ヨガが辛いのは胸郭の硬さが原因?理学療法士が勧める胸郭のストレッチ法
「ヨガがツライ・・・」と感じる原因は胸郭の硬さかも?理学療法士が胸郭をヨガでストレッチする方法を教えます。
ヨガが辛いと感じてしまう理由
「太陽礼拝だけで息が上がる」「ポーズをキープする間呼吸が続かない」「前屈や捻るポーズの時に呼吸がしにくい」ヨガの最中にこんなふうに感じてしまうことはありませんか?深呼吸を心掛けてはいても、すぐに息が切れたり、息苦しさや呼吸の乱れ、速さ、浅さを自覚したことが皆さんそれぞれあるのではと思います。
呼吸に影響を与える因子には、姿勢、環境、ストレス、病気、運動、心などいろいろ考えられますが、もしかしたら「胸郭」の柔軟性が低下している可能性があるかもしれません。
「胸郭」(きょうかく)とは
呼吸は、「横隔膜の収縮」と「胸郭の動き」によって行われています。柔軟に動く横隔膜と胸郭が維持されてはじめて、質の高い呼吸が可能と考えられます。
呼吸活動の7割近くを担っているのは「横隔膜」です。横隔膜は筋肉であり、最大の呼吸筋です。
そして胸郭は、
・胸椎12個(背骨の一部分)
・肋骨24本(左右に12本ずつあるアバラ骨)
・胸骨1個(胸の正面にあるネクタイ型の骨)
の合計37個の骨からできてます。
胸郭は鳥カゴのようなドーム型をしていて、その中に収まっている心臓や肺、食道や血管の保護、また頭部を支えている頚椎の構造的基盤となり、たくさんの筋肉が付着するところでもあります。胸郭には136個もの関節があるといわれています。その数が胸郭の構造や運動を精巧にそして複雑にしているわけですが、加齢や運動不足、姿勢不良などによって、胸郭の可動性はどんどん低下していくのです。そのため常に柔軟な胸郭を維持しておかないと、呼吸の質にも影響を来たしてしまいます。
胸郭の柔軟性と、呼吸の質を高めるツールとしてヨガがあり、そのヨガの中にたくさんの有効なポーズと呼吸法が存在しています。
呼吸による胸郭の運動
胸郭は息を吸う時に、「上下・前後・左右」方向に拡大します。風船のように3次元に膨らむようなイメージを持ってみましょう。
呼吸は、胸郭が膨らんだり縮んだりすることで肺の中の空気を出し入れしますが、この時に肺は自ら動きません。なぜなら肺には筋肉がないからです。どうやって肺が動くかというと、横隔膜とそのほかの胸郭を動かす筋肉が働くことで初めて、肺が膨らんだり縮んだりすることができるのです。肺だけでは動かないって意外ですよね。
呼吸には肺自体の機能ももちろん重要ですが、まさに胸郭が呼吸の質を担っていると言っても過言ではありません。
そしてもう一つ重要なのが「脊柱」です。脊柱の動きも胸郭の可動性と関連します。脊柱のうちの胸椎12個は胸郭の一部ですし、脊柱は私達の身体の軸となるところで、6方向に動かすことが可能です。脊柱のその6方向の可動性を充分に保つことで、胸郭とその中の肺が存分に伸び縮みすることができます。
そこで、「3次元に広がる胸郭」と「6方向に動く脊柱」を生み出すためのエクササイズを、次に紹介します。
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