはとても興味深いものでした。しかしながら、マッサージや解剖学、そしてジヴァムクティでの経験から、私にはムーブメントに関するある種の意見があり、そのシステムを理解することはできませんでした。知的には満足できる部分もあったのですが、身体的には非常に不満がありました。私が本当に知りたいのは、なぜ人々がある種のことを行うかということです。なぜ、太陽礼拝をそのように行わなければならないのか?その背景にはどんな考え方があるのか?逆立ちの目的は何なのか?自分にどんな風に役立つのか?結局のところ、私は必要な答えが得られず、落胆していました。

その後1年間はヨガクラスには行かず、朝、自分で練習していたのですが、ある時、これ以上前に進めない、と行き詰ってしまったのです。幸いなことに、マッサージセラピーを必要としているヨガティーチャーと知り合いになり、交流が始まりました。1年ほど一緒にワークをした後、彼女のティーチャー・トレーニングを受けたのですが、様々なヨギを連れてきてくれて彼らのプロセスについて話を聞くことができ、とても素晴らしい体験を得ました。それはまさに私が必要としていたものだったのです。

トレーニングを修了後、私はティーチャーになることなど全く考えていませんでした。黒人の大男を雇ってヨガクラスを担当させるなんてありえないし、私のヨガの練習は世の中のものとはまったく違うものだと思っていたのです。自分のプラクティスを見つけるためには、様々なヨガの練習を経験し、様々なヨガの様式を体験する必要がありました。

ブッダボディヨガをはじめたきっかけ

やがて、当時3ブロックほど離れた場所で仕事をしていたレスリー・カミノフさんに師事することになりました。彼の「解剖学のためのヨガ」コースを受講し、なぜ呼吸が重要なのか、またバンダについてなど、あらゆることを学びました。そして私は全て受講し、学んだのです。彼が教えてくれたことを、自分の体や一緒にワークしている人たちと一緒に実践してみました。人間の体の中で何が起こっているのかを理解したくて、無料の個人レッスンを始めました。私の好奇心は高まりました。

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(Photo: Courtesy of Michael Hayes)

当時は、アイアンガーヴィンヤサ、ありとあらゆるクラスにおいて、大柄なのは私一人でした。私は自分のブロックとボルスターを持参していました。ティーチャーたちは私のことを頭がおかしいんじゃないかという目で見ていて、そのうち放っておかれるようになりましたが、私は気にしませんでした。私はルーティンやフローを理解するようになり、やがて自分で教えるようになりました。すると、どんどん人が集まってきました。こうして、私のスタジオ、ブッダボディヨガが始まったのです。そして、ニューヨークタイムズの記事に掲載され、スタジオと私の指導が知られ始めました。当時、私がやっているような、プラスサイズの人向けのヨガを教えていた人は数人しかいませんでした。私は、生徒たちがスキルを伸ばし、自分独自の練習ができるように、彼らが今居る場所で一緒にワークすることにコミットしていることを理解してもらいたかったのです。私にとって、重要なのはプロセスであり、終わりは始まりや途中経過ほど重要ではありません。その考えは今も昔も変わりません。プロセスが最も重要なのです。

ヨガが持つパワー

ヨガはパワフルです。私はセラピーを受けた経験があり、今も通っています。アルアノン(アルコール依存症者を家族に持つ人たちが助け合うために参加する会)、オーバーイーターズ・アノニマス(過食症の人たちのための会)、ACOA(アルコール依存症者の親を持って成人した人たちの会)のためのセラピーも受けました。ゲシュタルト療法も受けたことがあります。どれも特定の事柄に対処するためのツールを与えてくれましたが、ヨガはまったく新しい方法で私を開放してくれました。ジヴァムクティでは、2つのクラスを立て続けに受講することもありました。ある日、2つのクラスを終えた後、学校から外に出てみると、何かが自分の中から出て行ったように感じました。何か感情的なもの、本当に深いものが、私の中から出て行ったのです。それが何なのかはわかりませんが、私は冷静になり、ありのままの自分でいることができました。その体験を私は決して忘れません。それ以来、そのようなことが少しずつ起こっています。それは、心の感覚というよりも体の感覚の目覚めでした。なぜなら、体にはたくさんの情報、たくさんの記憶があるからです。短い時間の練習でも、自分の考え方を充電することはできるのです。

