覚えやすくて楽しめる!子供に勇気を与える親子ヨガポーズ11選
「子供の頃にヨガに出会いたかった」と話す、アメリカの非営利組織「Yoga Foster」代表でヨガ指導者のニコール・カルドーザ。彼女が考案した、子供が遊びながら楽しめるヨガシークエンスをご紹介。
子供が安全に、楽しくヨガするための工夫
ヨガを練習している人なら知っているだろう。アーサナと瞑想がどれほどグラウンディングや具体化の感覚をもたらし、生き方をも変えることを。アーサナと瞑想の練習はすべての人、特に日々成長する子供たちにとっても大きな意味を持つだろう。子供の頃にヨガに出会いたかった、とよく私は思う。そうすればもっと自分をさらけだして、もっと自分らしくいられたのに。だから私はYogaFosterという非営利団体を創立し、小学校の教師たちがクラスでヨガ練習やカリキュラムを活用できるように支援している。親や教師たちから、あまり面倒をみてもらえず、話を聞いてもらえず、尊重されていない子供たち(特に有色人種の子供たち)があまりにも多い。彼らはその状況を変える術も教えてもらえない。ヨガは子供たちに、自分の体をいたわり、自分自身への考え方を改め、自分に必要なものを必要と言える力を与えてくれる。これから紹介するシークエンスは、YogaFosterで行っている勇気や勇敢さを高めるレッスンをベースにしている。子供たちの興味を引くために、私はよくポーズの名前を変える。たとえば、ダンダヤーマナバーマンアーサナ(バランステーブルのポーズ)なんて覚えにくいし、怖そうに聞こえるので、トラのポーズと呼んでいる。子供たちと練習をする時は、とにかく遊び心が大事だ。アーサナの名前を変える以外にも、ポーズを楽しめるように「トラのように吠える」といった遊びも入れている。また、ポーズの形にも厳密になりすぎないことだ。たとえば、子供たちが行うチャトランガダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)は、自分のポーズとは違って見えるかもしれない。だが見るべきポイントは、安全かどうかだけだ。最後に、覚えておいてほしいのは、自分が楽しいかどうかは関係ないということだ。子供たちとの練習には根気と献身が必要だ。決して自分の練習とは思わないこと。むしろ子供たちと過ごす機会をもらっているのだ。常に子供たちから教わるつもりでいよう。子供たちは本当にうれしそうに興味津々にヨガを練習する。その姿に刺激されて、私も同じように練習できるようになった。
子供に勇気を与えるシークエンス
動画で流れをチェック!
1.バーラーサナ(子供のポーズ)
床の上で膝立ちになり、膝を腰幅に広げて足の親指同士が触れるようにする。かかとの上に座り、息を吐きながら上半身を腿の間に倒し、額をマットにつける。両腕を前方に伸ばし、手のひらを下に向けて、肘をマットにつける。このまま全身の力を抜いて、5回呼吸する。
2.ダンダヤーマナバーマンアーサナ(バランステーブルのポーズまたはトラのポーズ)
四つん這いになって、両手の位置を肩よりやや前にずらし、腰の真下に膝がくるようにする。息を吸いながら右腕を前に伸ばす。吐きながら左脚を床から浮かせ、しっぽのように後ろに伸ばす。大きくて勇敢なトラになろう。しっぽを左右に振りながらバランスを保とう。3回呼吸をしたら、反対側でも繰り返す。
3.アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)
四つん這いの姿勢からつま先を立て、犬が空に向かってしっぽを突き上げるように、膝と腰を後方に引き上げる。犬の前足のように手の指を大きく広げ、手のひら全体でマットを均等に押す。腿の内側を後方に向け、マットのすぐ上までかかとを下ろす。足の間から後ろを見ながら、しっぽを振るように腰を左右に振る。このままホールドして5回呼吸をする。
4.ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ(アップドッグ)
