今月の「生理中の過ごし方」が次の生理に影響する?毎月の生理のために今できること
ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。
来ないと不安だし、来たとしてもつらいのが女性特有の時期である月経。思春期から壮年期までおよそ40年近くもの間に、それも人生の中で一番活動的に過ごせる期間にほぼ毎月、多くの不快感とどうにかつき合っていかなければならないわけですから、なんともやるせない。女性にとっての“修行”と言っても過言ではありません。
多くの日常的な不調は、症状となって現れる前には何かしらの前触れがあり、そしてそのような不調を起こさないようにする予防策があることでしょう。アーユルヴェーダの知恵が力を一番はっきするのは、この予防策です。次回の月経期間をより快適に迎えられるように、今から早速始められる実践方法を紹介します。
生活のリズムを整えましょう
1日のサイクルの決め手は、起きる時間です。何時に起きたかによって朝食の時間が決まり、その後の食事のタイミングや、食事と食事の間の活動内容も決まってくることでしょう。そして食事と行動のリズムは、自ずと排泄のスムーズさにもつながります。起きる時間がバラバラだと、その後の1日のリズムが一向に作れません。生活のリズムが崩れたことで便秘やその他の不調を引き起こす可能性も出てきます。まずは起きる時間を揃えることから始めましょう。月経も女性特有のサイクルですから、日々の生活のリズムを整えることが大切な基盤を作ってくれます。
月経でない時期にしっかり運動をしましょう
様々な体の組織を若々しく活性させるには、運動が一番です。普段から全身を使った運動をしておくと、血行が良くなり、首、肩から背中のコリや気になる足のむくみにも改善が期待できます。また肩周りがほぐれてくると胸が広がり呼吸もしやすくなります。ヨガのポーズの中では、1ラウンドの中にあらゆる方向に体を動かす全身運動が詰まっている太陽礼拝がおすすめです。体を広げる時には吸う息で、折りたたむ時には吐く息で、と呼吸と連動させながら数ラウンド繰り返します。時間がある時には、肩や背骨周りの血流を良くするブジャンガーサナ、ダヌーラーサナなどの後屈のポーズ。そして重力が反対にかかることにより手の届かない内臓や女性の生殖器官などにまでマッサージ効果を期待できるサーランバサルヴァーンガーサナ、シールシャーサナなどの逆転のポーズがおすすめです。
月経中は優しく過ごしましょう
アーユルヴェーダの古典には、“月経中の女性は家事や仕事も免除で、暖かくしてゆっくり過ごすこと”と書かれています。体力も精神力も低下する時期ですから、本来は我慢していつもと同じように過ごすべき時期ではないのです。月経は、もちろん病気ではありませんが、ケアの程度を考えると風邪を引いた時と同じくらいの自愛が必要です。
また、“今月の月経中の過ごし方が、次の月の月経の質を決める”とも考えられています。
月経前症候群(PMS)と言って、暴飲暴食、イライラ、頭痛などの様々な心身への不快感が、月経前にも現れることもあります。これらの症状も、前の月の月経中の過ごし方が関わります。月経が始まったら、少なくとも経血の多い最初の3日間程度はゆっくり過ごしましょう。今月は軽いからといって、いつも通りに忙しく活動していると、次の月は重くなり、重い月はあまり動けないので、仕方なくゆっくりしますから次の月は軽くなります。軽い月こそ意識をして、ゆっくりと過ごすことが大切です。
特に仕事に、家族の世話に普段頑張ってらっしゃる方は、月経中の力の低下に敏感かもしれません。いつものように頭が回らず、踏ん張りが効かなくなるのは当然です。月経が始まる前までの頑張りを大いに褒めて、月経中はどうぞ優しくお過ごしください。
ライター/HIKARU
アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「HIKARUの楽しいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」(主婦の友社) www.ayusya.jp
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