土用の丑の日(7月25日/8月6日)周辺は胃のケアをしよう|夏に起こる胃痛の原因と対策

 土用の丑の日(7月25日/8月6日)周辺は胃のケアをしよう|夏に起こる胃痛の原因と対策
getty images
半田葉子
半田葉子
2021-08-05

暑い夏がやってきました。冷たい飲み物や、アイス、冷やし中華や素麺、火を通さない料理…夏は冷たい物をどうしてもとりがち。それに加え、油っぽい物や香辛料、さっぱりした酸味の強いもの、大量の水分など、胃に負担をかける食事が増えます。また、ストレスや不安も胃に支障をきたします。胃に負担がかかると免疫力も落ちるので注意が必要です。 今回は夏に気を付けたい「胃」と「食事」について、マクロビオティック歴15年で腸セラピストの ≪素果子|sugashi≫ 店主、半田葉子さんが解説します。

広告

「土用の日」周辺は体調に要注意…その理由は?

土用とは季節の変わり目の頃のことをいい、立春・立夏・立秋・立冬の前18日間のことをさします。土用の期間は季節が不安定な時期が多く、体調を崩しやすいと言われています。
むかしから日本では「土用の丑の日」に鰻を食べる習慣がありますよね。これもこの期間に精のつく食べ物をとりましょうと言われているためです。この期間は「立秋」の前18日にあたり、2021年立秋は8月7日、土用の丑の日は7月25日と8月6日の2回となります。この時期は胃が弱まりやすいとも言われており、残暑を乗り切るためにも、この時期に体調管理をすることはとても大切です。気持ちよく秋が迎えられるかどうかが決まると言ってもいいでしょう。

夏に食欲が落ちる人、食欲が増す人の違いは?

夏に食欲が落ちる人と夏に食欲が増す人と、「夏の食欲」はわかりやすく分かれることが多くあります。夏に食欲が落ちる人は、東洋医学では「虚弱体質」と言われ、夏の紫外線のダメージを受けやすい・冷房に弱い・疲れやすいなどの傾向があります。

「夏太り」という言葉がありますが、夏に食欲が増す人は比較的胃腸が強く、アイスクリームやお酒などのハイカロリーな食べ物や、食欲増進効果のある香辛料の多い食べ物を食べる機会も増えるため、夏に太りやすい傾向があります。
どちらにしても、からだや胃を酷使していることに変わりはありません。夏の終わりに疲れがどっと出てくる、秋に情緒不安定になりがち、などの症状として表れることもあります。

胃痛の症状

胃痛
GettyImages

胃がムカムカする「胸やけ」、胃がキリキリ(シクシク)痛む「胃炎」「消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)」、胃に違和感があり酸っぱい物や苦いものがこみあげてくる「逆流性胃腸炎」など、胃に関連した消化器系の症状はさまざま。我慢できるからと放っておくと、慢性胃炎胃がんなどに繋がる恐れもあります。

胃痛の原因は胃酸のバランス

胃に食べ物が入ると胃液(胃酸)が出て食べ物を消化しようとします。胃液(胃酸)は主にタンパク質をさまざまなアミノ酸に分解します。蠕動運動と酵素の働きにより、固形物を半液状の糜汁(びじゆう)という粥状の食塊となり、胃と小腸の間にある十二指腸に送られます。
通常、消化に必要な「胃酸」と、胃粘膜を守る「胃粘液」の分泌量はバランスよく保たれており、胃酸によって胃粘膜が荒れるということはありませんが、食欲不振や暴飲暴食などにより胃酸のバランスが崩れてしまうと、胃酸が粘膜を攻撃し、胃痛の原因を引き起こしてしまいます。

胃痛の原因

胃痛の原因はさまざまですが、大きくは「食事(食べ物)が及ぼす影響」「ストレスが及ぼす影響」にわかれます。

◆食べ物

アイス
photoAC

夏になると、氷がたくさん入った飲み物や、冷たいお酒やアイス、火を通さない食べ物など(冷ややっこや素麺、冷やし中華など)、からだを中から冷やす食べ物の摂取が増えます。ほてったからだを冷やすことは大切ですが、やはり胃には負担がかかります。それに加え夏は油っぽい食べ物や香辛料を使った食べ物を食べる機会も増えます。
油を使った料理をした際はフライパンやお皿はいつもより多めの洗剤で、もしくは冷たい水ではなくお湯で洗いますよね。胃酸が洗剤・冷たい水やお湯が飲み物と考えるとわかりやすいですが、夏は胃酸が多くなりがちです。ですが、夏はそれと同時に水分も多く摂ります。よって、多く出た胃酸が大量の水で薄まり、胃酸のバランスが崩れ胃粘膜を守る「胃粘液」の分泌量のバランスが崩れ胃痛の原因につながってしまうのです。
アイスの上手な選び方については||【5/9はアイスの日】アイスが美味しい季節…やっぱり食べたい!罪悪感のない「賢いアイスの選び方」||をご覧ください。

◆ストレス

ストレス
photoAC

このご時世、ストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。ストレスと言ってもさまざま。対人関係による精神的ストレスを始め、満員電車などの心理的ストレス、ホルモンバランスが崩れいつもイライラ、食生活が乱れ血糖値が乱高下し感情の起伏が激しくいつもカリカリ…。ストレスによる刺激は、脳から「交感神経」に伝わり胃の血管を収縮させます。それにより血流が悪くなったり、胃の粘液の分泌が減少することにより胃酸のバランスが崩れます。「ストレス食い」をしてしまう人は余計に胃に負担がかかります。
慢性肩こり片頭痛の人の中には意外と気づかないストレッサー(ストレスの原因)を抱えている場合も多くあります。そのような方は特に胃のケアも心掛けましょう。

広告

AUTHOR

半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

胃痛
アイス
ストレス
腸
胃