「あの人はなぜあんなことをしたのだろう」いつまでも考えてしまう理由と考えを止める方法

 「あの人はなぜあんなことをしたのだろう」いつまでも考えてしまう理由と考えを止める方法
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石上友梨
石上友梨
2020-08-09

なんでだろう、なんでだろうと考えているうちに、どんどん不安になっていった経験はありますか?特に、理由がわからないものほど、私たちはぐるぐると考えてしまうものです。「あの人はなぜあんなことをしたのだろうか?」「何があったのだろう?」今回はぐるぐると考えてしまう理由と止める方法を紹介します。

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分からないことは人を不安にさせる

未来のこと、他人のことなど、自分では答えが分からないことは不安につながります。答えが分からないことについて考えても、いつまでも答えは出ません。「なんで、あの人はこんな行動をとったんだろう」「どうゆう意味があったんだろう」「どんな気持ちでどんな思いだったんだろう」考えても考えても答えは出ません。ぐるぐると考え続けてしまい、どんどんと不安や心配な気持ちばかりが大きくなります。

私たち早く結論が欲しくなる

私たちは、不安な気持ちなど「ネガティブな感情」と呼ばれるものを不快に感じます。答えが出ないままぐるぐると考えている限り、不快な気持ちは続いてしまいます。私たちは不快な気持ちをなくしたいと考えて、分からない状況で無理やり結論を出そうとしてしまいます。しかし、分からないものに対して結論を出すことは難しいです。だから様々な情報を集めようとし、ネット検索するなどの行動を取ります。もしかしたら、材料集めのネット検索がいつまでもやめられない・・って方も多いかもしれません。

私たちはどんな結論を出すのか?

分からないものに対して、私たちが結論を出すときには、私たちの「考えの癖」が影響します。「考えの癖」とは、私たちがついつい考えてしまう癖やパターンのことです。「結論の飛躍」という「考えの癖」は、根拠もないのに、ネガティブな結論を出してしまうことです。私たちは未来のことや他人の心など、100%予想することは出来ません。しかし、「結論の飛躍」では、未来のことを予想したり、他人の心を深読みしたりして、根拠なく結論を決めつけてしまいます。例えば、まだ結果も出ていないのに、「試験に落ちてしまった」「面接はうまく行かなかった。このまま仕事が見つからない」と結論付けてしまいます。また、他人のある発言や行動に対して、「〇〇さんに嫌われている」「〇〇さんはこう思っているんだ」など、人がどう思っているかを決めつけてしまいます。それが本当のことか真実を確かめられない場合は、結論を出したとしても落ち込みや不安な気持ちが続きやすくなります。 

真実を確かめられないことは考えない

それでは、どうすれば良いのでしょうか?

真実を確かめられることならば、実際に確かめることで不安や心配など、辛い気持ちは軽減します。しかし、真実を確かめられない場合は、考えることをやめた方が賢明です。例えば、仕事で同期がごそっとやめた場合。その同期と連絡が取れれば、理由を尋ねることができます。同期は、「実家に帰ることになって」「思ってた仕事と違くて」「やっぱり夢を追いかけることにした」「〇〇さんがどうしても合わなくて」などと答えるかもしれません。理由を聞けば、「そうゆうことか」と納得することができます。その理由が自分に関係するものなのか、しないものなのか、冷静な判断をすることができます。しかし、同期と連絡が取れずに理由が分からないままだと、自分を関連づけてしまうことがあります。自分を関連づける考えの癖を「自己関連付け」と言います。例えば、「同期が何人もやめるなんて、何かあったに違いない」「厳しい上司がいて私もやられるかもしれない」「やばい仕事があるのではないか」「別の仕事に転職した方が自分もいいのでは」など、自分に関連づけて捉えてしまいます。

考えを止めるために

それでは、考えてしまうことを止めるにはどうすればいいのでしょうか?

1.とにかく外に出す

頭の中で考え続けると、思いや気持ちはどんどん強くなります。なるべく早めに、外に出すことがポイントです。例えば、「信頼できる人に話す」「思いのまま紙に書きなぐる」など、自分の頭の中から外に出しましょう。

2. ほかのことに集中する

他に、集中するものがあると、考えていることから上手に注意をそらすことができます。考えは基本的には流れ去っていくものです。注意を向ければ向けるほど、長く考え続けてしまいます。あんなに気になって頭から離れなかったのに、大好きな友人とおしゃべりをしていたら、毎日欠かさないヨガをやっていたら、いつの間にか考えることを忘れている瞬間がありませんか?あえて、「他のものに集中する状況を作ること」でぐるぐる思考から抜け出しましょう。例えば、ヨガのバランスポーズがおすすめです。バランスポーズは、ポーズに集中しないと体制をキープできません。踊り神のポーズや木のポーズなど、お気に入りのバランスポーズを取る、マインドフルネス瞑想をするなど、他のことに集中しましょう。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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