更年期には睡眠と運動が効く?「病院に行く前に試したい」更年期を乗り切る東洋医学の知恵
50歳前後から始まる更年期。閉経によって体が大きく変化し、心身ともに揺らぎやすくなるのがこの時期の悩み。予約の取れない鍼灸師、若林理砂先生に少しでも楽に更年期を過ごす方法を聞きました。
閉経に伴って訪れる「更年期」。女性の体では何が起こり、どんな不調が現れる?
女性なら避けては通れないライフステージのひとつ。それが閉経に伴いさまざまな不調が現れる「更年期」です。日本女性の平均的な閉経年齢は50歳。更年期の本番は50歳を境に前後1.2年と言われていますが、その期間には個人差があり50代後半まで何かしらの不調が続く人もいます。
「更年期になると女性は卵巣機能が低下し、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が減少します。それによって現れる心身の変化が『更年期障害』と呼ばれるもの。例えば、定期的に来ていた月経周期の変動や、経血量が減ったり、反対に大量出血したりすることがあります。やがて排卵が止まると女性ホルモンが分泌されなくなり閉経を迎えることに。女性ホルモンの分泌を司る脳の視床下部は、自律神経の働きもコントロールしているため、内分泌が乱れると自律神経にも影響が及び自律神経失調症を引き起こすことがあります。急に体が熱くなったり、逆に寒くなったりするホットフラッシュという症状もそのひとつ。また腟の粘膜が薄くなり、性交時だけでなく日常的に陰部が乾燥したり、ヒリヒリする感覚もよくある症状です。『月経不順・停止』『ホットフラッシュ』『腟の乾燥・萎縮』は、更年期障害の3大症状と言われています」(若林理砂先生)
東洋医学が考える「健康」の基準と「不調」の原因
では、東洋医学から見た更年期の体は、どのような状態なのでしょうか。まずは東洋医学が考える健康と不調について理解しておきましょう。
「人の体は『気・血・水』という3要素によって構成されるというのが、東洋医学の考え方です。気・血・水が滞りなく体の中を巡っている状態を健康とみなし、逆にどれかひとつでも働きが乱れてバランスが崩れると体の調子が悪くなります。それぞれの要素について説明すると、気は生命活動に必要なエネルギーのことで、東洋医学ではこのエネルギーを物質として捉えています。なぜなら、人は食べ物を分解したときに生じるエネルギーを利用して生命活動を行っており、エネルギーの源は食材という物質だからです。血は文字通り、全身に栄養を運ぶ血液のこと。そして水は血液以外の水分を指し、涙、鼻水、リンパ液など赤くない水分のすべてがあてはまります」(若林理砂先生)
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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