身体が柔らかすぎるのは危険!ヨガで必要な「運動機能の3要素」を理学療法士が解説

 身体が柔らかすぎるのは危険!ヨガで必要な「運動機能の3要素」を理学療法士が解説
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堀川ゆき
堀川ゆき
2019-08-08
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ヨガで「筋力」アップを目指す方法

では、3つの要素の1つである「筋力」、ヨガで筋力をアップするにはどうすればよいでしょうか?それはヨガのジャンル次第です。少なくとも、以下のヨガでは、筋トレにはなりません。

陰ヨガ
(座位や仰向けポーズ中心に3〜5分ポーズをキープするヨガ)
リストラティブヨガ

プロップスを使いリラクセーションと休息を取るヨガ)
ヨガニードラ

(横に寝ながら行い瞑想へ導くヨガ)
メディテーションヨガ

(瞑想を中心に行うヨガ)
・チェアヨガ

(椅子に座ったまま行うヨガ)

もちろん、自分の中で何か目的があってこれらのヨガをするのは構いません。ただし、筋トレ効果を狙うなら、もっとダイナミックな動きを伴うジャンルのヨガが筋トレに向いています。

ヨガのポーズでいうと、立位で行うポーズや、下半身の筋肉を使うポーズ、体幹の筋肉でコントロールするポーズが筋トレ効果が高いです。

ヨガで「バランス能力」UPを目指す方法

3つの要素の1つであるバランス能力、これをヨガで高めるためにはどうすれば良いでしょうか?

ヨガには片脚で立ってバランスを取るポーズがたくさんあります。まずは代表的で比較的シンプルなバランスポーズである、ヴルクシャーサナ(木のポーズ)で立ってみましょう。

Photo by Yuki Horikawa
Photo by Yuki Horikawa

手は胸の前で合掌した形でいいので、目は開けたまま片脚立ちで30秒キープを目標にしてください。

30秒キープが困難な場合は、バランス能力が低下しています。何かしらの「体重のかけ方のアンバランス」があるはずです。背中が丸まっていたり、逆に反っていたり、左右どちらかに身体が傾いていたり、踵だけに乗っていたり、軸脚の膝が曲がっていたり、などです。自分で鏡を見て修正していくか、もしくはヨガインストラクターや理学療法士などの専門家にチェックしてもらうと分かりやすいと思います。

最後に

身体が柔らかくても、必要なだけの筋力がなければ、ヨガや日常生活で結果的に怪我や痛み、関節の変形などのリスクにつながる可能性があります。「柔軟性」と「筋力」と同時に、さらに「バランス能力」の3つを高めていくことができると、非常に均整の取れた運動機能を持った身体といえるでしょう。

一度、今自分が取り組んでいるヨガや日常生活を見直してみてはいかがでしょうか?もし3要素のアンバランスに気付いた場合は、今からでいいので、ヨガや日常生活の中で意識的に「運動機能の3要素」を取り入れていけるといいですね。

【参考文献】
中尾浩之「よくわかる腰痛症の原因と直し方」秀和システム,2016

ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200を取得。その後、健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200解剖学講師も務める。

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