【″股関節の力″の引き出し方】腸腰筋が目覚め骨盤の傾きをリセット「ダウンドッグ」が上達する練習法
基本中の基本ともいえるダウンドッグ。骨盤が傾いていると、ポーズ全体のアライメントに影響が出てしまいます。そこでダウンドッグを分解して練習し、骨盤を立ててポーズがとれるようになるヒントを探ります。
これがお手本ダウンドッグ!
ニュートラルな骨盤を保つ腸腰筋の力が鍵
上のHANAE先生のお手本ダウンドッグと、下のやりがちなダウンドッグの写真を比べてみてください。違いは一目瞭然。背骨も脚も伸び、きれいな三角形ができているお手本に対し、やりがちポーズは、腰や背中が丸まっています。
この違いは股関節を屈曲させる「腸腰筋」の使い方にあります。腸腰筋はニュートラルな骨盤(腰椎の自然な前弯)を保つ筋肉。しっかり働くことで、股関節を強く引き込めるようになります。
ダウンドッグのような股関節の使い方は、日常生活ではほとんどしません。そのため、ダウンドッグでは意識して使うことが必要。
今回紹介する練習法で腸腰筋を目覚めさせ、骨盤の傾きを正したダウンドッグを身に付けましょう。
初心者がやりがちなダウンドッグは?
肩が詰まる
肩が上がって呼吸がしにくい。体幹からの力が腕に伝わりにくいため、床を押す力も弱い。
背中、腰が丸くなる
股関節を曲げると腰が丸まってしまい、真っすぐな背骨のラインを保つことができない。
膝が伸びきらない
膝が伸びきらず、かかとも床から浮いてしまう。膝を伸ばそうとすると腿裏の筋肉がつらい。
股関節の力を引き出すための練習法
骨盤が傾かないよう、背骨を伸ばしたまま股関節を引き込む練習です。強化したいのは腸腰筋。腰椎の前弯を意識して腸腰筋を刺激して。
ストレートレッグライズ
腸腰筋の力で股関節を90度に引き込む
ダウンドッグと同じように、背骨と脚を伸ばした状態で股関節を曲げる練習です。重力に逆らって脚を上げることで腸腰筋が強化されます。腰に負担を感じたときは無理をせず、回数や膝の曲げ具合で調節しましょう。
①仰向けになり、腰と床の隙間(腰椎の前弯部分)に手を入れてニュートラルな骨盤を意識。
②両脚を伸ばしたままゆっくり上げて、股関節90度。腰の下の手をつぶさないように意識。これを繰り返す。
膝を曲げてもOK
できる人は
時間をかけてゆっくり上げ下げすると、より腸腰筋を強化できる。
5カウントかけてゆっくり脚を下ろしていく。足首はフレックス。
床すれすれまで下ろしたら、5カウントかけてゆっくり脚を上げる。
練習のコツは
背中が丸まると腸腰筋ではなく腹筋のトレー ニングになってしまうので、できるだけ背骨を真っすぐ保つ意識で。勢いをつけると腰に負担がかかるので、そこも注意して。
教えてくれたのは...野村賢吾先生
ヨガインストラクター、鍼灸師、立教女学院短期大学非常勤講師。ヨガを「音」で表現する「音YOGA」の第一人者で、鎌倉にて「Quiet time」を主宰。ヨガインストラクター向けのオンライン講座「ヨガシークエンスデザイン」も話題。
モデルは...HANAE先生
2006年ヨガと出会い、2010年からアシュタンガヨガを開始。2013年より、クランティ氏のマイソールクラスアシスタントを務める。野村賢吾先生の「ヨガシークエンスデザイン」では、テキストのポーズモデルを務める。
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