【肩の怪我からの回復期に最適】ヨガの代表的なポーズ「5つの軽減アレンジ」

 【肩の怪我からの回復期に最適】ヨガの代表的なポーズ「5つの軽減アレンジ」

肩の怪我が回復し、ヨガ練習への復帰が許可された時、再び痛める可能性を最小限に抑えるにできることとは?

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ヨガのプラクティショナーとなり、初めて肩を大きく痛めた時のことは忘れられない。2008年、200時間のヨガティーチャートレーニングを修了したばかりの頃だった。今はアライメントに磨きをかけているが、それまでの私は汗をかきたいがためにポーズを素早くとってしまう癖があった。しかし、ヴィンヤサをする度に肩の前側に挟まるような嫌な感覚があった。その痛みは特にチャトランガで悪化した。私がマイソールスタイルでしていたアシュタンガの練習では幾度となく出てくるポーズだ。

痛みが出ても医療機関に受診はしなかった。ヨガがすべての答えを持っていたのだ。その代わり、肩の怪我の回復までにいくつかの全く異なるアプローチを試み、それぞれの全く異なる結果を経験した。

まず最初は、アーサナを何もしなければ肩の痛みに回復の時間が与えられるだろうと考えた。そのため、数週間練習を完全に止めた、と感じたが実際にはおそらく数日だったようだ。ヨガインストラクターになるために映画業界の仕事を辞め、ヨガを人生のすべてにしたばかりの私にとって、マットに立たないということはとても困難でフラストレーションの溜まることだった。

肩がすぐには自然に治らず、とても落胆した。また、アーサナの練習をしないと苛立ちや不安をより感じるようになり、自分には本当にアーサナの練習が必要だと気づいた。

ヨガが導いてくれた平穏が恋しくなり、私は作戦を変更した。次に、痛みを押しやって練習をしてみた。アシュタンガヨガの仲間は、「怪我は注意を向けているときだけ存在する」と請け合った。その結果どうなったかは想像がつくだろう。平穏とは程遠かった。

そのうち、私のぞんざいさにもかかわらず肩の怪我が改善したように思えた。しかし時によって再発した。肩の痛みに影響があったポーズにおいて強くなったのか、それとも痛みを無視することが上手くなったのか定かではなかった。

その10年後、さらにひどい肩の怪我を経験した。特定しやすい原因で。ポーズから崩れ落ちたのだ。手術、そして長い時間と気の遠くなるようなリカバリーが必要だった。手術後にマットに戻ってきた時には、以前とは違うアプローチを見出さねばならないと分かっていた。もっと極端でないものを。一定の指導の仕事やポーズを手放す悲しみを含め、すべてに対処するために依然として私にはヨガの練習が必要だった。だが自分の典型的な練習から離れることも必要だった。

怪我に気をつけながらヨガのポーズをとることを学ぶうちに、特定のポーズを「決めたい」「運動したい」という動機から離れ、自分の身体とそのニーズに深く耳を傾ける方法に意識を向けるのが有効だと気づいた。

自分の身体で何が心地よく、何が心地よくないかをただ観察することに多くの時間を費やした。痛みを起こしたり不安定さを感じるような動作に出くわしたら、それを軽減した。そして、気持ちの良いポーズを見つけたら、よりそのポーズに集中するようにした。

好奇心を持ち続けることで、私の怪我は練習の中で深いプレゼンスを培う契機であったことを知った。もはや特定の形をとる必要はない、場合によってはもう二度とする必要がない、ということだ。痛みがあるときの練習はシンプルに見えるかもしれないが、それがヨガの最も高度な練習であると感じている。

肩の怪我からの回復期に最適!ヨガの代表的なポーズ「5つの軽減アレンジ」

ポーズを「(身体面で)深めていく」よりも「安定させる」ことに集中するよう、アプローチを変えることで、肩の怪我は痛み、ストレス、不便、など様々伴いながらも、チャンスでもあることを知った。肩の怪我は、もっとゆっくり、もっとマインドフルに練習に取り組むことを可能にしてくれるのだ。以下は、私にとって有効だったメジャーなポーズを肩にやさしい腕の形に軽減したものだ。

