ピラティスの基本をヨガに取り入れよう!「背骨」の2つの原則を理学療法士が解説
2つの基本原則はすべてのヨガポーズに適用可能
「軸の伸長」と「背骨の分節的運動」、この2つの基本原則の感覚がとても重要で、実はこれらはすべてのヨガポーズに適応します。
ヴルクシャーサナ(木のポーズ) などの様々な片脚でのバランスポーズや 、ヴィーラバッドラーサナ(戦士のポーズ) シリーズはもちろん、スカーサナ(安楽座)のようにたとえ座っていても 、アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ) のように下向きの体勢でも、ウッティタートリコナーサナ(三角のポーズ) のように背骨が横に傾いていても、ジャーヌシールシャーサナ(頭を膝につけるポーズ) のように前屈していても、ブジャンガーサナ(コブラのポーズ) ように背骨を後ろに反っていても、アルダマッツェーンドラーサナ(半分の魚の王のポーズ) のように背骨を捻っていても、バカーサナ(鶴のポーズ) のようなアームバランスポーズでも、この2つの基本原則を同時に意識してポーズを行います。
そして、意外かもしれませんが、バーラーサナや、(子供のポーズ)シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)といった脱力するポーズでもこの2つの原則が必要です。ここで気付いた方もいると思いますが、本来「軸の伸長」と「背骨の分節的運動」とは、決して全力で頑張って行うものではなく、潜在的な必要最小限の力で実現可能なことなのです。とはいっても、それぞれのポーズによって、また人によって、この2つの原則のコントロールの難しさや、必要な力の差はもちろんあるかもしれません。そのうち必ず感覚がつかめてくるはずです。
最後に
ピラティスの基本原則である「軸の伸長」と「背骨の分節的運動」、理解できたでしょうか?背骨を重力に抗うように長く保ち、そして背骨ひとつひとつの隙間を広げることで背骨のきめ細やかな動きを促すようなイメージです。この2つの基本原則が、今後自分自身の背骨を長持ちさせる秘訣にもなります。
「もし30歳であなたの背骨が柔軟性に欠けて硬かったら、あなたは歳をとっています。もし60歳であなたの背骨が完璧な柔軟性を保っていたら、あなたはまだ若いのです。」
これは、ピラティスの生みの親であるジョセフ・ピラティス氏の言葉です。私の好きな言葉のひとつです。ピラティスの2つの基本原則を前提に、自分の背骨に意識を向けながら、今日のヨガの時間を過ごしてみてくださいね。
ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200を取得。その後、健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200解剖学講師も務める。
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