【前腿を太くしてしまうダメエクサ】腸腰筋を鍛えているはずなのに前腿が太くなる原因を解説
股関節の動きをサポートする腸腰筋(ちょうようきん)は、日常生活ではもちろん、ヨガポーズでも大活躍! ですが、腸腰筋エクササイズにおいてやり方を間違えると、なんと前腿が太くなってしまうのです……。正しい腸腰筋の鍛え方をマスターしましょう。
腸腰筋とは?
腸腰筋は、ひとつの筋肉の名称ではなく、大腰筋・腸骨筋(小腰筋)という、お腹や骨盤付近についている筋肉たちの総称をさします。これらは深層筋とも呼ばれる体の内側の筋肉(インナーマッスル)で、上半身と下半身を繋ぐ役割も担っています。
腸腰筋は股関節を曲げる(股関節の屈曲)時に大きな力を発揮します。日常生活では歩く・走る・階段をのぼるといった動作で使われていますし、ヨガでも舟のポーズや、ダウンドッグから足を大きく一歩前に踏み出す時など、さまざまなポーズや動きで必要となる筋肉です。そんな腸腰筋ですが、体の使い方を間違えると、腸腰筋ではなく前腿の筋肉ばかり発達してしまう可能性があるのです。
どうして前腿が太くなるの?腸腰筋エクサでやりがちな3つの間違い
腸腰筋を鍛えようとしているのに、なぜ前腿が太くなってしまうのでしょうか? それは前腿の筋肉(大腿直筋)も腸腰筋と同じように股関節を曲げる作用があるからです。
同じ股関節の動きで腸腰筋も大腿直筋も動くのであれば、もう前腿が太くなるのは仕方がないのでしょうか……? いえいえ、そんなことはありません。まずは太腿の筋肉ばかりを鍛えてしまう3つの間違いと改善方法を確認してみましょう。
間違い①:動くスピードが速すぎる/強すぎる
腸腰筋がインナーマッスルなのに対して、大腿直筋は体の表層にあるアウターマッスルです。アウターマッスルは速い動きや強い負荷がかかる時に働きます。股関節を曲げるエクササイズを行う時、勢いよく動きすぎたり、また重いウエイトをかけてしまうと自然と大腿直筋が働き、無意識に前腿をトレーニングしている状態になります。腸腰筋を働かせたい場合は、ゆっくりと軽い負荷で動くようにしましょう。
間違い②:意識が内側に向いていない
腸骨筋は骨の近くについていて、外から触って確かめることが難しい部分です。またアウターマッスルに比べると小さな筋肉のため、きちんと意識できていないとなかなか働いてくれません。なんとなく股関節を動かすエクササイズを行っても、腸骨筋ではなく大腿直筋ばかり発達してしまう可能性があるのです。まずは腸骨筋の位置を知り、筋肉の場所や動きをイメージしながら行うことがポイントです。
間違い③:日常的に前腿を優位に使っている
姿勢が崩れていたり運動不足だったりすると、インナーマッスルの働きが弱くなっていることが考えられます。そうすると、必然的にアウターマッスルが優位になるので、腸骨筋エクササイズを行う時も前腿が張りがちに……。(ウエイトトレーニングなどでアウターマッスルを強く鍛えている場合も、やはりアウターマッスルが優位になります)。インナーマッスルが優位に働くように、日常生活でも内側を意識して活動してみましょう。
やってみよう!腸腰筋を鍛えるエクササイズ
今回は仰向けのままできる簡単な腸骨筋エクササイズをご紹介します。前腿ではなく腸腰筋に効かせるために「ゆっくり」「軽い負荷で」「内側に意識を向けて」取り組んでみてくださいね。
1.あお向けになり膝を立て、バスタオルをお腹の上にのせる。
2.両手を頭上へに上げ、膝同士をそろえて胸に引き寄せる。腿のつけ根の内側が働いているのを意識して行って。
OK:内腿をよせる/腰の後ろはマットについたまま、じわじわ膝を胸に近付ける
NG:内腿が離れる/腰がマットから離れ、勢いで膝を寄せようとする
AUTHOR
のぐちかなこ
専業主婦からヨガ講師へ。大手ヨガスクールにて全米ヨガアライアンスの講義 (RYT200/RPYT85)及びヨガレッスンを年間1,000時間以上担当。2018年に独立し〈あんどYOGA〉を立ち上げる。現在もヨガインストラクターの養成に携わりながら、特に産前産後に関するヨガや新米ヨガインストラクターサポートに力を注いでいる。オンライン講座も多数開催中。プライベートでは三姉妹の母。あだ名はかーちゃん。
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