NYとLAで台所発想のセルフケアを伝える。 モデル金原杏奈さんの“キッチンファーマシー”の考え方
自分に対してほめ上手。自分の中でベストであれ。 現地で通じる考え方や暮らしのセンスに学んだこと
ーーアメリカ生活で気づいた、人の生き方への気づきはどんなことでしたか。日本との違いにもふれて教えていただけると嬉しいです。
金原さん:第1の気づきは、まず、アメリカの人は、自分の意見を強く持っていることです。ネガティブなこともきっぱり言える。時に自分勝手にも働いてしまうので「良くも悪くも」だと思える点です。また、自己肯定感が高いということも言えますが、私なりに言い換えると「自分をほめることが上手」だなと感じています。アメリカで浸透していた「自分を自分で否定してしまったら、誰が自分の見方をしてくれるの?」という考え方に、私はとても共感しました。
ーーモデル業はダイエットや食と健康なども大きく関わる職業ですね。金原さんのように10代からモデルを目指したり、自分のイメージにネガティブになっている今の若い読者に教えたい海外視点の考え方は。
金原さん:「そんなに人と比べなくていい。自分の中でベストであれ。」ということです。今まさに、ダイバーシティの時代だからこそとも言えますが、海外に出てみたら自分より背が高い人、自分と髪の色、目の色、肌の色も違う人・・・周囲にたくさんのユニークな人がいたことで、視野が広がりました。自分自身、心がけてきたことですが、比べるなら、他人基準の体型や外見じゃなくて、過去の自分とだけ比べる。そこに人は魅力を感じるものだからです。
ーーLAとNY、双方で暮らす中で、仕事と生活、現地の人にどのようなことを学びましたか。
金原さん:印象的だったのは「ひとりでもしっかり暮らすこと」です。これは国は関係ないと思うのですが、朝ごはんだけでも丁寧に準備したり、生活に華を添えて楽しむのが得意ですね。
仕事では、現地の人たちがオンオフがはっきりしている点を見習ってきました。「ニューヨーカー」の人間性を一言で表すなら、芯の強さかなと思います。私もこれまで13年のニューヨーク生活経験で、そのエッセンスをを得たと思います。
一方で、LAはNYより自然が多いという特徴があって、ライフスタイルも違っています。都会では一年中同じ野菜が並んでいることが多くて、自分から求めていかないと自然の産物は得られないですが、ここLAでは買い物の場にも、より身近にあります。NYで働いている人は、オンオフがはっきりしていて仕事や夢のためにひたむきな人の集まりで「常に戦っている」という印象を受けます。一方コロナ以降「クオリティ・オブ・ライフ」が言われているLAでは、心を落ち着かせる生活などを大事にしている人が多いんです。私から見て、同じアメリカでもだいぶ違って見えますね。
AUTHOR
腰塚安菜
慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代から一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会で「ソーシャルプロダクツ・アワード」審査員を6年間務めた。 2016年よりSDGs、ESD、教育、文化多様性などをテーマにメディアに寄稿。2018年に気候変動に関する国際会議COP24を現地取材。 2021年以降はアフターコロナの健康や働き方、生活をテーマとした執筆に転向。次の海外取材復活を夢に、地域文化や韓国語・フランス語を学習中。コロナ後から少しずつ始めたヨガ歴は約3年。
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