冷えと虚弱を和らげる|旬の根菜をたっぷり使って作る12月の重ね煮【レシピ】
野菜中心の、健康的な食生活を送りたい。そう思う人は少なくないでしょう。だけど実際は、忙しくて自炊もままならない、あるいは、自炊しようと野菜を買ったのにうまく使い切れずダメにしてしまう...そんな経験をした方も少なくないのでは?今回ご紹介するのは、野菜本来の美味しさを引き出しそのパワーを取り入れられる「重ね煮」という調理法です。決して難しくない、だから続けられる、そんな素敵な調理法を連載形式でご紹介します。
根菜で作る重ね煮
今月は旬の根菜をたっぷり使って作る冬の重ね煮です。根菜は身体を温め引き締める作用があり、冷えと虚弱を和らげ芯を強くします。また、たくさん種類を重ねることでさらに旨味と滋養が増していきます。年末の疲れた身体には必須ですね。今回は、味付けを変えた2種類のお雑煮に重ね煮をアレンジ。年末年始はもちろん、寒い日々を中から温める汁物を作っていきます。また、同じ重ね煮で簡単トマト煮も作れますので、クリスマスでも使える洋風のアレンジも楽しんでいきましょう。
材料と重ねる順番
・ごぼう‥‥ 100g 薄めの斜め切り
・れんこん‥‥100g 2.3mm いちょう切り
・にんじん‥‥70g 2.3mm いちょう切り
・大根‥‥100g 5mm いちょう切り
・里いも‥‥ 200g 5mm いちょう切り(皮をむく)
・きのこ‥‥ 150g 5mm幅 スライス
(えのきは4cmぐらいでカットしほぐす)
・差し水‥‥ 50cc
作り方
①鍋の底にひとつまみ塩を振り、きのこ➝里いも➝大根→にんじん➝れんこん→ごぼうの順に鍋に重ねてひとつまみ塩、差し水をして蓋をし、極弱火で加熱する。
②20~30分位でいい香りが立ってきたら蓋を開け、にんじんに火が通り柔らかくなったのを確認できたら、優しくかき混ぜて出来上がり。
③琺瑯などの密閉性のある保存容器に移して、冷めたら冷蔵庫で保存する。
美味しくするワンポイント
根菜の大きさをある程度そろえてカットすることで重ね煮の火の通りが良くなり、食感も味わいやすくなります。
美味しく食べきるためのアレンジレシピ
重ね煮アレンジ① お雑煮(しょうゆ)
【材料2~3人分】
重ね煮‥‥200g
絹豆腐‥‥1/2丁 1.5cm角切り
油揚げ‥‥1/2枚 千切り
もち‥‥適量 焼き
(調味料)
水‥‥400cc
しょうゆ‥‥ 大さじ2と1/2
ゆず‥‥適量
ゆず皮‥‥ 千切り 適量
【作り方】
①鍋に水を入れ沸かし、重ね煮を入れ一煮立ちさせる。
②豆腐、油揚げを入れてしょうゆで味を調整します。
③焼いた餅とゆず皮をのせ、ゆずを軽く絞って頂きます。
重ね煮アレンジ② お雑煮(白味噌)
【材料2~3人分】
重ね煮‥‥‥‥‥‥200g
絹豆腐‥‥‥‥‥‥1/2丁 1.5cm角切り
油揚げ‥‥‥‥‥‥1/2枚 千切り
もち‥‥‥‥‥‥‥適量 焼き
(調味料)
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥400cc
白みそ‥‥‥‥ 大さじ3強
ゆず‥‥‥‥‥‥‥適量
ゆず皮‥‥‥‥‥ 千切り 適量
【作り方】
①鍋に水を入れ沸かし、重ね煮を入れ一煮立ちさせる。
②豆腐、油揚げを入れて白みそで味を調整します。
③焼いた餅とゆず皮をのせ、ゆずを軽く絞って頂きます。
重ね煮アレンジ③ 根菜のトマト煮
【材料2~3人分】
重ね煮‥‥200g
厚揚げ‥‥1/2枚 短冊切り(もしくは鶏肉など)
オリーブ‥‥3個 スライス
ブロッコリー‥‥3個 茹でオリーブオイル‥‥大さじ2
にんにく‥‥1片 みじん切り
しょうが‥‥同量 みじん切り
酒‥ ‥大さじ1
(調味料)
トマトピューレ‥‥150g
水‥‥ 100cc
塩‥‥小さじ1/2~小さじ1
こしょう‥‥ 適量
しょうゆ‥‥小さじ1
【作り方】
①フライパンにオリーブオイルをひき、弱火でにんにくとしょうがを香りが立つまで炒めます。
②酒を入れ、厚揚げ(もしくは鶏肉)を色良く炒め、しょうゆを絡ませます。
③重ね煮を入れさらに軽く炒め、トマトピューレ、水、塩を入れ、中弱火で軽く煮込みます。
④全体がなじんだらブロッコリーを加え、こしょうを振って出来上がり。
⑤お好みでチーズを振ったり、カレーパウダーでアレンジしても美味しく頂けます。
今年は生活様式、価値観が大きく一変する一年でした。今までの当たり前がそうで無くなることの心理的ストレスは、誰にとってもとても大きなものだったと思います。僕もヨガや料理の仕事がストップし、変化することを余儀なく迫られました。そんな中でもほっとできることがありました。それは、冬になると寒くなり根菜が育って、それを食べると心身が温まるという、毎年繰り返すとてもシンプルな事実でした。そこには社会情勢に由来する何の価値観も必要なく、ただそうであるという性質だけが昔から脈々と存在している。そういった変わることが少ない自然の流れに触れていくことは、今、自分が確かにここに存在するということを実感する大きなサポートになりました。常に変化していく心身。そして決して変わらない純粋な意識。それに気づいていくヨガの実践と、季節の食材をその旬に食べていくことは、多分とても近しいことですね。歳をまたぎ春になり、まだ大きな渦の中に自身が巻き込まれていたとしても、伸び上がっていく新芽を丁寧に食べれば、しっかりと大地に根付いていくことでしょう。今に存在するマインドフルな実践を、是非季節の重ね煮からも味わってみてください。
ライター/山田直
ヨガ講師・自然食料理人。ヒツジナヨガ主宰。福岡県博多出身。写真学校卒業後、作家活動をしながら横浜でホテルサービス勤務。3.11の地震を契機に仕事を辞め、ヨガとマクロビオテックを学ぶ。後に、湘南のオーガニックレストランにてキッチンに入り、重ね煮と出会う。その野菜の美味しさ、味わいの違いに深く感動。学びを深める。現在は、東京、横浜、湘南エリアにてヨガ講師の仕事ヨガをメインに活動し、イベント、ワークショップにて、重ね煮やオーガニックの料理を伝えている。全米ヨガアライアンスRYT200認定ヨガ教師/クシマクロビオティックLevel2修了 2020年12月20日にはオンライン料理教室を開催予定。Instagram@hituji_nao
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