研究結果が示唆!幸福感は50歳までにゆっくりと下降する?「どんな年齢でも幸せになる方法」とは?

 研究結果が示唆!幸福感は50歳までにゆっくりと下降する?「どんな年齢でも幸せになる方法」とは?
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何歳でも幸せでいるには? 

幸福感は一般的に中年期に下がると研究では示されているが、だからといって年齢に関係なく幸せでいることが不可能だというわけではない。
『 The Woman's Book of Yoga and Health : A Lifelong Guide to Wellness 』(パトリシア・ウォールデンとの共著)を書いたリンダ・スパロウは、人生の段階において、幸福度が高い時期と、悲しいかな、低い時期があると考えている。ヨガや、気づきのあるライフスタイルをもたらす特定のプラクティスは、良い時期をさらに良くし、悪い時期を最小限にとどめることができる、と彼女は話す。
青春期は20代に移行し、40代はじめは30代と強く結びつき、40代終わりは50代始めやそれ以降と性質を同じくするなど、彼女の記す人生段階は流動的だ。ただ、10年ごとに、私たちの成長を促すために特別なものがもたらされる、という考えに彼女は賛成だ。
アーユルヴェーダ実践者でヨガ指導者を養成するニキカ・キストガードは、普遍の事実としてではなく、一般的な指針としてドーシャのパターンを見るよう勧めている。「そのときの自分の状況を知る一般的な指針ではあるけれど、みんなを型にはめるわけにはいかないわ」とキストガードは言う。「人生はそこまで単純ではないのよ」。 
これを頭に入れ、それぞれの年代がもたらす浮き沈み、ギフトやチャレンジを検証していこう。 

何歳でも幸せでいるために
illustration by  Ffforn Studio Store , Creative Market 

真の満足を感じるためには、流れに身を任せ、自分は支えられていることを知らなくてはいけない。

20代

思春期の荒波を通り抜けた人なら、自信のなさ、不安定なホルモン、葛藤をもたらす家族や友人からのメッセージ、自己の感覚を脅かすメディアに別れを告げるのが、どんな素晴らしい気持ちをもたらすのかよく知っているだろう。20代が幸福曲線のトップにくると考えられているのも不思議ではない。もちろん、疑いを感じる瞬間もある。若者というのは、ぎこちなさを和らげ、地に足をつけて自立するのに苦しむものだ。その結果として、自分の意見を持ち、脆弱さと強さの両方を受け入れるようになるのだ。落ち込んだり、立ち直ったり、また落ち込んだりするときがやってくるだろう。それはすべてこの10年間で「何かになる」ためのひとつのパーツなのだ。
私の20代は、自分の若さを制限しようとする社会的組織を突き抜けて進む、激しいジェットコースターのようだった。機能しない人間関係に見切りをつけた後に、一時期は車の中で生活するというどん底を迎えた。だがそれは、家族や支配しようとするパートナー、過去のトラウマと別れ、やっとのことで本当の自分を知り始めたときだった。私には何もなかったけれど、自立していた。自分にあったものはそれだけだった。  
チャレンジの多い20代だったが、さまざまなことを試し、新しい場所、アイデアや人間関係を探り、世界に新しい自分の姿を見せるためいろいろやってみるのに、これ以上いい時期はない。ヨガ哲学では、この段階を学び、遊び、メンターを見つけることが中心となる、ブラフマチャリア、生徒のフェーズと呼んでいる。  
この目覚めの時期に、ヨガは重要な役割を果たす。立ちポーズ、アームバランス、後屈や前屈などの体を使ったヨガのプラクティスは、心身ともに強さと安定をもたらし、マットを離れたところでも自信を持つ手助けとなる。

