口腔環境も老化する!今すぐ取り入れたいルーティンとは【栗尾モカの更年期大学#1 】
ーー具体的に、毎日どのようにケアをすれば、歯周病や口臭を抑えることができるでしょうか?
高島先生:自宅でケアのルーティンとしては、まず、リステリンを口に含みうがいを30秒行いましょう。30秒間のうがいは思ったよりも長いので、タイマーをセットすることをお勧めします。その後、ブラッシングしてください。正しくブラッシングを行うために歯ブラシの買い替え時期は、3-4週間後を目安に。それより使用期間が短くても、毛先が開いたらすぐに交換するようにしてください。歯磨き粉は、できるだけ発泡剤の含まれていないものを選び、すすぎはフロスが終わってから行います。歯並びが複雑だったり、矯正装置がはいっているようなら、歯ブラシの毛先が小さく一つにまとまったワンタフトブラシをご使用ください。
ーーワンタフトブラシはヘッドが小さく、親知らずなどを磨くのに便利ですね。他にも取りいれた方が良いことはありますか?
高島先生:寝る前は、ベッドに行く際にロイテリ菌のタブレットを。腸内に善玉菌と悪玉菌がいることは知られていますが、口の中にも悪玉菌と善玉菌がいます。悪玉菌は、歯周病菌や虫歯菌で、ロイテリ菌などのプロバイオティクスを摂ることによって、悪玉菌の力を減弱させることができます。ただ、プロバイオティクスは添加物や抗生物質などでたやすく死んでしまうため、継続して摂取することが大切になってきます。
ーーロイテリ菌タブレット、初めて聞きました。ぜひ取り入れてみたいです。
高島先生:もともと人間のカラダに常在していた「ロイテリ菌」を摂取することは体内の細菌フローラを整え、免疫力をあげます。NICU(新生児集中治療室)などでも実施されている安心・安全な療法です。
ーー歯石ケアも大事ですよね。歯周病が進行すると、体にどんな弊害があるのでしょうか?
高島先生:歯周病が進行すると、お口の中の変化として、口の中がねばねばする、口臭がする(特に起床時)、歯並びが悪くなる(歯周病の進行が進むと、前歯が長くなって、出っ歯になってきます)、歯磨きの時に出血する、硬いものを噛むと痛みや違和感がある、といった症状が出てきます。
これだけでも大変気になる症状ですが、実は、見えないところではもっといろいろな影響があります。歯に付着した細菌が粘膜に触れているために、粘膜の毛細血管より細菌が入り込み全身を漂うため、血管が詰まる病気が起こりやすくなるのです。
ーー歯周病による細菌が毛細血管に入ると考えただけで恐ろしいです......。
高島先生:それによって引き起こされる病気は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞があげられます。また、血管に入り込んだ歯周病菌の毒素により、糖尿病が悪化しやすくなります。さらに、糖尿が悪化することにより、歯周病もまた悪化するというスパイラルが起こってしまいます。
2020年の九州大学の研究では、歯周病菌がアルツハイマー病の発症と進行の原因になる可能性があるとの結果が出てきます。以上のような病気だけではなく、歯周病により酸化ストレスが増大するとの研究もあり、エイジングとも密接にかかわっています。
出来ているようでも意外と不十分なのがデンタルケアです。定期的に専門家を訪れて、ご自分の苦手な部分をチェック、フォローアップしてもらうことをおすすめします。
ーー普段のデンタルケアを見直すことが大事ですね。大変参考になりました。どうもありがとうございました!
【更年期大学】今回の学び
体調の変化に合わせてデンタルケアの方法を変える、という発想は今までなかったのではないでしょうか。新しい習慣を取り入れながら健康な歯を保ち、食生活も充分に楽しみたいですよね。「今、ここにいる」と感じながら大事に食事をする。ヨガの発想を大事にしている高島先生の言葉が印象的でした。
高島先生のイチオシアイテム
イタリア発の秀逸フロス、『フロアフロス』(株式会社オーラルケア/歯科専売品)
◆神谷町デンタルクリニック(歯科・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科)
東京都港区虎ノ門3-7-11 神谷町アネックス2号館ビル2F
アクセス:神谷町駅から徒歩2分・虎ノ門駅から徒歩8分
TEL : 03-6809-2880
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AUTHOR
栗尾モカ
記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。
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