【ぐっすり眠りたい夜に】骨盤を整えて副交感神経を優位にする「寝る前月礼拝」
日中に活動した体と心を落ち着かせ、穏やかに整える「月礼拝」。夜、寝る前にゆっくり行うことで、リラックス効果のある副交感神経が優位になり、眠りへと導かれます。
月のパワーを味方に内観を深めて心身を癒す
「体を縦に動かすポーズが多い太陽礼拝に対して、月礼拝は体を横に動かす動作が特徴です。月礼拝のキーパーツは股関節。股関節を開きながら動くことで、自律神経の交感神経を高めすぎずに副交感神経を優位にすることができ、熟睡を得やすくなります」と磯先生。
また、股関節を開く動きには骨盤を整える効果があり、女性は女性ホルモンのバランスがよくなります。と同時に、骨盤まわりの血液循環が促され、体温が上昇。体の自然な反応として体温が下がるときに副交感神経が優位になり、それによっても、良質な眠りにつながりやすくなります。
「月礼拝は、就寝の2時間ほど前に行うのがおすすめです。ゆっくり呼吸をしながら一呼吸一動作で行いますが、途中でキープしたいポーズがあれば、3〜5呼吸キープしましょう。また、シークエンスを一巡し、もう少し体を動かしたいときは3回ほど繰り返してみて。月礼拝は、基本に忠実に行うことより、体の声を聞きながら心地よく動くことが大切です。特に、月のパワーが強い満月、新月の夜は内観を深めるチャンス。満月の夜は、月の光を浴びながら自分の体と心をじっくり見つめ、新月の夜は、新たな目標への願いを込めて行うと、心身がより整えられ、日々の眠りが快適になります」
① 合掌
マットの左側に両脚を揃えて立ち、足の親指の付け根、小指の付け根、かかとの内側、外側の4点に体重を均等にのせる。反り腰や猫背にならないようにお腹を軽く引き込み、胸の前で合掌をして息を吐く。
② 体側伸ばし
息を吸いながら両手を頭上に上げ、吐く息で上半身を右側に傾け、左の体側を伸ばす。吸う息で元に戻し、反対側も同様に。腕が前に出ないように耳に腕を近づけ、お腹を軽く引き込むことがポイント。
③ 女神のポーズ
息を吐きながら右脚を脚1本分、右側に動かし、両足先を45度外側に向ける。肩の高さで両肘を90度に曲げ、手のひらを正面に。両膝を曲げ、お腹を引き込みながらお尻を真っすぐ下に下ろす。
Point!膝を曲げる角度は90度が理想ですが、体と相談しながらできる範囲で膝を曲げればOK。
④ 五点星のポーズ
息を吸いながら両肘、両膝を真っすぐ伸ばす。このとき、肩が上がらないように肩の力を抜いてリラックス。また、お尻が突き出ないように、お腹に軽く力を入れ、お尻を引き込んで。
⑤ トリコナーサナ
五点星のポーズの足幅のまま、右足先を右側に向け、左足先を少し内側に向ける。息を吐きながら上半身を右側にスライドし、右手を床側に下げ、左手を天井方向に上げる。目線は左手の指先に。
Point!無理をせず、下の手はできる範囲で下げる。背中が丸くならないように上の手で上半身を引き上げて。
⑥ パールシュヴォッターナーサナ
息を吸いながら左手を下げ、両手を右脚におき、顔を右側に向ける。アライメントを正すコツは、左右の骨盤を平行にすること。骨盤の右側を後ろに引き、左側を前に出して骨盤位置を整えて。
Point!両手の位置は太腿の上でも、床でもOK。体の声を聞き、心地よく感じられるところにおいて。
⑦ ローランジ
息を吐きながら右膝を曲げ、左脚を伸ばして膝を床につける。左足の甲を床に下ろし、足先は真っすぐ後ろに。両手をカップハンズにして床につき、胸を引き上げて背中を伸ばし、左の股関節を気持ちよく開く。
Point!背中が丸くなる場合は手の下にブロックなどを敷き、背中を真っすぐ伸ばすことを意識。
⑧ サイドランジ
息を吸いながら両手を左側に歩かせ、上半身を正面に向け、左足先を立てる。胸を引き上げ、目線を前へ。股関節が硬く、お尻を浮かせるのが辛い場合は、お尻の下にブロックやクッションなどを敷いて。
⑨ マラーサナ
吐く息で左膝を曲げて合掌。肘と膝で押し合いながら胸を引き上げる。辛い場合はお尻の下にブロックを置いたり、かかとの下にブランケットなどを敷いてサポートしてもOK。吸って左膝を曲げたサイドランジになり(⑩)、逆の順番(⑪~⑰)で戻って1巡。
Point!膝の内側に肘を当てられない場合は両手を床につき、姿勢を安定させて胸を引き上げる。
⑩ サイドランジ
⑪ ローランジ
⑫ パールシュヴォッターナーサナ
⑬ トリコナーサナ
⑭ 五点星のポーズ
⑮ 女神のポーズ
⑯ 体側伸ばし
⑰ 合掌
教えてくれたのは…磯 沙緒里先生
ヨガインストラクター。「ISO YOGA」「ISO YOGAオンラインスタジオ」主宰。スタジオとオンラインでの指導のほか、イベントのプロデュースやコラム執筆など多方面で活躍。
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