〈鎌倉↔︎八ヶ岳〉森の中のポツンと一軒家。暮らしはじめて知った現実とは #暮らしの選択肢
近年、テレワークの普及やライフスタイルの多様化により、都市と地方の二拠点で生活する人々が増加傾向にあるということをご存知でしょうか。国土交通省の調査によれば、二地域居住等を実践する人は約6.7%に達し、約701万人と推計されているんだとか。また、複数拠点生活を行っている人は全体の5.1%に上るとの報告も。自らの価値観に基づき「暮らしを選ぶ」二拠点生活者たちから、その魅力や課題、リアルな日常を深掘り。理想と現実の狭間で見えてくる「暮らしの選択肢」の今を伝えます。
今回お話を伺ったのは、鎌倉と八ヶ岳で二拠点生活を送るmikaさん。夢だった広大な土地の庭仕事に追われ汗水流す時間はとても充実しているよう。一方で、地方で暮らすのであればこんな家が良いというような理想の家「森の中にあるポツンと一軒家」で暮らすようになって、はじめて知った現実に戸惑うこともあるよう。一体どんなことなのか。mikaさんの #暮らしの選択肢に迫ります。
〈移住者プロフィール〉mika
Instagram: _komorebi_no / __m_m_mika
YouTube: @komorebino
想像以上に寂しい...八ヶ岳生活で盲点だったこと
2026年8月より、鎌倉と八ヶ岳で二拠点生活を送っているmikaさん。65歳を超えたmikaさんの夫は、現在も勤めに出ているため、平日は鎌倉で過ごしている。一方で、mikaさんは用事がある時以外は、八ヶ岳で過ごす。鎌倉の庭よりも10倍の広さに及ぶ庭を整えるのに、大忙しなんだそう。
「やりたいことができてる」という充足感がある一方で、暮らしはじめてから思い知った現実もあったという。
「別荘地にポツンとある一軒家なので、周囲は本当に静かです。ゆっくりはできますが、時々、野生動物の声や、足音を耳にすることも。この間も狐に遭遇しました。狐というと可愛いイメージだったのですが、実際に近くで見ると、目が本当に怖かったです」
自然は美しい。けれど、それだけではない怖さもある。
また、自然の脅威に加えて盲点だったのが、寂しさが強いことだったという。mikaさんは、若くして結婚をし、3人の子供を育ててきた。そのため、常に周りに人がいるという環境の中にいた。振り返ってみると、一人暮らしの経験がほとんどなかったことに、八ヶ岳で一人時間を過ごす中で気づいた。好きなことを自由にできる楽しさはある。けれど、時に寂しさを感じずにはいられないこともあるようだ。
「買い出しも週1回程度で済ませるようにしています。それ以外は庭仕事をしているので、人に会う機会が限られています。だから、気をつけないと社会性が失われていってしまうのではないかと危機感を感じることもあります。そこは鎌倉の生活とは違いますね。鎌倉では、自宅の一歩外を出たら、誰かしらいました。また、運動も兼ねて、買い物は毎日出かけていたので。八ヶ岳生活では歩数がすごく減りました」
そんなmikaさん、最近になって犬を飼いはじめた。「まだ子犬なので、番犬にはなりませんが、暖かい生き物に触れているだけで安心感があります」と顔をほころばせて話す。予防接種が全て完了したら、愛犬を連れて散歩することが日課になりそうなので、運動量も人と会う機会も増えていきそうだ。
また、インスタグラムを通じて知り合った「花友達」に誘われて、八ヶ岳で開催される、マーケットなどにも足を運んでみたいと考えている。八ヶ岳という自然豊かな土地柄、もしかしたら、mikaさんのように植物好きが多く集まっているのかもしれない。「植物の話となると、時間が経つのを忘れてしまうので」と話すmikaさん。これから交友関係も広がるのかもしれない。
夢は、60歳でワイン作りに挑戦すること
mikaさんは、鎌倉で一拠点生活を送っていた頃から、生徒さんやご近所の方々に、庭で採れたものをお裾分けするのが何よりの楽しみだったそうだ。
しかし、鎌倉の庭には限りがある。けれど、今はその10倍の広さにもなる八ヶ岳の庭がある。お裾分けできる楽しみも10倍に増えるのだと思うと、自然と気持ちが高鳴る。
「来年の春には、葡萄を植えたいと思っています。葡萄は植えてから収穫まで最低3年はかかります。来春植えたものがうまく育ってくれれば、60歳で収穫になります。そうしたら、ワインを作りたいと思っています」
やりたいことが、どんどん増えていく。八ヶ岳と鎌倉の二拠点生活を続けていくために。そして、どちらの拠点でも庭仕事を楽しむためにも、いつまでも元気でいたい。そのため、これからヨガもはじめたいと思っている。たまたまYouTubeで片岡鶴太郎さんがヨガをしている姿を目にしたことがきっかけで、興味が湧いたそうだ。
八ヶ岳と鎌倉、二つの場所で季節を感じ、土に触れ、育てたものを誰かにお裾分けする。そんな日々の中で、やりたいことがまたひとつ、またひとつと増えていく。葡萄が実り、いつか自分の手でワインを作る日もやってくるのだろう。mikaさんの暮らしは、これからますます豊かに、楽しみなものになっていきそうだ。
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