ピラティスの基本をヨガに取り入れよう!「背骨」の2つの原則を理学療法士が解説
ピラティスの基本原則2つを紹介
今回紹介するピラティスの基本原則はこの2つです。
①「軸の伸長」
②「背骨の分節的運動」
この2つの原則について説明します。
軸の伸長とは
「軸の伸長」とは、重力に対して身体を上に引き上げる感覚のことです。「軸の伸長」によって、重力に押し潰される力に抵抗する垂直方向の抗重力活動が起こります。こうすることで身体の左右のバランスがとれて身体が中心に整い、身体の基本的アライメントが整います。さらに「軸の伸長」によって、自動的にコアにも必要な力が入ります。
※「抗重力筋」については「代謝アップ&良い姿勢に!理学療法士が解説「抗重力筋」を鍛える方法」を参照。
ピラティスの基本原則の中でも、私はこの「軸の伸長」を特に重要視しています。この機能の破綻が様々な怪我や変形や痛みといった障害へとつながると思っています。
まず、ターダーサナ(山のポーズ)で体感してみましょう。ターダーサナはすべてのヨガのアーサナの原点だと以前お話しました。そのターダーサナ、ただ何気なく真っ直ぐ立っているだけではないですか?「軸の伸長」を意識して立ってみましょう。いろんな例え方ができますが、天井から頭頂部を糸で引っ張られているような、または背骨をいつもより10センチくらい長く引き上げるような感覚です。
背骨の分節的運動とは
背骨は24個の椎骨と、仙骨と尾骨から成り立っています。背骨はその24個の椎骨がひとつひとつ分離して、波打つように連動しながら均等に動くことが理想的で、これを「背骨の分節的運動」といいます。これが失われると、呼吸機能の低下や胸椎の可動性が低下し、それが頚椎や腰椎の過剰ストレスとなり症状へと至ります。
「背骨の分節的運動」は、椎骨同士の間隔が広がりながら動くことが重要で、つまり同時に「軸の伸長」を伴った動きが求められます。では、ロールアップ&ロールダウンで体感してみましょう。背骨ひとつずつを順番に動かすように丸まりながら、前屈位から立位へ、また立位から前屈位へと動きます。立位から前屈していく時は、壁に貼ったポスターが壁からゆっくりはがれ落ちるようなイメージで、前屈位から起き上がる時は、骨盤をまず正面に起こして、その骨盤に背骨をひとつひとつ積み木のように積み上げていき、最後に頭部を静かに乗せるようなイメージです。
私はよく太陽礼拝の動きの中で、このロールアップ&ロールダウンを「背骨の分節的運動」を促すために取り入れています。
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