腸から始める美肌ケア!「腸内フローラと肌の関係」に迫るオンラインセミナーレポート
「乾燥肌」「シミ」「しわ」「クマ」……年齢とともに増えてくる肌の悩み。実はその根本原因が「腸内環境」にあることをご存じでしょうか? ヨガジャーナルオンラインでは、腸活ドクターとして知られる農学博士の高畑宗明先生を講師にお迎えし、「腸内フローラと肌の関係」をテーマにしたオンラインセミナーを開催しました。本記事では、そのセミナーの内容をレポート形式でご紹介!肌トラブルに悩む方、最近便秘がちという方、そして腸活に興味のあるすべての方へ、健康と美容の鍵は、腸にあります。
腸内フローラの乱れが肌トラブルを引き起こす理由
「肌は腸の鏡」と言われるように、腸内環境の状態はそのまま肌に現れます。私たちの腸には、約1,000種類・40兆個もの腸内細菌が共生しており、この「腸内フローラ」は健康だけでなく、美容においても大きな役割を果たしています。
高畑先生によると、腸内環境が乱れることで、栄養素の吸収が妨げられ、代謝が低下。さらに、腸内の悪玉菌が産生するアンモニアや硫化水素などの有害物質が血中に入り込み、皮膚のターンオーバーを乱すのだそうです。その結果、乾燥・くすみ・シミ・ニキビなどの肌トラブルが現れやすくなるのです。
腸を整えれば、肌も変わる!
では、腸内環境を整えるにはどうすればいいのでしょうか? セミナーでは「食生活の見直し」が第一歩として紹介されました。
特に注目すべきは、食物繊維と発酵食品の積極的な摂取。水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく摂ることで、腸内の有用菌が増え、酪酸などの「短鎖脂肪酸」が産生されます。これにより、腸のバリア機能が高まり、炎症の抑制やホルモンバランスの安定化、さらには肌の潤い・弾力性にも好影響を与えることが期待できるのです。
また、朝忙しくて朝食を抜いてしまう人やダイエット目的で朝食を抜いてしまうなど、朝食の欠食が習慣になっている人には要注意のポイントも。セミナーで紹介された研究では、玄米や全粒小麦のシリアルを朝食に取り入れることで、排便回数が増え、吹き出物や毛穴の赤みなどが改善されたと報告されています。
発酵食品と乳酸菌がもたらす肌への恩恵
味噌、キムチ、ヨーグルト、そして米麹甘酒。これらの発酵食品に含まれる有用菌は、腸内環境を整えるだけでなく、肌質そのものに変化をもたらします。
特に米麹甘酒は、セラミドの生成を促進し、皮膚の保湿や弾力性の向上、抗酸化作用まで期待される「飲む美容液」として紹介されました。毎日100~200ml程度を目安に継続的に摂ることが推奨されています。
また、特定の植物性乳酸菌(ラブレ菌やH61など)は、加齢による肌の乾燥を防ぎ、皮膚バリアの改善にも寄与することが研究で示されているそうです。
まずは、自分の腸を知ることから始めよう
セミナーの最後に高畑先生が強調していたのが、「腸内環境は人それぞれ違う」ということ。同じように食生活を改善しても、効果が出る人と出にくい人がいるのは、腸内フローラの“個性”によるものです。
そこで重要になるのが、「自分の腸内環境を知る」こと。最近では、自宅で簡単に腸内フローラの状態をチェックできる検査キットも登場しています。たとえば、ミルテルの「わたしの腸活サポートチェック」では、酪酸菌やビフィズス菌、痩せ菌やエクオール産生菌といった注目の腸内細菌の存在やバランスを調べることができ、自分に合った腸活の方向性が見えてくるはずです。

腸を整えることは、肌と未来の健康への投資
腸内フローラと肌の関係を紐解いた今回のセミナーは、単なる美容の話にとどまらず、全身の健康とつながる「腸の重要性」を再確認する機会となりました。美しい肌を育てたい人はもちろん、慢性的な疲労感やストレス、便秘や免疫低下に悩む人にも、腸活は大いに効果が期待できます。
まずは、自分の腸の状態を知ることから。腸内フローラの可視化が、美と健康の第一歩です。
教えてくれた人:高畑宗明(たかはた・むねあき)先生

農学博士。岡山大学大学院にて博士号を取得後、腸内細菌や免疫、発酵食品の研究に従事。これまでに世界20カ国以上を訪問し、プロバイオティクスや発酵サプリメントの研究開発に携わってきました。国内では腸内環境や腸活に関する講演や執筆を行い、わかりやすく実践的な腸活の知識を広める活動を続けています。著書に『腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない』(講談社+α新書)、『腸で酵素をつくる習慣』(朝日新聞出版)など。
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