30代

自己探求と模索を経て30代が訪れると、意識のフォーカスは内側から外側の世界へと移る。突如として、本領が発揮できるようになり、自分の素晴らしさを世に見せる準備が整う。より外交的になり、職場では自分の地位を築き、新しいアイデアを創造し、根をはりめぐらせ、他者をケアし、家族を持つこともあるかもしれない。私は30歳で結婚し、娘を産んだことで私の人生は完全に変わった。同時に私は、大変ではあったが大好きなトラベルライターとしてのキャリアを積んでいた。ヨガ哲学では、この時期をグリハスタ、家族のフェーズと呼び、成人期の冒険、家族、企ての時期だとしている。
そんなプロセスの中でチャレンジとなるのは、自分に必要な心身のケアをする時間を取れず、自分を見失う危険だ。スパロウは、この年代は「世界内で存在することと、世界に呑み込まれてしまうことの細い境界線を踏み越えてしまう」と警告する。この年代は、熱と野心、情熱にあふれ、火のピッタのドーシャの影響を受ける、とアーユルヴェーダ実践者であるキストガードは言う。だからこそ、できるかぎりバランスのとれた状態でいることが重要だ。さもないと、慢性ストレスを抱えたり、燃え尽きたりする危険がある。
定期的なヨガのプラクティスをすることで内側へフォーカスし、神経を落ち着かせ、リセットする手助けとなる。私も30代になると必要に迫られてヨガや瞑想をするようになった。10分だけでも継続的なホームプラクティスをすることで、職場にしろ家にしろ、自分が背負う責任からひとときの間逃れ、エネルギーをチャージし、再び物事の全体を見通すことができるようになる。帰宅後に(寝転んで)壁に脚を上げたり、癒しの音楽を聞いたり、プラーナヤーマを何ラウンドか行ったり(バランスをとり戻すには片鼻交互呼吸がおすすめだ)、散歩に出かけたりしてみよう。その後で、完全な注意力と喜びをもって、仕事以外の時間へと移るのだ。

40代

ジャーナリストであるローチは40代に入ったとき、達成したものがあるにもかかわらず満足感がなかったために、その理由を知りたいと思った。そこで彼は、自尊心のあるジャーナリストなら、誰でもやってみることをした。心理学、神経科学、経済学、社会学の専門家たちにインタビューし、現状を理解しようとしたのだ。彼はまた、自身が「非科学的な」と呼ぶ調査を行って、約300人の一般の人の生活について調べた。
その結果は彼の著書に記されているが、その調査によって彼は、40代は移り変わりの時期であり、ある程度の混乱が起きるものだと知った。私たちがつける優先順位、別の言い方をすれば、幸福感と関連付けて評価する事柄も、時間を経て変化する傾向がある。20代、30代、40代にかけて、私たちは、競争、野心、業績などに価値を置くが、50代も深まってくると、自分は目標を達成したか、十分に働いたか、より大きな問題として、自分の存在が今でも重要であるかを問いかけ始める。ローチはこうも言う「私たちは、ケア、協力、コミュニティのほうに価値をシフトしていくんだ」。そこで混乱を感じることはある。でも心配はいらない、と彼は言う。「40代でスランプに陥ったら、それは一過性のもので、この先には楽しいことがたくさん待っていると知っておこう。〝50歳までに成功しなかったら終わりだ〟と言う人は、考えが完全に逆なんだ」
瞑想とヨガニードラの指導者トレイシー・スタンレイは、人生の移り変わりを受け止め、幸福の真の意味合いを、より深いレベルで再定義、再発見する入り口として迎え入れるよう促す。「多くの場合、人生が移り変わるときには、空虚感、そして無があるわ。志を置くべき、最もパワフルな場所は無の部分よ」とスタンレイは言う。「移り変わりのときに、目覚め、気づいていると、そこにパワーが生まれるわ」。この時期にスタンレイが勧めるのは、彼女が「自己探求と深い休息に浸る経験」と呼ぶ、ヨガニードラ(ヨガの睡眠)だ。そこで高まる直観力と明確になった目的は、後年になっても役に立つだろう。

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text by Aimee Heckel
illustrations by Ffforn Studio Store , Creative Market
translarion by YUKO
yoga Journal日本版Vol.72掲載

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