【アーユルヴェーダで考える】30代後半から要注意!浄化習慣で毒素蓄積を防ぐ「更年期の乗り越え方」
女性の人生における、通過点のひとつである更年期。この時期を「魂の成長過程」と捉えるアーユルヴェーダの考え方をもとに、変化していく自分を受け入れ、快く過ごしましょう。
生命エネルギーの乱れが、更年期症状を招く
アーユルヴェーダでは、更年期症状が起こる要因を、どのように考えるのでしょう?
「アーユルヴェーダでは体と心はヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャ(生命エネルギー)が動かしていると考えます。このバランスは、肉体だけでなく、人生でも変化し、更年期は人生においてヴァータの時期。ヴァータが優勢になることでバランスが乱れ、ピッタ、カパにも影響し、更年期症状としてさまざまな症状が現れます。また、更年期はアグニ(消化力)が低下する時期でもあります。アグニは食べ物のほか、仕事や情報の消化にも関わり、これらが消化されずにアーマ(毒素)となって心身に蓄積されると更年期症状を悪化させます」(山田先生)
アグニは血液や骨など体の組織要素(ダートゥ)にも関わるそう。
「アグニが低下すると体の組織要素がしっかりつくられなくなり、エストロゲンの減少につながります。更年期症状は30代後半から40代にヴァータを乱す生活習慣を送ることで症状が強くなる傾向があります。更年期を穏やかに過ごすためにも、30代後半からアーマを溜めない生活を心掛けたいですね」
アーユルヴェーダで考える更年期障害が起こる4つの要因
1⃣ 人生において50代からヴァータが優勢になる
人生においてドーシャ(エネルギー)バランスが変化し50代からはヴァータの時期。ヴァータが優勢になり、さらにピッタ、カパにも影響する。
2⃣ アグニ(消化力)が低下して、アーマ(毒素)が溜まっている
アーユルヴェーダで重要とされるアグニ。これが低下しアーマが溜まると心身に影響を及ぼす。
3⃣ アグニが低下して体の組織要素(ダートゥ)がしっかりつくられない
アグニが低下すると、血液や筋肉、生殖器などの組織要素がしっかりつくられず、結果、女性ホルモンも減少。
4⃣ 30代後半からの生活習慣の乱れ
30代後半からの不規則な生活がヴァータを乱し、ヴァータが増える更年期に不調が強く現れる。
30代後半からの浄化習慣で蓄積を防ごう
肉体と心のアーマ(毒素)が不調の素
体や心にアーマ(毒素)が溜まると更年期症状に悪影響を及ぼします。更年期を控えた30代後半からアーマを溜めない生活を意識しましょう。
アーマが溜まっている?チェックしてみよう
現在の状態について、あまり深く考えずに、あてはまる数字を足して合計をだしてください。(あてはまる5・ややあてはまる4・どちらともいえない3・ややあてはまらない2・あてはまらない1)
体のアーマ蓄積度
① 食べ物への興味が湧かず、食事時でもお腹がすかない
② 食べても味がしない
③ 胸焼けがしたり、酸っぱいものがこみあげてくる
④ 舌に苔がある、あるいは口内がねばねばする
⑤ 発疹やニキビ、化膿病変、歯槽膿漏ができて治りにくい
⑥ 尿の濁りが強い
⑦ 慢性の便秘や下痢がある
⑧ おならの臭いや体臭、口臭が強い
⑨ 関節や足の裏、かかとが理由もなく痛む
⑩ 寝て起きた時、体がだるくこわばっている
心のアーマ蓄積度
① いろいろ思い浮かぶけれども、集中力や注意力がない
② 恐い夢や不安な夢をみて、疲れてしまう
③ 心配な気持ちで落ち着かないことが多い
④ 理由もなく腹がたち、人の欠点が目につく
⑤ 何事をするにも気が進まなく、しり込みしてしまう
⑥ 物に興味がむかず、投げやりな気持ちになる
⑦ 不安やあせりなど否定的な気持ちばかり浮かぶ
⑧ 過去を思い出したりしては、いつまでも後悔する
⑨ 目が冴えて眠れないことが多い
⑩ 何かと死にたい気持ちになる
⇒どちらか30点以上の場合はアグニ(消化力)が落ちてアーマが蓄積
まずはアーマを浄化する「ディーパナパーチャナ」を実践!
☑消化がおわってから規則的に食べる
お腹がすいた状態で1日3食・規則的に食べるには、1食を少なめに。特に夕食を軽くすることが大事。
☑揚げ物や乳製品などの油分は控える
特に、朝は消化力が高くない時間帯なので控えたい。アーマがない人は、油分をとることで乾燥の予防に。
☑十分な睡眠をとる
活動的になれるヴァータの時間、朝6時の起床を目指し、逆算して6~8時間の睡眠を基本にして。
☑白湯を飲む
朝起きたばかりは消化管が目覚めていないので常温の水を飲み、朝食時から白湯を飲んで消化力を高める。
☑青野菜を多めにとる
小松菜、ほうれん草、ブロッコリーなどの青野菜を摂取。アーマがない人が摂るとヴァータを増やすので注意。
☑落ち着いて座って食べる
食事はゆっくり落ち着いて食べることが大事。口に入れた食べ物は30回噛むことを心掛ける。
☑ヨガ、呼吸法、瞑想を行う
ヨガ、呼吸法、瞑想で自分と向き合う時間を持ち、思考をクリアにすることでアーマを浄化しやすくなる。
◎できるものから試してアーマをとり除く
体や心にアーマが蓄積されると代謝機能が低下し、疲れやすくなります。「ディーパナパーチャナ」はすべて行うのが効果的ですが、できそうなものから試してもOK。体が軽くなるのを感じたら再度、上のチェックテストを行い、アーマの状態を確認しましょう。
教えてくれたのは…山田 泉先生
英国アーユルヴェーダカレッジ校長。The College of Ayurveda,UK認定アーユルヴェーダセラピスト。2006年からアーユルヴェーダセラピストの養成スクールを運営している。
モデル…熊澤枝里子さん
モデル、ピラティスティーチャー、美容薬膳家。2014年にピラティスインストラクターの資格を取得。美容薬膳家としてメディアでレシピやコラムを執筆する他、毎月行なっている『クマピラ』(マイクラス)も人気!!@kumako_pilates
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