【5月病対策】だるい、眠い、やる気が出ない…をリセットする「アーユルヴェーダ4つの知恵」
温かい季節になって「日中なんだか眠い……」「寝ても寝てもだるい……」そんな人も多いのではないでしょうか。アーユルヴェーダでは、季節の移り変わりに応じて生活を変えていくことで不調を防ぐことができます。春先〜夏にかけてはアーユルヴェーダでいう「カパドーシャ」が高く、気持ちも体も重くなりがちです。そこで、アーユルヴェーダ的に五月病を乗り越える知恵についてお伝えします。
なぜ4月や5月に眠く、だるくなるの?
アーユルヴェーダには、ドーシャという3つの生体エネルギーの理論があります。3つのドーシャはそれぞれ、ワータ・ピッタ・カパと言い、それらのバランスによって体調や、精神の状態が変わります。このドーシャは季節の変化によってバランスが変わるのですが、春にはカパドーシャが過剰に増え、カパドーシャが悪化した不調が出ます。
春に起こる不調
カパドーシャとは、五大元素の中の「水」「土」に例えられ、「重い」「冷たい」「鈍い」性質を持ったエネルギーです。このエネルギーが体内で増えると、体内に水がたまりむくんだり、体が冷えて食欲と消化力が下がってきます。あるいは、頭部に水のエネルギーが溜まるので、鼻水が出たり、痰が絡みやすくなります。すると免疫力も下がるので春風邪を引きやすくなります。つまり、春に起こりやすい不調である、むくみ、鼻づまり、風邪などは、このカパドーシャが増えすぎることが原因で起こっています。では、続いては、眠気やだるさを吹き飛ばし元気に過ごすための4つの方法をお伝えします。
(1)汗をかいて、心身から「重さ」を取ろう
寝ても寝ても眠くなったり、体がだるく感じるのはカパドーシャの悪化が原因です。では、カパドーシャを排泄するにはどうすればいいのでしょうか?カパドーシャは「水」のエネルギーなので体内から余分な水を排泄し、循環を良くしていくことが重要です。
運動して、汗をかくと血流が良くなり、汗腺も開き汗をかくので、余分な体液が排泄され体が軽くなります。すると増えすぎたカパドーシャが汗と一緒に排泄され、体も心も軽くなります。「体が重い、だるい」という人こそ、あえて外に散歩に行ったり、活動的に過ごすことで、だるさが消えていくのを感じるでしょう。運動といっても激しい運動である必要はなく、ヨーガのアーサナを丁寧にとるだけでも十分です。しかし、鼻の頭にうっすら汗をかくくらいの運動強度があると望ましいので、汗をかきづらい人は、テンポアップしたり、ハードなアーサナにチャレンジするのもいいでしょう。また、運動が困難な人は、サウナや入浴で汗をかくことも効果があります。
(2)苦い食べ物を食べよう
苦味のある野菜は、体内の余分なものをデトックスする効果があり、カパドーシャを沈静してくれます。春に取れる野菜は苦味のあるものが多く、この時期に食べるのにぴったりです。かぶ、ふきのとう、アスパラガス、たけのこ、ルッコラ、クレソンなどは4〜5月にかけて食べられますが、どれも重い体をデトックスさせるのに良い野菜です。スーパーに行ったら、せっかくなので旬の野菜を選びましょう。
(3)スパイスを使おう
体が冷えやすく、消化力も落ちている春には、スパイスで体を温め、消化力を高めると良いです。コショウ、ニンニク、生姜などは体温を上げ、免疫力を高めます。炒め物に入れたり、スープに入れたするなど、難しく考えずにどんな料理にも合うスパイスを日常的に使ってみてください。
(4)乳製品・小麦・揚げ物を控えよう
不調を防ぐには「何を足すか?」より「何を引くか?」の方が大事です。体を重くする食べ物は、心にも同じように重く作用するので、特に春の時期は消化に負担のかかる食事を控えましょう。体が重くなると、精神的にも塞ぎ込んだり、内にこもる傾向が強くなります。乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)、小麦(パン・パスタ)、揚げ物は消化に負担がかかるので、食べると体力を奪い眠くさせます。カパドーシャも増えるので鼻づまりや痰が絡む原因にもなります。
動画で見てみよう
眠気やだるさというのは、原因なく起こるものではなく、必ず食生活や環境の影響を受けて起こります。アーユルヴェーダの自然なシンプルな方法で体内のバランスを整えることで、元気で明るく過ごしましょう。
AUTHOR
アカリ・リッピ―
アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。
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