蓮はヨガの象徴「ロータスポーズ」を深める8つのポーズ

 蓮はヨガの象徴「ロータスポーズ」を深める8つのポーズ
David Martinez
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あなたの蓮を育てよう

このシークエンスは、股関節と膝と足首を開き、股関節屈筋群と仙骨部を伸ばし、骨盤と大腿骨に強い外旋をもたらす。練習を完全なものにするために、ウォームアップ、太陽礼拝、カウンターポーズも併せて行おう。禁忌には、膝と足首の慢性的な障害、仙骨と腰の局所不安定性、(骨盤底を強く締める場合は)妊娠がある。

1.パリヴルッタトリコナーサナのバリエーション(ねじった三角のポーズ)

効果:足を平行にして行うと、股関節と腰と太腿がゆるやかに解放される。

足を90 ~ 120cm開いて立つ。息を吸いながら、両腕を横から引き上げて肩と一直線にする。息を吐きながら、体をねじって、左手を右足の外側の床に下ろす(ブロックを利用してもよい)。右腕を上に伸ばす。床に下ろした手の上に、両腕と肩を積み重ねるように伸ばす(ポーズを修正するには、右膝を少し曲げる)。息を吐くたびに、へそを天井のほうにねじりながら、へそから胴体をねじる。8呼吸する間この姿勢を保ったら、胴体のねじりを解き、腕を体側に下ろして、立った姿勢に戻る。反対側も同様に行う。

ロータスポーズを深めよう
Photo by David Martinez

2.プラサリタパードッターナーサナ(立って両脚を伸ばすポーズ)

効果:股関節を開き、太腿の内側を伸ばす。

足を90 ~ 120cm開き、平行にして立つ。両手を腰にあてる。息を吸いながら脊柱を伸ばす。息を吐きながら体を前屈させて、手をふくらはぎの外側か足首にあてる。左膝を曲げて、胴体の前面を伸ばして脚から引き離す。坐骨を引き上げて、左右の坐骨を引き寄せる。8呼吸する間この姿勢を保つ。反対側も行って、山のポーズに戻る。

ロータスポーズを深めよう
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3.アルダパドモッターナーサナ(半蓮華座の立位前屈)

効果:ロータスポーズに向けて股関節、膝、足首を整える。

ターダーサナ(山のポーズ)から右膝を曲げて、右足のかかとを左太腿にのせて半蓮華座を組む。膝に負担がかかる場合は、右足をヴルクシャーサナ(木のポーズ)と同じ位置において伸展させ、左膝を少し曲げる。吸う息で脊柱を伸ばす。吐く息で前屈していき、手を床かブロックに下ろす。左足の親指の側を床につける。腰を平らにして、坐骨を引き上げ、肩甲骨を内側に入れて下げる。腰を平らにしたまま6 ~ 8呼吸をする。息を吸いながら、体を引き上げる。右脚を元の位置に戻して、反対側も同様に行う。

ロータスポーズを深めよう
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4.ジャタラパリヴァルタナーサナ(腹部のねじりのポーズ)のバリエーション

効果:股関節回旋筋群を開く。ロータスポーズに向けて、股関節と腰を整える。

床に仰向けになる。両膝を曲げ、腰を床から上げて7 ~ 10cmほど右側に下ろす。左脚を前方に伸ばし、右脚を曲げたまま体の左側に回転させる。右足のかかとを床から15 ~ 20cmの高さに保ったまま、右膝を床のほうに向ける。このとき右足は右膝より高くする(こうすると股関節の外側が開く)。右肩を床に下ろして、目線を右に向ける。息を吐くたびにへそを引き入れて、体を左側にねじる。反対側も同様に行う。

ロータスポーズを深めよう
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5.ウパヴィシュタコーナーサナ(座った開脚のポーズ)

効果:太腿の内側を柔軟にして、大腿骨を外旋させる。

両脚を前に伸ばしてダンダーサナ(杖のポーズ)で座る。腕を背後に回して、上体を後ろに傾け、両脚の間を90度に開く。足を伸展させて、太腿を押し下げて外側に回転させ、膝頭を天井のほうに向ける。両手を体の前に下ろす。息を吸いながら、脊柱を伸ばす。息を吐きながら、背中と腰を丸めずに、手を前に歩かせる(背中が丸くなる場合は、たたんだブランケットかクッションの上に座って、座面を高くする)。かかとを押し下げて、太腿の内側を伸ばしながら天井のほうに引き上げ、大腿骨を床に押し下げる。6 ~ 8呼吸する間この姿勢を保ち、息を吸いながら体を起こす。

