陰ヨガで「腰痛」を緩和|補助具を使い、骨盤まわりの筋肉をじっくり休めながらゆるめよう

 陰ヨガで「腰痛」を緩和|補助具を使い、骨盤まわりの筋肉をじっくり休めながらゆるめよう
Shoko Matsuhashi

筋肉は休ませ、時間をかけて筋膜や骨などの結合組織などに働きかける陰ヨガは、腰痛の痛みを穏やかに緩和。重力にまかせてリラックスが鍵!

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結合組織を穏やかにゆるめ痛みの悪循環を解消

陰ヨガの目的は、筋肉を休ませ筋肉以外の骨や靭帯、腱、筋膜などの結合組織にアプローチし、体の内側の巡りを良くすることです」とMaiko先生。
腰痛は、痛みの引き金となる骨盤まわりの筋肉をゆるめることが症状緩和につながりますが、それには陰ヨガで結合組織に働きかけるのが効率的と言います。
「意外と知られていませんが、筋肉と結合組織の量を比較すると筋肉が41%、結合組織が47%と結合組織のほうが多いんです。人間の体は痛みを感じると防衛反応として緊張し、硬くなります。つまり固まった筋肉を無理に伸ばそうとするより、陰ヨガで結合組織にゆっくりと心地よい刺激を与えることで、結果、筋肉がゆるむのです」
3〜5分ポーズに留まる陰ヨガポーズは、自分が心地よく感じるところで脱力し、静かに体と向き合うことがポイント。
「ポーズ中は1カ所に留まらず、体の変化に合わせて動き、丁度いいところでキープしてください」

★心地いいポジションでキープして力を抜きましょう

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

この部位の硬さが腰の痛みの要因!

腰まわり、お尻まわり、鼠蹊部、前腿といった骨盤周辺が硬くなると、骨盤がゆがんで腰椎が圧迫され、腰痛を招くことに。これらの部位をターゲットに陰ヨガポーズを行うと、痛みが和らぎやすくなります。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
鼠蹊部・前腿/photo by Shoko Matsuhashi
骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
腰まわり・お尻まわり/photo by Shoko Matsuhashi

陰ヨガを行うときの3つの定義

1. 自分にとって丁度いい場所を探す
陰ヨガポーズに入ったら体の感覚に意識を向けます。痛みや痺れ、不快感があったら、ブロックやクッションなどを使い「痛みの手前、ぎりぎりのライン」で自分にとって最適なポジションを探します。

2. 力を抜き、静けさの中に身を置く
自分にとって最適なポジションで脱力し、筋肉を休ませる意識を体に向けながら、深く静かな呼吸を繰り返します。体の静けさは静かな呼吸を導き、呼吸がマインド(意識)の静けさを導きます。

3. 3〜5分キープし、穏やかにゆるめる
1つのポーズを3〜5分キープし、穏やかな刺激でターゲットをゆるめていきます。ポーズ中、常に体に意識を向け、余裕があればポーズを深めたり、痛みを感じたら軽減ポーズに戻るなど動いてOK。

★用意するとよいもの

ブロック
手や脚の位置の調整に活用。本や辞書をタオルなどで包んで使ってもOK。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

クッション
前屈や仰向けのときなどに体をサポート。マットを丸めたり、枕の代用も◎。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

陰ヨガポーズの前に

足指&お尻ほぐしで体のエネルギーを巡りやすく!
陰ヨガポーズの前に行いたいのが、下半身のマッサージ。足指や足首を回すことで体内のエネルギーの流れを促し、ポーズに向かう体の準備を整えます。また、太腿やお尻の筋肉をほぐして緊張を解くことで、ポーズに入ったとき、脱力しやすくなります。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

左足を右腿にのせ、親指側から両手で足指の間を開き、1本ずつ右回し→左回しする。反対も。(左右10回)

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
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左手で左足首の上を持ち、右手の指と左足の指を組んで、足首を内回し→外回しする。反対も。(各10回)

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
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膝を外に開いて座り、右前腕に体重をかけながら右脚の内腿を全体的にマッサージ。反対も。(各30秒)

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

膝を立てて座り、お尻の横に手をつく。足を上げ、片方のお尻を床につけて前後に動く。反対も。(各10回)

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

腰まわりの硬さをリリース→腰椎にアプローチ

腰まわりがガチガチに硬くなると腰椎に負担がかかります。そこで腰椎をゆるめるポーズで椎骨の圧迫を和らげ、腰を快適に保ちましょう。

チャイルドポーズ

腰をラクに伸ばして椎骨の詰まりをとる
無理なく腰を伸ばして椎骨と椎骨の間を広げます。深いリラックスも得られるので痛みから意識を離す効果も。

A. 正座になり、両足の親指をつけて背中を伸ばす。膝を閉じ、太腿の上に両手をのせる。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
A/photo by Shoko Matsuhashi

お尻がかかとから浮く場合
B. お尻とかかとの間にクッションを挟み、目を閉じて上体を前へ。額または頰を床につけ、手はラクに。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
B/photo by Shoko Matsuhashi

お尻とかかとがつく場合
C. 目を閉じ上体を前へ。床に額または頰をつけ、手はラクに。キープ中、腰や股関節に痛みを感じたらBに。(3〜5分)

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
C/photo by Shoko Matsuhashi

B↔︎C
動いてOK

バナナポーズ

体側をゆるめて腰のハリを解消
体を横に傾け、腿の腸頸靭帯や肋骨をゆるめて腰まわりの巡りを促進。手で体を引っ張らず、背骨の傾きを意識して。

A. 仰向けになり、バンザイをするように両手を頭の先へ伸ばす。両手両脚はラクな幅に開いて。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
A/photo by Shoko Matsuhashi

B・C. 右手で左手首を持ち、目を閉じて、体を右へスライド。余裕がある人は左脚を右脚に重ねてキープ。反対も。(3〜5分)

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
B/photo by Shoko Matsuhashi

できる場合

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
C/photo by Shoko Matsuhashi

教えてくれたのは...Maiko Kurata先生
BRIGHTON Studio DAI KANYAMAディレクター。ハタヨガクンダリーニヨガなどの指導を通して、誰もが楽しめるヨガをシェア。陰ヨガはBernie Clark氏に師事。

骨盤まわりの筋肉を休めてゆるめる陰ヨガで痛みを緩和①
photo by Shoko Matsuhashi

 

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photos by Shoko Matsuhashi
hair&make-up by Kyoko Suzuki
text by Minako Noguchi
yoga journal vol.71



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