理学療法士からみた「良いヨガインストラクター」とは?機能解剖学的3つのポイント
「予防医療」としてのヨガの重要性
リハビリ=高齢の方だけ…というイメージがありますが、決してそうではありません。私は運動器疾患を主に担当していますが、捻挫をした幼児から、腰痛や頚部痛を抱える小学生、部活で怪我をしたり手術をした中高大学生、日常生活や仕事やスポーツなどで身体の痛みを訴える中高年の方も含めて、様々な年齢・症状の方がいらっしゃいます。そういった方々の治療を通して、怪我や痛みなどの「予防医療」としてヨガを行うことが重要だと思っています。
また、患者さんの中にはヨガで身体を痛めた方もいます。ヨガインストラクターには、ケガへの注意も求められるでしょう。すでにヨガインストラクターとして指導にあたっている方も、ぜひ一度自分のクラスを振り返ってみる機会になると嬉しいです。
重要なのは、指導内容に3つのポイントが含まれているかどうか。順を追って解説していきましょう。
1.3つの面の運動がある
3つの面とは、「矢状面」「前額面」「水平面」のことです。
例えば、太陽礼拝を思い浮かべてください。身体の向きは常に正面に向いたまま、ヨガマット上を前後に動いてポーズを展開するので、太陽礼拝は「矢状面」上のポーズの連続だということはお気付きですか?
一方で、両脚を前後に開いた、ヴィーラバッドラーサナ2(戦士のポーズ2)、ウッティタ・パールシュヴァコナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)、ウッティタートリコナーサナ(三角のポーズ)を連続で行うことがしばしばありますが、これらは全て「前額面」上のポーズです。
そして残りの「水平面」上のポーズはというと、アルダマッツェーンドラーサナ(半分の魚の王のポーズ)や、パリヴルッタトリコナーサナ(ねじった三角のポーズ)などです。
これら3つの運動面の違いと身体の運動方向の違いを分かった上で、それら3つの面がバランスよく組み合わされているようなヨガクラスが理想だと思います。
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