辛い気持ちを乗り越えるための呼吸法

 辛い気持ちを乗り越えるための呼吸法
YJ US

いったんマインドフルネス呼吸のやり方を覚えてしまえば、大変な状況のときに、この呼吸を使って自分を助けられるようになる。さあ、試してみよう。

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マインドフルネス呼吸法は、感情を否定したり、感情を変化させたりすることではない。それは感情をそのものとしてあるがままにそのまま受け容れることであり、自分自身の呼吸が持つ沈静化作用に意識を向けることである。


多くの人たちと同じように、私も「マインドフルネス」のことを聞いたことがあった。私は「マインドフルネス」が具体的にどんなことを意味するのか知るようになった。すなわち、現在のこの瞬間に起きていることに注意を払い、自分の意識を開いていく。コントロールしようとしたり、良い悪いと判断を下したりすることなく現在を受け容れることを意味している。


マインドフルネスをやると、いいことが色々あると明らかにされているのも知った。平和的になる。エネルギーや自信に満ちる。ストレスは減少する。落ち込みや不安からは解放される。身体のあちこちにあった痛みも少なくなるという。そこで、自分でもこうした御利益を体験してみたくなったのだ。しかしながら、挑戦はしてみたのだが、なかなか難しい。いわく「歯をみがいている間、自分がしていることに気づき続けましょう」である。私にはどうしても退屈としか思えなかった。きちんとやり続けることがまったくできなかったのだ。専門家が「正しくやればマインドフルネスは決して退屈ではない」と言っているのも知っていた。しかし、私には退屈だった。私は挑戦し続けた。だが、耐えられなかったのだ。

マインドフルネスに夢中になる

すべて諦めて投げだそうとしたそのとき、私はある僧侶と出合った(その経験を私は『ある僧との出合い( I Met A Monk)』という本にして発表した)。「マインドフルネスを行うには、呼吸と結びつけると良いですよ」と彼はやさしく提案してくれた。このアドバイスがとても役に立った。じっさい、あまりにも助けられたので、マインドフルネスについてちょっとした研究をしてみようという気持ちになった。私は自分が発見したことに、こう言ってよければ、ほとんど息も止まりそうなくらいだった。それは間違いなく私の人生を変えた。


本来の形におけるマインドフルネスが、じっさいに私たちの呼吸に基礎をおいていること。そして呼吸こそがマインドフルネスにとって本質となる部分であることを私は理解した。マインドフルネスと呼吸とは両輪である。呼吸と一緒にマインドフルネスを行うとき、退屈で機械的ですらあったあの時間が、突如として生き生きとしたものに変貌するのである。まるでガソリンを入れたかのように、あるいは帆に風をはらんだかのように、滞ることなくただ進んでいくのだ。そうなれば、マインドフルネスはじつに楽しい経験になる。


呼吸を利用することに焦点を当て、これを出発点としてマインドフルネスを行う。そうすることで、現在の瞬間にたいして自分の意識が開かれる(それこそがマインドフルネスのすべてである)。それだけではない。自然な帰結として、平和、喜び、強さ、そして敢えて言うなら英知といったものに、もっと触れられるようになる。それらはこれまで自分が持っていることさえ知らずにいたものである。マインドフルネスをやっていると、自然と瞑想をやるようになるだろう(いったんやり始めてしまえば、きっとどんどんやりたくなるはずだ)。瞑想が、身体的にも精神的にも健康にいいということはすでに実証されている。マインドフルネスは本当に人生を一変させてしまう。いったんマインドフルネス呼吸のやり方を知れば、いつでもどこでもできるようになる。「内なる平安」というものに、その場ですぐにアクセスできて、そのスイッチをオンにするかのようなのだ。そして、たしかに、それは退屈なんかではないのだった!

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Text by ROSE ELLIOT
Translated by Miyuki Hosoya