なぜ不安になるの?漠然とした「不安」に対処する心理学アプローチ
不安に悩んでいませんか?漠然とした不安感を感じていたり、強い不安感に苦しめられていたり、不安に悩む方はとても多いです。そして、私たちは不安に対してネガティブな印象を抱きやすいものです。例えば、不安を無くしたいと、不安を抑え込みたいと、不安をやっかいな感情と感じていませんか?臨床心理士が「不安への対処法」を紹介します。
不安はなぜ存在するの?
全ての感情は意味があるから存在します。ネガティブに感じやすい「不安」でも、私たちに大切なことを教えてくれるサインです。不安は、自分の心が弱いから感じるものではありません。不安は、「安全ではない」「準備が足りない」といったことを教えてくれるサインになります。「何か安全ではない事が起こるかもしれない。」「何か準備が足りないかもしれない」と言ったことを教えてくれます。
例えば、明日就職の面接試験があるとします。多くの人が不安を感じると思います。これは、「しっかりと準備をした方がいいよ」というサインかもしれません。不安な気持ちに気づくと、面接の予行練習をしたり、企業理念を調べたり、何かしたら行動すると思います。もしリラックスして不安を一切感じなければ準備せずに面接当日を迎えるかもしれません。
このように不安は本来はとても機能的なもので、私たちに「安全ではないかも」ということを教えてくれるサインなのです。
しかし、いくら不安は大切なサインだとしても、不安感が強すぎる場合は対処が必要になります。また、準備をしても消えない不安もあります。そして、理由の分からない漠然とした不安に悩む方もいると思います。
不安への対処法
不安を外に出す
不安は外に出すと小さくなります。身体の中に入れっぱなしにしておくと、頭の中でぐるぐると考え、どんどん不安が大きくなります。外に出すとは、誰かに話すこと、紙に書き出すことなどです。内側に溜め込まず、なるべく外に出していきましょう。
不安を外に出すことはとても大切です。しかし、なかなか人に話せない場合や、紙に書き出せない場合もあると思います。そんな時は身体にアプローチしましょう。
ヨガで不安に対処しよう
体にアプローチする事で、不安で活性化してしまった身体を落ち着かせていきましょう。私たちは「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経のバランスを保ちながら生活しています。しかし、不安な時は、自律神経のうち交感神経が活性化している状態です。ヨガの呼吸法や、アーサナによって自律神経のバランスを整える事が出来ます。過去の研究でも、ヨガを練習することで不安が軽減されることが分かっています。
それでは、不安に対処するための呼吸法やヨガのポーズを紹介します。
1.呼吸法
腹式呼吸
腹式呼吸は横隔膜を上下させる深い呼吸です。ゆったりとした腹式呼吸で「吐く」方を長く意識することで、自律神経のうち副交感神経が活性化されます。腹式呼吸で自律神経のバランスを整え、不安感を軽減していきましょう。
片鼻呼吸法(スーリヤ・ベーダナ・プラーナヤーマ)
自律神経のバランスを整え、リラクゼーション効果やストレスや不安を軽減する呼吸法です。
やり方:
心地よい姿勢で座ります。手の人差し指と中指を折り曲げ、右手の親指で右の鼻孔を押さえて左の鼻孔から息を吸います。次に薬指で左の鼻孔を押さえ、押さえていた右手の親指をはずして右の鼻孔を開き、ゆっくりと息を吐きます。そのまま右の鼻孔から息を吸い、親指で右の鼻孔を閉じ、薬指を外して左の鼻孔を開き、ゆっくりと息を吐きます。
これで1サイクルになります。このサイクルを数分継続しましょう。
2.ヨガポーズ
それでは、不安軽減やリラクゼーション効果が高いヨガポーズを紹介します。
体側を伸ばすポーズ
まずは、胡座の姿勢で座ります。右手をお尻の右斜め後ろにつきます。左手を天井に向けて持ち上げ、そのまま上半身を右側に傾け、左側の体側を伸ばします。余裕があれば、天井を見上げましょう。この姿勢のまま3〜5回呼吸を続け、反対側も同様に行います。
身体をねじるポーズ
次に、同じ胡座の姿勢のまま身体をねじっていきます。右手をお尻の右後ろにつき、左手は左膝に置きます。軽く息を吸って背筋を伸ばし、息を吐きながら上半身を右側にひねります。息を吐くたびにねじりが深っていきます。余裕があれば、顔や目線も後ろを向きます。この姿勢のまま3〜5回呼吸を続け、反対側も同様に行います。
子供のポーズ(バーラーサナ)
両足の親指をつけて正座の姿勢をとります。両手を前方のマットにつき、息を吐きながら両手を前にすべらせ指先から両腕、上半身、おでこをマットにつけます。首や肩の力は抜きリラックスしましょう。この姿勢のまま3〜5回呼吸を続けます。
不安感の軽減やリラクゼーション目的でヨガを行う時は、なるべくゆっくりと動き、ひとつのポーズを気持ちが落ち着くまで時間をかけて行うと良いでしょう。年末になると特に理由なく気持ちがそわそわしたり不安を感じやすくなります。ヨガでセルフケアをしましょう。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。
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