更年期の不調を和らげる「頭と脚」のオイルマッサージ【アーユルヴェーダに学ぶ更年期の乾燥ケア】
女性の人生における、通過点のひとつである更年期。この時期を「魂の成長過程」と捉えるアーユルヴェーダの考え方をもとに、変化していく自分を受け入れ、快く過ごしましょう。
更年期は「ヴァータ」が優勢に オイルマッサージで整えよう
更年期のさまざまな症状を落ち着かせてくれるのがオイルマッサージ。まずは、基本のオイルマッサージを毎日の習慣に。
ヴァータの悪影響をオイルマッサージが打ち消す
更年期症状を和らげるには、オイルマッサージが効果的です。
「ヴァータが優勢になる更年期は、『冷たい』『乾燥』『軽い』『動く』というヴァータの性質が過剰になって悪影響を及ぼします。オイルマッサージを行うと、体が温まり、油性を補うことができるため、ヴァータの増悪した状況を緩和することができるのです」と山田先生。
特にマッサージを行いたい部位が、頭と脚。
「頭をマッサージすることで自律神経を調節。また、脚をマッサージすることで全身の血液の巡りが良くなり、更年期のさまざまな不調を解消しやすくなります。マッサージを行うときは、手のひら全体を肌に密着させ、少しスピーディに行うとオイルが浸透しやすくなります。マッサージのタイミングは朝行うと一日を快適に過ごすことができますが、忙しい日は夜でも構いません」
そのうえで、ドーシャ別の症状をチェック。該当項目の多いドーシャの乱れを整えるオイルマッサージとヨガを行うことで、更年期症状をより緩和しやすくなります。
ドーシャ(エネルギー)の特性
【ヴァータ】冷・乾・軽・動
冷たい、乾く、軽い、動く性質を持つ風のエネルギー。
【ピッタ】温・やや油・軽・鋭
温かい、油性、軽い、鋭い性質を持つ火のエネルギー。
【カパ】冷・油・重・安定
冷たい、油性、重い、安定の性質を持つ水のエネルギー。
更年期の乾燥ケアに毎日行いたい基本の「頭と脚」のオイルマッサージ
マッサージに使うオイルは体を温めるごま油をキュアリングしたものを。太白ごま油を小鍋に入れて弱火にかけ、料理用温度計で100℃程度に熱し5分ほど加熱。完全に冷まして使います。
◎手のひらに500円玉程度オイルをとってマッサージし、乾いたら補充して。
頭のマッサージ
眉上から指8本分のところにあるエネルギーポイントにオイルをつけ、手のひらで頭皮にすり込む。
両手の第1関節の指の腹を髪の生え際にあて、前から後ろへ一方向に頭頂までマッサージ。
次に、後頭部に両手の第1関節の指の腹をあて、上から下へ一方向にオイルをすり込むようにマッサージ。
耳穴も含め、耳全体にオイルを塗る。耳の上から下へ、指先で耳の軟骨をほぐすようにマッサージ。
脚のマッサージ
立位で右脚の後面→前面→内側→外側の順に、脚の付け根から足首まで上から下へ右手でマッサージ。
右膝を包み込むように右手をあてる。時計回りに円を描くようにオイルをすり込みながらマッサージ。
右足の甲に右手をあて、小指→親指→薬指→人差し指→中指の順に指1本ずつにオイルを塗る。
右足裏も、かかとから小指→親指→薬指→人差し指→中指の順に、丁寧にマッサージ。左脚も同様に行う。
教えてくれたのは…山田 泉先生
英国アーユルヴェーダカレッジ校長。The College of Ayurveda,UK認定アーユルヴェーダセラピスト。2006年からアーユルヴェーダセラピストの養成スクールを運営している。
モデル…熊澤枝里子さん
モデル、ピラティスティーチャー、美容薬膳家。2014年にピラティスインストラクターの資格を取得。美容薬膳家としてメディアでレシピやコラムを執筆する他、毎月行なっている『クマピラ』(マイクラス)も人気!!@kumako_pilates
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