たった200時間のトレーニングでヨガ指導者になる問題点【指導者に必要な条件とは】

PAUL MILLER

たった200時間のトレーニングでヨガ指導者になれるのか?YTTの実態と問題に迫る

「200時間は教える芸術を学ぶには不十分だが、教える技術についてはほとんど誰もが学べる」

 200時間トレーニングの安全性や質が疑問視されていても、ほとんどのティーチャーは何もないよりはましだと認めている。「基準についての討論での私の最初のアイデアは、200時間トレーニングの修了者はティーチャーではなくインストラクターという名称で、あらかじめ決められたポーズのシークエンスを教える、というものだったんだ。ティーチャーとは、クラスに入って、その場のエネルギーを読み、生徒たちの身体的、精神的なニーズに合わせてヨガを教えられる人だからね」とカミノフは語る。

 また、現在の基準が役立っている人たちもいる。ヨガティーチャーで、ティーチャー指導者、ヨガアライアンス広報のタナーは、彼の200時間トレーニングの修了生たちに勇気づけられているという。彼の生徒たちの約半分は、すぐにでも教えられる準備ができている。タナーはトレーニングに厳しい申請手順を加えており、生徒たちが自分のヨガをどれだけ具現化できるかを見るためのオーディションを設けている。タナーはこれがYA の200時間トレーニングの条件を超えていると理解している。そして新200時間YTTへの批判も競争激化で急成長する業界にありがちなこととして捉えている。

 今も、毎年何百人もの生徒たちが、教える意欲満々で200時間トレーニングを修了している。たとえば2015年に200時間を修了したコナー・バーンズは、修了後一カ月でクラスを持つようになった。「200時間は教える芸術を学ぶには不十分だが、教える技術についてはほとんど誰もが学べる」とバーンズは語る。

 実際、新たにヨガアライアンス(YA)に登録したヨガティーチャーのほとんどは200時間修了生だ。YTT修了生のおよそ30〜50%が登録している、とタナーは見積もっている。未登録の修了生は、おそらく教えるつもりはないのだろう。また、アシュタンガヨガアイアンガーヨガのように200時間枠に同意しない流派やスタイルを実践してティーチャーになっている者たちもいる。YAは500時間トレーニングの認定基準も設けてい

るが、YAのマッコードによると、登録するにはいくつかの障害があるという。「金銭的に余裕がない人たちもいる」と彼は言う。それに500時間に従事するよりも継続教育のワークショップを時々受ける方が容易だ。YAはYTTからの収益により、奨学金制度や支援提供、無料のオンライン教育、より安い責任保険のレート交渉などを通じて、ティーチャーやスクール、彼らのビジネスをサポートしている、とタナーは語る。さらに、YAは今、高価になることが予測される州政府によるYTTの基準設定との戦いに優先的に力を入れている、とつけ加えた。「あなたのヨガティーチャー、あるいは彼らのヨガティーチャーがやらなくていいことを請け負っているんだ」。

 今も、200時間トレーニングはその基準を保っている。中には200時間のトレーニングでティーチャーとして成功を収める人もいれば、2,000時間やっても失敗する人もおり、問題を解決するためのクリアで誰からも支持される道はないかもしれない。だがシニアティーチャーの多くは協議を続けることに同意している。そんな最中、カミノフは2つの大事な点を強く訴えている。学び続けること、知らないことについて知っている振りをしないこと、だ。

 まさにそれは、200時間を修了したエンライトが行ったことだった。初めてのYTTを終えてまもなく、彼女はニューヨークの他の有名スタジオの300時間トレーニングに申し込んだ。だがこのときは、まず彼女はそのスタジオでレッスンを受け、ティーチャーたちを知るようにした。「最初のトレーニングでは、自分が何を求めているのかさえわかっていなかったの」とエンライトは説明する。「オンラインでトレーニングの内容を読んでいても、みんな同じに見えるでしょう。でも実はまったく違うの。ぜひ実際にそのスタジオに行って、自分に合うか見るべきだと思うわ」。彼女は300時間トレーニングを修了して、ようやく自分らしく教えられると感じ、安全にシークエンスを導けるようになった。そして彼女は、生徒を教えるための部屋を見つけた。

 

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Story by Tasha Eichenseher
Translated by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.51掲載

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