大きく息を吸いながら上体を前に出して、手首の真上に肩がくるようにし、上半身を床と平行にしてプランクポーズに入る。息を吸って、ゆっくりと肘を曲げながら体を床に近づけ、チャトランガダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)に入る。吸う息で、両手の間から胸を押し出し、腕を伸ばして上半身を引き上げる。両脚全体を床から数センチ浮かせた状態で、足の甲だけをマットにつける。肩甲骨同士を引き寄せ、空に向かって大きく胸を開く。息を吐きながらつま先を立て、腰を後ろに押し上げてダウンドッグの姿勢に戻る。
5.アンジャネーヤーサナ(ローランジまたはドラゴンのポーズ)
大きく息を吸い、右脚を上げて後ろに伸ばす。息を吐きながら右足を両手の間に一歩踏み出す。この時、必ず膝がかかとの上にくるようにする。吸う息で上半身を上に引き上げ、両腕を空に向かって翼のように上げながら、尾骨を床のほうに押し下げる。翼(両腕)を後ろに下ろしながら、ドラゴンが炎を吐くように息を吐こう。翼を広げるように腕を前に伸ばしたら、肩の真下で手をマットにつける。右足を後ろに引いてプランクポーズに入り、腰を後ろに押し上げてダウンドッグに戻る。反対側でも繰り返す。
6.ドラゴンブレス
両足を手に向かって歩かせたら、そのままマットの前方でロールアップしてターダーサナ(山のポーズ)に入る。腰の真下に足がくるように調整し、手は体の横に。息を吸って両腕を横に広げながら頭上に伸ばし、手のひらを合わせる。吐く息で両腕を横に下ろしながら、脚の付け根から上体を前に倒し、胸を膝に近づける。前屈しながら深呼吸を1回。ロールアップして山のポーズに入り、さらに4回繰り返して、最後に山のポーズに戻る。
7.ターダーサナ(山のポーズのバリエーションまたは星のポーズ)
ステップかジャンプで腰幅より広く足を広げる。足でマットを強く押しながら、頭を空のほうに引き上げる。両腕を左右に大きく広げながら胸を前方に押し出す。アルファベットのT字のように腕を床と平行に保ちながら3回呼吸する。
8.ウトゥカターサナ(椅子のポーズのバリエーションまたは恐竜のポーズ)
足の位置を変えずに、Tレックス(恐竜)の腕のように肘を曲げて体の横に近づけ、指をかぎ爪のように曲げる。膝を曲げて、小さな椅子に座るように腰を下ろす。さらに腰を後ろに引きながら、恐竜のように長くて重いしっぽがついていると想像しよう。息を吸って胸を引き上げ、鎖骨を左右に大きく広げる。息を吐きながら恐竜のように雄叫びを上げて、しっぽを左右に振ってみよう。5回呼吸をしたら、前屈をする。
9.ヴルクシャーサナ(木のポーズ)
山のポーズに戻り、両足をしっかりと床に根づかせる。胸の前で合掌し、膝を軽く曲げたまま体重を右足に移す。左の足裏を右膝のやや下か上につける。右の足裏の四隅で床をしっかり押そう。まるで自分の体が木の幹で、足裏から地中に向かって根が伸びていくように。さらに頭頂を空に伸ばして、できるだけ高い木になってみよう。両手は胸の前でアンジャリムドラ(合掌の印)をキープするか、両腕を枝のように空に伸ばす。体がぐらついても、風に揺れているふりをしよう。ホールドして3回呼吸をし、反対側の足でも繰り返す。
10.アパナーサナ(ガス抜きのポーズまたは岩のポーズ)
仰向けになり、腕と脚を伸ばす。息を吐きながら両膝を胸に近づけて、両手で膝の下を抱える。背中全体をマットに押しつけ、自分を強く抱きしめよう。そして大きくて勇敢な今日の自分に感謝しよう。練習が終わっても覚えておきたいことがあれば、それを心の中にしまっておこう。そのまま深呼吸を5回行う。
11.シャヴァーサナ(亡骸のポーズまたは何もしないポーズ)
両足を床に下ろしたら、真っすぐに伸ばす。足先は楽に左右に開こう。背中の力も抜いて、両腕は手のひらを上に向けて体の横に伸ばす。快適であれば目を閉じて、ひたすらリラックスしよう。全身を完全にマットにあずけよう。このマットは新たな一日のためにエネルギーを充電してくれる魔法のマットだと思おう。そして勇敢でいると何がいちばんいいかを思い出してみよう。このクラスが終わった後、どんな風に勇敢でいたいだろう?このまま10回呼吸をする。
指導&モデル/ニコール・カルドーザ
非営利組織Yoga Fosterを創立し、教師がクラスでヨガを活用できるように支援している。地域と密な関係を築きながら教師たちのトレーニングを行っている。支援の方法や詳細はyogafoster.orgへ。
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