ロータスポーズを深めよう
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6.バッダコナーサナ(合せきのポーズ)

効果:太腿の内側を伸ばし、仙骨と腰椎の周辺の調子を整える。

両脚を広げた姿勢から、膝を曲げて足の裏を合わせる。膝を自然に任せて開いていく。足の甲を両手で包む。息を吸いながら脊柱を伸ばす。息を吐きながら、背面を平らにしたまま前屈する。息を吸うたびに脊柱を伸ばし、息を吐くたびに体の上部を床に向かって解放する。ストレッチを深めるには、肘をふくらはぎにのせて、脊柱を伸ばしながら、ゆっくり膝を開いていく。6 ~ 8呼吸する間この姿勢を保ったら、ゆっくり体を引き上げて、ダンダーサナに戻る

ロータスポーズを深めよう
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7.アルダパドマパスチモッターナーサナ(半蓮華座の前屈)

効果:パドマーサナの最終的な準備として、膝、足首、股関節をしっかり伸ばすことができる。

ダンダーサナから、右膝を曲げて足裏を天井に向けて、太腿の緊張をゆるめる。右足の甲を左太腿にのせてできるだけ鼠蹊部に引き寄せる。右足の位置が定まったら、強く伸展させる。伸ばしているほうの脚でしっかり床を押して、骨盤を前傾させる。両手で左足をつかむ。ストラップを利用してもよい。息を吸いながら、胸骨を引き上げる。息を吐きながら、腰を太腿のほうに押す。6 ~ 8呼吸する間この姿勢を保つ。反対側も同様に行う。膝に負担がかかる場合は、このポーズの代わりにジャーヌシールシャーサナ(頭を膝につけるポーズ)を行う。

ロータスポーズを深めよう
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8.パドマーサナ(ロータスポーズ、蓮華座)

ダンダーサナに戻る。右足を左太腿の付け根に引き寄せてのせる。次に左脚を曲げて、できるだけ外旋させ、足先をつかんで足裏を天井に向ける。左足を右太腿の付け根にのせる。両足を伸展させて、太腿の内側を骨盤底のほうに引く。脊柱を伸ばし、手のひらを上に向けて膝にのせる。滑らかで均等な呼吸を5回する。息を吸いながら、頭頂部が天井のほうに伸びるのを感じてみよう。息を吸うたびに、太腿の内側を骨盤のほうに引き続ける。ムーラバンダ会陰部の締め付け)をして骨盤底を引き上げる。目線を柔らかくしたまま、目の緊張をゆるめて下に向ける。心を内側に向けて、鮮明になりつつある感覚に結びつける。心が朗らかで開かれているのを感じよう。6 ~12呼吸したら、脚を組み替えて同様に行う。

※注 このシークエンスで半蓮華座のバリエーションができない場合は、体の開きがまだ十分ではなく、蓮華座を組むと膝を損傷する可能性がある。体の準備が十分に整うまで、1 ~ 7のポーズを繰り返し練習しよう。

ロータスポーズを深めよう
Photo by David Martinez

自由の花

よどんだ泥水の中の蓮の葉のように、泥にまみれないようにしよう

パカンジャムとは、サンスクリット語に数多くある「蓮」を指す言葉のひとつで、「排出物や泥から生まれるもの」を意味する。蓮の花は沼地に生息しても、泥の上に茎を伸ばして水の上にたたずみ、泥にまみれることはない。

自らの原点をものともしないあまりに美しく清らかな何かが、蓮をカイヴァルヤ(解放)の象徴にしている。カイヴァルヤは苦しみがないことと同義であり、ヨガの究極の目標である。

蓮の葉は葉の上に落ちたものを吸収しない。水は玉になって葉から滑り落ちて、葉はいっさい影響を受けない。私たちもこのように、何に接しても心が乱されないよう努力する必要がある。生まれた環境や生い立ちに関係なく、誰でも花を咲かすことができるはずだ。

シークエンスの考案者:ロッド・ストライカー

指導/ノラ・アイザックス
『ヨガジャーナル』誌の元編集者であり、『Women in Overdrive: Find Balanceand Overcome Burnout at Any Age』の著者。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Photos by David Martinez
Illustrations by Scott Bakal   
Model by Matt Pesendian
Styling by Lyn Heineken   
Hair&make-up by Racine Christensen  
Translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.66掲載



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プラーナ 呼吸