補助具(プロップ)を使ってポーズを安全に深めよう|体の仕組みを学ぼう
解放感を味わってポーズを終えよう
ポーズを味わう
背面を反るために、尾骨を座面に押し下げることに集中しよう。尾骨をたくし込んではいけない。腰の反りを維持するほど、背中の上部が引き上げられる。仙骨を含めて骨盤で体重の大部分を支えることを忘れないように。両脚を垂直に伸ばそう。すると、大腿骨が寛骨臼によく収まって、脚を支えやすくなる。膝関節をニュートラルな位置に保って、両膝の骨を寄せ合うことができれば、脚を真っすぐ伸ばし続けるのが楽になる。目線を下まぶたに落として、顔の緊張を取る。
これで心と体を安定させて今に向けることができたので、脳の中心に意識を向けてみよう。そして、この場所と今の感覚のなかに引きこもろう。自分自身の静けさのなかに逃げ込もう。パタンジャリはヨーガスートラ(Ⅱ.46)の中でアーサナを「sthira sukham asanam(安定していて快適な姿勢)」と定義している。つまり、安楽のなかに留まることがアーサナなのだ。椅子を使った肩立ちのポーズはまさにそれを可能にする。
安定した楽な呼吸を続けよう。徐々に時間を延ばしていき、5分間ポーズに留まろう。この肩立ちのポーズのさまざまなバリエーション(写真はない)を行えば、私にとってはほぼ完璧なヨガの練習になる。
余韻
ポーズから出るには、片方ずつ膝を曲げ、椅子の背の上に足の裏をのせる。次に、椅子の背の上で膝を伸ばす。椅子の後脚をつかんでいた手を離して、骨盤がブランケットにのるまで体を下ろす。このとき椅子の前脚の下部をつかんでいるとよいはずだ。腕を体側に下ろして、膝から下を座面にのせる。さあここからこのポーズの醍醐味を味わおう。目を閉じてポーズの残りの部分を吸収しよう。覚えておいてほしい。アーサナがヨガなのではない。ヨガとはアーサナが神経系に残していく(アーサナの)残りの部分のことである。
ポーズを終えるには、骨盤を滑らせてブランケットから下ろす。左右どちらかに体を向けて数回呼吸したら、ゆっくり起き上がる。シャヴァーサナを20分間行えば、このポーズを完璧に締めくくることができる。
指導・モデル●ジュディス・ハンソン・ラサターは博士号取得者で、1971年からヨガを指導しており、ヨガに関する著書が9冊ある。詳しくはウェブサイトへ。judith.yoga
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