※肩の痛みを感じている方は、運動をする前に医療機関に相談しよう。

腕を頭上に上げたポーズ
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(1)ウルドゥヴァハスターサナ(手を上にあげるポーズ)、ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)、ヴィラバドラアーサナ1(戦士のポーズ1)、アンジャネーヤサナ(三日月のポーズ)

チャレンジ:腕を頭上に上げる
解決策: 腕をV字型にする

方法: 両手の幅を肩幅にしたり、手を合わせたりするのではなく(これは肩を痛めていない人でも、多くの人の体にとって難しい!)、両腕を広くV字に広げる。

ヴィラバドラアーサナ2
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(2)ヴィラバドラアーサナ2(戦士のポーズ2)

チャレンジ:腕を肩のラインで真っ直ぐ伸ばす
解決策:肘を曲げる

方法:手のひらを天井に向けるために腕の外旋を大きくする。次に、腕が軽く感じられる程度に肘を少し曲げ、背中の上部が耳から離れるようにする。首を回して前の手の向こうを見るのではなく、視線は胸と一直線に保つ。

ウッティタトリコナーサナ
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(3)ウッティタトリコナーサナ(三角のポーズ)、ウッティタパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)

チャレンジ:上の腕を耳に沿わせる
解決策:上の腕を体側に沿わせる

方法:体の脇を伸ばすポーズや三角のポーズで、指導者が腕を頭上や天井に向けて伸ばすようインストラクションをした時は、上の腕は体側に沿わせて胴体の上に置く。こうすることで、上腕の骨が解剖学的にニュートラルな状態に保たれ、肩関節に負担がかからない。また、可能であれば前腕を回内させるため手の平を下に向ける。

ダウンドッグ
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(4)アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)

チャレンジ:体重を支える際に腕にかかる負担
解決法:脚を手に近づける

方法:両手をブロックの上に置いてダウンドッグに入る。アルダウッターナーサナ(半分の立位前屈)の時のように両腕にほとんど体重がかからなくなるまで、足を前に移動させスタンスを短くする。頭を下げ、耳と上腕が並ぶようにする。これにより、肩に体重をかけずにハムストリングのストレッチと逆転の効果を得ることができる。

パールシュヴォッターナ
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(5)パールシュヴォッターナーサナ(側面を強く伸ばすポーズ)

チャレンジ:パスチマナマスカーラ(背面合掌)
解決策:両手を腰に置く

方法:パールシュヴォッタナーサナ(側面を強く伸ばすポーズ)では、両手を背中に回すのではなく、肘を曲げて両手を腰に当てる。こうすることで肩関節に負担をかけることなく、胸を開くポーズの恩恵を受けることができる。

+この軽減は、プラサリタパードッターナーサナ(立って両脚を伸ばすポーズ)やハンブルウォーリアーなど、上腕を内旋させ、背中の後ろで指を組むようなポーズにも有効だ。

教えてくれたのは…サラ・エズリン
作家、ヨガ指導者、インスタグラム・インフルエンサー、そしてサンフランシスコ・ベイエリアを拠点とするママ。臆することなく正直でオープンであろうとする彼女の意志と生来の知恵により、彼女の執筆、ヨガクラス、ソーシャルメディアは多くの人々の癒しと心の平和の源となっている。1人ずつに着実に自己愛を教えることによって世界を変えている彼女はまた、「The Yoga of Parenting」の著者でもある。Instagram @sarahezrinyoga  TikTok @sarahezrin

ヨガジャーナルアメリカ版/「Shoulder Injury? Here Are the Best Yoga Modifications for When You’re Recovering

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by Sarah Ezrin
photos by Sarah Ezrin
translation by HIDEMI

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ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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