ヨガは生涯続けられる‼【年代別、ヨガポーズ実践のヒント】「年齢に応じて進化する練習法」

 ヨガは生涯続けられる‼【年代別、ヨガポーズ実践のヒント】「年齢に応じて進化する練習法」
Donna Grethen

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!お気に入りのジーンズや上質なワインのように、ヨガも年を重ねるごとに味わい深くなる。年代に応じて進化するようにつくられたこのシークエンスは、これから何十年にもわたってあなたを支えてくれるだろう。

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身体的なヨガ練習の素晴らしさのひとつは、身体的、感情的、環境などの変化があっても、調子の良い日も悪い日も、とにかくマットに立てばポーズがあなたを支え、継続してくれることだ。丁寧に、注意深く、自分を慈しみながら取り組めば、ヨガの練習は一生を通じてあなたとともに成長し、進化していく。「年齢を重ねるごとに、アーサナへの理解が深まっていきます。外面的なアライメントやポーズの仕組みを追求することから、内面的な洗練した動きに向かい、最終的にはアーサナに身をゆだねるようになるでしょう」とアイアンガーヨガ講師のマーラ・アプトは語る。
20年以上の指導経験を持ち、アイアンガーヨガの中級シニア認定講師であるアプトは「人生のどの段階から始めても練習の恩恵を受けられます」と話す。「若いうちから始めれば、年齢を重ねても実践できるテクニックのレパートリーをたくさん増やせるでしょう。でも年齢を重ねてから始めるほど体の変化に敏感になるので、ヨガの効果をより早く実感できるんです」
アプトは、ヨガポーズを通じて人生の各段階を受け入れながら、自身をサポートする方法を生徒たちに教えている。たとえば、10代から20代の生徒に意識させること(可動域を広げる、体力と自信をつける、難しく考えない、逆さまになる)と、30代から40代の生徒に伝えること(前屈に集中する、柔軟性を高める、補助具を使うことを恐れない)は異なる。本記事でアプトは、ひとつの基本シークエンスを応用しながら数十年にわたって実践できる方法を紹介している。これにより、練習を持続できるだけでなく、ポーズの新たな側面や恩恵に出会いながら、自分の体や人生における新たな教訓も得られるだろう。

20代~30代:力強くスタートをきる

20代から30代は、土台づくりの時期だ。人生やヨガの練習における目標もたくさんあるかもしれない。また、それらを追求できるエネルギー、強さ、情熱もある。アプトは、そのエネルギーと情熱をもって、確固としたヨガの練習の基礎を築くように勧めている。その練習が生涯を通じて支えとなり、いつまでもエネルギッシュで活動的でいるための助けとなるからだ。特に、何でも可能だと思えるこの年代のうちに逆転のポーズを身に付けて、普段の練習に組み込むことをアプトは推奨している。「人生の後半になると、逆転のポーズを怖いと感じたり、体力が足りずにできなくなることがあります」と彼女は言う。とはいえ、体力や無敵感にまかせて後屈のような難しいポーズを力ずくで行わないように気をつけよう。「肩や骨盤が十分に開いていないと、背骨に負担がかかって腰を痛めることがあります」とアプトは説明する。ウールドゥヴァダヌーラーサナ(上向きの弓のポーズ)の絵のようにプロップスを用いて胸と骨盤の前を開くようにすれば、年齢を重ねても後屈を続けられる。

この年代は、不健康な癖が固定化して体を痛める前にそれに気づき、修正できる絶好の時期でもある。特に姿勢に注意してほしいとアプトは言う。胸がつぶれていないか、肩が硬く、巻き肩になっていないか、体の左右のバランスはとれているか、練習を通じて肩や上半身をストレッチし、開くようにしよう。姿勢が良くなって、より深い呼吸ができるようになる。また、この年代で起こる大きなライフチェンジに伴うストレスや不安にも対処しやすくなる。

40代~50代:内面に目を向ける

20代から30代にかけて忙しく人生を築き、40代、50代でだんだん落ち着くにつれて、若い頃の奔放なエネルギーや情熱は、より安定した内省的なエネルギーへと変化していく。

身体的な練習が変わり始めるとともに、代謝の低下、関節の硬さ、けがの回復に時間がかかるといった肉体的な変化にも気づくようになる。まだ内省的な練習を始めていないなら、これらの変化をきっかけにするといいだろう。思慮深く洗練された方法で練習を進化させるためにも、このチャンスを受け入れてほしい、とアプトは力説する。より長い時間をかけて逆転ポーズを行ったり、プロップスを用いてある部分への荷重を減らしながら、他の部分を開くような練習を彼女は勧めている。たとえば、アルダチャンドラーサナ(半月のポーズ)で背中を壁につけると、立っている足にかかる体重が軽減されるため、骨盤と胸の前面を開き、上げている脚を伸ばして腰にスペースを生み出すことに集中できる。

「自分のエネルギーレベルに注意して、無理をしないように」と、アプトは助言する。エネルギーが低い日は、背中を壁につけて立位ポーズを行ったり、無理に長くホールドするよりも短いホールドでポーズを繰り返すことを自分に許そう。

60代以降:バランスをとる

多くの人は、もう人生の責任が軽くなっているかもしれない。退職した人もいるだろう。子供たちも成人しているかもしれない。かわいい孫がいて、旅行に出かけたり、趣味に没頭する人もいるだろう。全体的に健康な人でも、体のこわばりや、血圧の上昇、不眠、バランスがとりづらいといった身体的な変化が表れているかもしれない。

ここからの数十年は、特に背骨の可動域と敏捷性を保つことが大切だとアプトは言う。そこで重要なのが後屈だ。「後屈は、加齢で姿勢が前屈みになるのを防ぎます。活力を高めて、内臓にスペースを生み出し、気分も高揚させてくれます」と、アプトは言う。後屈が苦手だったり、怖さを感じる人は、椅子やボルスターなどのプロップスを使うと後屈や逆転のポーズを行いやすくなり、効果も得られる。

また、特に以前よりバランスがとりづらいと感じる場合は、ウッティターパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)や半月のポーズなどの立位ポーズで、ブロックや壁を補助的に使うようにするとよいだろう。「壁を支えに使えば、筋肉への負担を軽減しながらポーズをホールドできるし、バランスを保った状態で股関節や骨盤、胸を開くことができます」とアプトは言う。

これまで積み重ねてきた知恵や人生経験を活かしながら、体に起こるさまざまな変化をサポートする練習を組み立てよう。たとえば、アプトは高血圧の人には前屈の回数を増やすことを勧めている。不眠症には、サーランバサルヴァーンガーサナ(支えのある肩立ちのポーズ)が効果的だ。気力や体力、安定感が落ちている日はプロップスを利用しよう。年齢や段階に関係なく使えるプロップスは、生涯にわたってバランスのとれたアーサナ練習を維持するのに役立つ。

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by Mary Bolster
illustrations by Donna Grethen
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.77掲載

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