失敗や後悔、プレッシャー、心配事…「考えても解決しないのに考えてしまう」思考を鎮める方法

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失敗や後悔、プレッシャー、心配事…「考えても解決しないのに考えてしまう」思考を鎮める方法

石上友梨
石上友梨
2021-01-31

同じことを何度も考えてしまう、思考が思考を呼び、どんどんネガティブな方向に考えてしまう、そんなことはありませんか?ぐるぐる思考に悩んでいる時は、過去の後悔や未来の不安など、解決できないことばかり考えてしまい、苦しくないでしょうか?今回は、そんなぐるぐる思考を鎮めるために、なぜマインドフルネス瞑想が有効なのか解説します。

デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)とは

デフォルト・モード・ネットワークはぐるぐる思考と関連する関連をします。私たちが、特にすることがなくボーっとしている時、気がついたら過去の出来事の後悔や未来の不安などネガティブなことを次々と連想していませんか?答えが出ないことを繰り返し考え、止めたくても止まらない思考に疲れ果ててしまうことがあるでしょう。このような状態は脳のデフォルト・モード・ネットワークの過活性と関連をしています。ワシントン大学のマーカス・レイクル教授が命名したデフォルト・モード・ネットワークは、頭の中に雑念が浮かんでいる時や、これから起こりうる出来事に備えている時に活性化する脳の回路です。内側前頭前野や後帯状皮質などの複数の脳領域がネットワークでつながっているため「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれています。そして、デフォルト・モード・ネットワークは、脳が1日で消費するエネルギーの7割ほどを使っていると言われています。

マインドフルネスの効果

デフォルト・モード・ネットワークの過活性はマインドフルネス瞑想の実践で鎮めることができます。脳がエネルギーの無駄遣いをせず、休息やリラックスにもつながります。マサチューセッツ大学医学部マインドフルネスセンター責任者のジャドソン・ブルワー博士の研究では、マインドフルネス瞑想を実践しているときに、デフォルト・モード・ネットワークを構成する内側前頭前野や後帯状皮質の活動が見事に低下していることを観察しました。また、イェール大学でJudson Brewer 博士が行なった研究では、マインドフルネス瞑想を長く実践している人の脳画像をMRI で調べた結果、デフォルト・モード・ネットワークの活動低下に加え、瞑想していない時でもデフォルト・モード・ネットワークの活動パターンが瞑想未経験者と異なることを発見しました。博士によると、瞑想経験者は、思考が過去や未来に行かず「今ここ」で起こっていることに集中しやすくなっているとのことです。つまり、瞑想していないときでも、瞑想中と同じような心の状態を保つことができるということです。そして、博士は瞑想経験者のデフォルト・モード・ネットワーク回路のことを、「present-centered default mode(現在中心のデフォルトモード)」と述べています。

現在中心のデフォルトモードについて

現在中心のデフォルトモードをより活性化するための瞑想方法について、iRest創始者であるリチャード博士は、2つ以上の対象に注意を向ける方法を提案しています。リチャード博士は、同時に感じる瞑想法により、私たちの脳のPresent-Centered Default Mode Network (PCDMN)がアクティブになり、洞察力やクリエイティビティの向上がするといいます。

それでは、両手を感じる瞑想法をご紹介します。

やり方

1.まずは、右手に注意を向けます。右手にはどのような感覚があるか感じてみましょう。

2.次に、左手に注意を向けます。左手にはどのような感覚があるか感じてみましょう。

3.最後に、右手と左手に注意を向け、両手を同時に感じてみましょう。

右手と左手を片方ずつ感じた時と、両手を同時に感じた時に、何か感覚の違いはあったでしょうか。例えば、2つの対象を同時に感じることで、「両手の一体感を感じた」「視野が広がった」「観察対象と距離が取れ客観的になれた」「自分は観察者だという意識が持てた」など、様々な感想があるでしょう。もちろん正解はありません。感じ方はそれぞれの自由です。もしかしたら、何も感じなかった場合もあるでしょう。初めはなかなかうまく感じられなくても、続けることで上手に観察できるようになります。もし両手を感じずらい場合は、観察対象を変え、両足でやってみても良いでしょう。

今回はマインドフルネス瞑想がなぜぐるぐる思考に効果があるのか脳科学の視点からお伝えし、さらに創造性がより発揮できる現在中心のDMN回路を活性化するための瞑想法をご紹介しました。創造力が高まることで、仕事や遊びに生かすことができます。また、アイディアを出したい時にあえて、今回ご紹介した瞑想法を実践してみても良いでしょう。

参考文献:

Judson Brewer、Meditation Experience is associated with differences in default mode network activity and connectivity、Proceedings of the National Academy of science、2011

Your Present-Centered Default Mode Network (PCDMN)

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。

 

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