【人生の階段を優雅に進むために】76歳心理学者に学ぶ「幸せな晩年を過ごすためのヨガセラピー」
肯定のマントラ
パーカーはリラクセーションの持つ治癒力を深めるために、今回紹介するポーズで肯定の言葉を唱えることを提案している。どのポーズでも、静かに肯定の言葉を自分に語りかけよう。たとえば、呼吸に合わせて「息を吸うと、生きていると感じる。息を吐くと、感謝していると感じる」と唱えてみよう。そして、次の吸う息で静かに「生きている」、吐く息で「感謝している」と唱えよう。これを少なくとも5回繰り返したのち、再び呼吸に意識を集中させて、静かに休もう。左右両側で行うポーズでは、どちらの側でも肯定の言葉を唱えよう。「誰にも合う万能な言葉があるわけではないの」とパーカーは言う。「このほかにも好きな言葉を自由に選んでください」
今回紹介するポーズは、ゲイル・パーカー博士による著書『Restorative Yoga for Ethnic and Race-Based Stress and Trauma』(Singing Dragon刊)から引用した。
支えのあるバーラーサナ(チャイルドポーズ)
硬いピロー、ブランケットまたはボルスターをマットに対して縦向きに置く。その両側に手と膝をついて四つん這いになる。膝を外側に開けて、足の甲を床につける。お尻をかかとに下ろして、お尻を上げずに上体をボルスターの上に倒す。手のひらと前腕を床に下ろしてもよいし、肘を曲げてボルスターの先端で指をつないでもよい。顔を左右どちらかに向けて、頬か額をボルスターに預ける。腰を重力に任せて下げながら、尾骨をかかとのほうに広げるイメージで。5~10分間ホールドしたら、顔を反対側に向けて同様に行う。ポーズを終える準備ができたら、2、3回深い呼吸をして、両手でそっと床を押して上体を起こす。
【マントラ】
「息を吸うと、安心だと感じる」「息を吐くと、心強いと感じる」
息を吸いながら「安心」息を吐きながら「心強い」
バーラドヴァージャーサナ(支えのある賢者のツイスト)
マットの中央にボルスターを縦向きに置き、その先端に左腰を当てて座る。両膝を立てて左側に倒し、右足首を左足の土踏まずに当てる。胸骨を引き上げ、腹部を左側にねじってマットと平行にする。この姿勢から上体をボルスターの上に倒す。左頬をボルスターに預けて、頭と膝を同じ方向に向ける。首の後ろは伸ばして、前は柔らかく保つ。肘から手のひらまでをボルスターの横に下ろす。最大15分間ホールドする。ポーズを終える用意ができたら、両手で床を押して、あごを引き、上体を起こす。反対側も同様に行う。
【マントラ】
「息を吸うと、心が安らぐ」「息を吐くと、心が落ち着く」
息を吸いながら「心が満たされる」息を吐きながら「心が落ち着く」
スプタアルダチャンドラーサナ(支えのある横たわった半月のポーズ)
ボルスターか丸めたブランケットをマット中央に横向きに置く。そこに左腰を当てて座る。両膝を軽く曲げて、右脚を上にして脚を重ねる。両膝の間に折りたたんだブランケット、ブロックまたはピローをはさんで、上体を左に傾ける。右手をボルスターの先に伸ばして床に下ろす。左腕をマットに下ろして真っすぐ伸ばし、手のひらを上に向け、頭を上腕二頭筋の上にのせる。右腕を頭の先に真っすぐ伸ばして耳にかぶせ、手のひらを下に向けて左手のひらに重ねる。全身を伸ばしたのち解放し、緊張をゆるめてみて、呼吸を観察する。反対側に移る準備ができたら、顔が下を向くようにゆっくり体を回し、両手で床を押して上体を起こす。片側2~10分間ホールドして、反対側も同様に行う。ポーズを終える準備ができたら、2、3回深い呼吸をして、あごを引き、両手で床を押して上体を起こす。
【マントラ】
「息を吸うと、自分は開かれていると感じる」「息を吐くと、自分はおおらかだと感じる」
息を吸いながら「開かれている」息を吐きながら「おおらか」
支えのあるバッダコナーサナ(合せきのポーズ)
体を支えるために、マットの中央にボルスターを縦向きに置き、頭と首を支えるために、マットの先端に折りたたんだブランケットかピローを置く。腰をボルスターの端に当てて、仰向けになる。ボルスターの先端がお尻と腰に触れるように調整する。プラーナマーサナ(祈りのポーズ)で合掌するように足裏を合わせて、膝を左右に開く。両膝をブロック、丸めたブランケット、瞑想用クッションまたはボルスターで支える。両腕を楽に体側に下ろす。体にブランケットをかけてもよい。深い呼吸を繰り返して、緊張をゆるめながら重力に身を任せる。少なくとも5分間(最長20分間)ホールドする。ポーズを終えるには、足裏で床を押して、膝を立て、体を右側に下ろして、胎児の姿勢に移る。その姿勢で5~10回呼吸したら、あごを胸のほうに引き、腕の力を使って上体を起こす。
【マントラ】
「息を吸うと、よく休めたと感じる」「息を吐くと、回復したと感じる」
息を吸いながら「よく休めた」息を吐きながら「回復した」
支えのあるシャヴァーサナ (亡骸のポーズ)
床に座って、膝を軽く曲げる。膝の下にボルスターか丸めたブランケットを入れて、腰、背中、首、頭の順にゆっくりマットに下ろしていく。頸椎に支えが必要な場合は、ハンドタオルを巻いて首の付け根の下に入れる。両腕を楽に体側に下ろして、手のひらを上に向け、左右の肩甲骨を平行に近づける。目を閉じて、自然な呼吸のリズムに意識を向ける。緊張を感じる場合は緊張を手放す。5~20分間休む。ポーズを終える準備ができたら、左右どちらかに体を向けて子供のポーズをとり、あごを胸に引き、両手で軽く床を押して上体を起こす。
【マントラ】
「息を吸うと、生きていると感じる」「息を吐くと、感謝していると感じる」
息を吸いながら「生きている」息を吐きながら「感謝している」
さらに深く学ぼう
『ヨガジャーナル』のサイトでゲイル博士のリストラティブヨガの動画も確認しよう。
yogajournal.com/gailparker
文●タマラ・Y・ジェフリーズはRYT200を取得している『Yoga Journal』編集主任。Instagramのアカウントは@tamara.jeffries
写真●ノルウェン・シフエンテスは南カリフォルニアで生まれ育った写真家でディレクター。現在はロサンゼルス在住。アメリカの写真雑誌『PDN』の賞「The 30:New and Emerging Photographers to Watch」を受賞。
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