私が長年にわたって学んだことは、ヨガはポーズだけではないということです。瞑想が重要なのです。5分でも10分でも、3時間か4時間おきに、毎日行いましょう。瞑想は、自分の意思を今一度整理するのに最適な方法です。自分が誰で、何を持っていて、どう生きるかという信念体系を変えるのです。ヨガのレジリエンス(回復力)的な要素を得るには、練習する時間を設けることです。ヨガや瞑想のクラスでの話ではなく、自分の体との対話です。クラスを受講し、誰かにリードしてもらうのも何の問題もありません。自分自身の練習をすることが重要です。もし、あなたが自分自身の練習をしていないなら、自分の身体で起こっていることと向き合っていないなら、ただ傍観しているのとかわりません。

地域社会に望むこと

私はこの数年、ヨガで多くの変化や成功を目の当たりにしてきました。今、プラスサイズのワークを行っている人たちがいます。それは素晴らしいことですが、私が本当に望むのは、私たちが皆一緒に、ヨガについて話し合えるようになることです。私たちがやっていることを絶賛したいときもありますが、地域の人たちにヨガに対する考え方を変えてもらえるように、そして古いパラダイムから新しいパラダイムに移行できるように、もっと頑張りたいとも思います。

地域社会の皆さんに質問があります。例えば、お腹を使ってヨガをしていますか?それとも、お腹を使わずに腕や脚を使っていませんか?プラスサイズの人たちは、バンダをどのように使っているのでしょうか?それこそディスカッションの大きなテーマになるかもしれませんね。背中を痛めないようにするためには、どのようにこれらの部位を動かし、十分にリラックスさせればいいのでしょうか?腰、お尻、そしてお腹は、私たちの身体に対して働くと同時に、私たちを支えています。高血圧を改善するために、逆転の発想を想像してください。大腸のガスを取り除くためにローリングを試してみて下さい。ヨガのクラスでおならをするために。そんな話を私はしたいのです。

私自身の人生でトラウマを抱えたことがあるかって?はい、あります。アメリカの有色人種や体が大きい人の多くは、人生にトラウマを抱えた経験があると思います。それが私を定義しているかって?はい。トラウマは私を定義しますが、それをどう使うかがより私を定義すると言えるでしょう。

キャット・ヒーグバーグ、メラニー・C・クライン、キャサリン・アシュワース、トニ・ウィリスが編集した「Embodied Resilience Through Yoga: 30 Mindful Essays About Finding Empowerment After Addiction, Trauma, Grief, and Loss(ヨガによる身体的回復力:中毒、トラウマ、哀しみ、喪失の後に力を見出すための30のマインドフルなエッセイ」から抜粋(許可を受けて転載、出版元:Llewellyn Publications, 2021年9月)。

教えてくれたのは……マイケル・ヘイズさん
ニューヨークのブッダボディ・ヨガのオーナーであるマイケル・ヘイズさんは、20年以上のヨガ指導の経験を持ち、アイアンガーヨガアシュタンガヨガ、タイヨガ、オムビンヤサヨガ、ヨガアナトミーの伝統を広範囲に学んでいる。さらに、マイケルさんは定期的にタイに足を運び、マスター・ティーチャーのもとで学んでいる。彼のクラスは、個々の解剖学的構造、柔軟性、年齢、ヨガのバックグラウンドに関係なく、誰にとっても有益なものである。また、マイケルさんはマッサージセラピストの資格を持ち、20年以上マッサージの実践経験を有する。

ヨガジャーナルアメリカ版/「My Buddha Body: How I Learned to Practice Yoga in a Plus-Size Body

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By MICHAEL HAYES
Translated by Hanae Yamaguchi

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