辛い気持ちを乗り越えるための呼吸法

 辛い気持ちを乗り越えるための呼吸法
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マインドフルネス呼吸の発見

では「マインドフルに呼吸をする」とはいったいどういうことだろうか。自分の呼吸にたいしてマインドフルになるということが意味しているのは、意識を開いて自分の呼吸を観察するというシンプルなことである。息を吸い、息を吐く。どのような仕方であれ、それをコントロールしたり、評価を下したりすることなく、ただあるがままに息をする。それだけのことなのだ。何と簡単なのだろう!


いったんマインドフルに呼吸をすることに慣れると、自分にとってこれが当たり前のことになり、いつでも実践していられるようになる。自分の呼吸を、何であれそのときにしていることと結びつける。ただそれだけで、マインドフルなあり方に移行するのがグッと楽になる。マインドフルネス呼吸の実践は、日々の生活に欠かせない一部となるだろう。


しかしながら、マインドフルネス呼吸を習得している段階では、目を閉じ、静かな場所で、楽な姿勢で座って行うのがやはりベストだ。何かに気を散らされることなく自分の呼吸に集中できるようにするためである。呼吸を感じることができるようになるのにそう長くはかからないだろう。1-2分程度の実践を、1日に2、3回ぐらいの頻度で行うことを想定している。すぐにマインドフルネス呼吸は、泳ぎや自転車のように、当たり前のこととしてできるようになる。


そうなればもう、目を閉じなくても、いつでもどこでもマインドフルネス呼吸ができるようになっているのに気づくだろう。自分がマインドフルネスのモードにパッと切り替わるような感じだ。そうなれば、自分が望むものは何であれマインドフルネスの対象にできるようになる。これは素晴らしいプロセスである。

辛いときのためのマインドフルネス呼吸法

悲しみ、苦しみのさなかにあるとき、人間はつい、何時間も、何日も、ときには何年にもわたってそれが続くかもしれないと思ってしまう。「いったいどうしてこんなことになってしまったのだろう?」と悩んでしまうこともあるだろう。かくいう私自身も、先日、こうした心境に陥った。だが、そのとき突然、思い出したのだ。私たちが「今」のなかにいるとき、この瞬間しか、この呼吸だけしか存在しない。つまり、しなければならないのは、このひと呼吸にマインドフルになることだけだ。そのことの平安と心地よさを感じる――そして次の呼吸をする。平安と、そして喜びさえもが、ひと呼吸で訪れる。
最後に、心を静め、癒すために役立つブッダの呼吸法を紹介して稿を閉じたい。私たちは感情を否定しない。私たちは感情を変えようとしない。私たちは生じている感情をそのものとしてあるがままに受け容れ、自分自身の呼吸が心を静めてくれていることに意識を向ける。苦しみのさなかにある愛する人をそっと抱きしめるように、呼吸は私たちの気持ちを穏やかにしてくれる。

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Text by ROSE ELLIOT
Translated by Miyuki Hosoya