「脚を真っすぐ揃える」危険性|土台から関節の位置を整えよう

 「脚を真っすぐ揃える」危険性|土台から関節の位置を整えよう
Jan Spanier
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脚部の関節の並びを確認しよう

もちろん脚、足首、膝、腰、骨盤がほんとうに真っすぐ並んでいれば、解決すべき問題はない。自分がそれに該当するか確認する方法を紹介しよう。

鏡の前に立ち、第2指が正面を向くように両足を真っすぐ揃える。そのほかの点については無理に姿勢を整えずゆったりと立つ。このとき、骨盤が鏡に対して真っすぐになっているだろうか。寛骨の前面に指をおいて確認してみよう。あくまでも自然な姿勢で行おう。

ここで膝に注目しよう。膝蓋骨もヘッドライトのように真っすぐ鏡のほうを向いているだろうか。それとも膝の上と下の関節に比べて、内側または外側を向いているだろうか。

さらに、膝を曲げたときに、膝蓋骨の中心が第2指の真上にくるだろうか、それとも自然にどこかを向いてしまうだろうか。後者であれば、足を揃えることにより、問題が生じるのは確実だろう。

このような場合は足ではなく膝を揃えてから、ポーズをとり始めよう。「そう言われても、私はこれからも足を揃えてから膝が真っすぐになるまで回して、膝が揃っていくようにするわ」と考えているとしたら、やめておこう。内側に回転した膝を揃えようとして引っ張ると、たいてい腰の外旋、足首の回外が引き起こされる。それによりさまざまな問題を抱えることになるため、良い解決法ではない。

インストラクターへのアドバイス

膝の回転をもっと正確に確認するために、生徒の前でしゃがんで、親指と人差し指で生徒の膝頭の両端を軽くつまんでみよう。

次に、反対の手の人差し指を脛骨粗面(脛骨の前面の上端に隆起している部分)の真上にのせる。ここから膝蓋骨の両端までの長さ(つまり、親指までの長さと人差し指までの長さ)は本来等しくなければならない。等しくない場合は(実際、内側の線のほうが外側の線より長くなることが多い)、膝が真っすぐ揃っていないことがわかる。

このような生徒には、皆さん(または理学療法士や整骨医)が膝の位置を戻せるまで、膝頭を正面に向けたうえで練習させるようにしよう。

指導者へのアドバイス
膝の内部にみられる回転を確認するには、まず自分の親指と人差し指で生徒の膝蓋骨の両端を軽くつまみ、次に反対の手の人差し指を脛骨粗面の真上においてみよう。この人差し指の位置から膝蓋骨の両端までの長さは、本来等しくなければならない。

指導●トム・マイヤーズは『アナトミー・トレイン』の著者であり、『Fascial Release for Structural Balance』の共著者である。また、35枚以上のDVDを制作しているほか、視覚的評価、筋膜リリースの手技、筋膜の研究の応用について多数のオンラインセミナーを開催している。統合的な徒手療法を行っているマイヤーズには40年の実績があり、International Association of StructuralIntegratorsと Health Advisory Board for Equinoxの会員でもある。

 

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Photos by Christopher Dougherty
Model by Karin Gurtner
Illustrations by Michele Graham
Translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.63掲載



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