外側に向いた感覚を内側にしまい込む「プラティヤハーラ(感覚の制御)」とは?実践のためのヒント
プラティヤハーラのためのシークエンス
ウォームアップと練習前の準備として、まずは子供のポーズとダウンドッグを交互に数回行う。これらのポーズの前屈姿勢は鎮静効果をもたらし、感覚を外界から引き込みやすくする。また、練習の始めに自分にある感覚を観察する場を与えてくれる。いきなり子供のポーズで休息するのが難しい場合は、エネルギーを発散させるために太陽礼拝をゆっくりと数回行ってみよう。呼吸が自然に長く滑らかになってきたら、シークエンスに入る準備ができた合図だ。シークエンスでは、各ポーズをホールドして7~10回呼吸をしてから、次のポーズに進むようにする。
バーラーサナ~子供のポーズ
正座の姿勢から、両膝を胴体の幅よりもやや広く開いて、足の親指同士をつける。上体を太腿の上に倒して力を抜く。太腿の重みをふくらはぎにゆだね、全身を地面に向かって解放する。額をブロックやブランケット、または床につける。その状態を何も変えずに、呼吸の動きを観察する。自然な呼吸での吸う息と吐く息の長さはどのぐらいだろうか? 呼吸が切り替わるときの間はどんな感じだろう? 息は浅い? 深い? マインドが忙しく働いている? この静けさに安らいでいる? それとも居心地が悪い?
それらのチェックが終わったら、頭を床から数cm持ち上げる。あごを引いて鎖骨に近づけ、額を床につける。そこから、あごを鎖骨から遠ざけて額の皮膚を目の上にずらす。そのまま内面に意識を向け、呼吸の動きにゆだねる。 7~10回呼吸する。練習に慣れたら15 ~25回に増やしていく。
アドームカシュヴァーナーサナ~下向きの犬のポーズ
子供のポーズから、両腕を前方に伸ばし、両手の位置を肩幅よりもやや広くする。額の皮膚が目の上にかかっている状態のまま、ゆっくりと体の脇と腕を伸ばし、つま先を立てる。かかとを床に近づけながら、坐骨を天井に向かって引き上げてダウンドッグに入る。肩を後ろに回して耳から遠ざけ、首の後ろを長く伸ばして力を抜く。目頭が頭の中心に向かって溶けていく様子を思い描きながら、目をリラックスさせる。視線は柔らかく一点を見つめる。
シャラバーサナ~バッタのポーズ
うつ伏せになり、両脚を腰幅に開く。両腕は体側に沿って伸ばし、手のひらを上に向ける。腹部から脚、足先までを後方に伸ばし、足指を開いて足の裏を広げる。骨盤下部を体に引き入れ、下腹部の皮膚をおへそに近づけるようにして、背骨の付け根付近を広げる。それと同時に、上半身から頭頂部まで前方に伸ばす。息を吐くたびに背骨の付け根を広げるように意識する。息を吸うたびに脚は後方に、上体は前方に伸ばす。
アルダチャンドラーサナ~半月のポーズ
右足の外側にブロックを置き、体を右に倒してウッティタートリコナーサナ(三角のポーズ)に入る。右手をブロックにのせる。息を吐いて右膝を深く曲げ、ブロックを15~30cm前方にずらしながら、体重を右脚に移す。吸う息で後ろの足を持ち上げ、体を横に開いて半月のポーズに入る。バランスがとれるように微調整しながら、皮膚、筋肉、関節まわりの感覚に意識を向ける。できるだけ骨盤が右大腿骨の上に浮かんでいるような感覚を得るようにする。意識的に息を滑らかに吐き、あごまわりの力みをゆるめる。三角のポーズに戻り、両手をマットについてダウンドッグに入ったら、お尻をかかとの上に下ろして子供のポーズに戻る。準備ができたら立ち上がり、反対側でも行う。
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