【安定性と安らぎを得るために】ヨガの練習法(ミニシークエンス)をデザインしよう

 【安定性と安らぎを得るために】ヨガの練習法(ミニシークエンス)をデザインしよう

このミニシークエンスの各姿勢は、メインポーズであるヴィーラバドラーサナ III(戦士のポーズ3)に向かって体を構築しつつ、特定の動きを行います。

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パタンジャリヨガスートラでは、アーサナ(姿勢)はスティラ(安定性)とスカ(快適さ)のバランスが取れた状態を指します。個々に、これらの要素がサポートを提供することによってバランスが育まれます。たとえば、集中力が失われたり、まとまりがなくなったり、努力が鈍くなったりしたときに、安定性を養うことができます。それと同様、体に力が入りすぎたり、緊張したり、働きすぎたりした瞬間に、安らぎに集中することができます。これらの要素を連携させるとダイナミックな(心身との)会話が生まれます。これらの反対勢力を上手く舵取りできれば、バランスについてもっと深く理解することができます。安定性と安らぎの概念に基づいてシークエンスを設計するときは、全体的な戦略を考慮してください。

安定性と安らぎに基づくクラスを構成するためのサンプルアウトライン

フォーカス(カリキュラムのメインテーマ):バランス

コンセプト(フォーカスに関連して指導したい特定のコンセプト):安定性と安らぎ

ポーズ(コンセプトを具現化する姿勢):ヴィーラバドラーサナ III(戦士のポーズ3)

アクション(あなたが選択したポーズとその他のポーズの動きはこれらの動作をシェアします):グラウンド+リバウンド;股関節の外側をコンパクトにする;サイドボディを長くする。腕の外側をしっかりと固定する。

安定性と安らぎのあるこのミニシークエンスは、バランスを指導するためにデザインされた3部構成のサンプルカリキュラムの第2部です。ヴィーラバドラーサナ IIIにつながるこのシークエンスは、カリキュラム開発シリーズのパート1のワークに基づいています。各姿勢は特定のアクションを対象とし、メインポーズのワークを統合します。

ヴィーラバドラーサナ Ⅲにつながるシークエンスのデザイン

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スプタパダングシュターサナⅠ(横たわった足の親指をつかむポーズ)

バリエーション:片足裏を壁に向かって押します。もう片方の足を天井に向けてあげてフォームブロックを乗せてバランスをとります。両腕を頭上にあげて両手の間にブロックを配置します。

アクション:グラウンドとリバウンド

スプタパダングシュターサナのこのバリエーションは、安定性と安らぎの概念を具体化しています。床と壁はサポートとフィードバックを提供します。足の裏には接地できる壁があり、背中は床に触れることで、体が伸びるのを感じます。足でバランスの取るブロックは、上肢と足を通して手を伸ばすのを促します。

注:スプタパダングシュターサナⅠの上げた脚は、ヴィーラバドラーサナ IIIの立位の脚です。両手の間にブロックを置くと、腕の外側を抱き寄せられる動作が起こり、壁から離して手を伸ばす具体的な目標物を得ます。これらの動作はすべて、まったく同じ形状を探求するヴィーラバドラーサナ IIIでこの後に実践します。

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ウッティタパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)

バリエーション:後ろ足の外縁を壁に押し付けます;手元にブロックを配置します。

アクション:サイドボディを長くします。

ウッティタパールシュヴァコーナーサナは、サイドボディの長さを強調します。これは、このシリーズのパート1のパリガーサナ(門のポーズ)に基づいています。壁に接地した後足のバリエーションは、生徒にグラウンドとリバウンドの動きを取り入れる機会を提供し、壁から胴体を伸ばすためのサポートを用います。

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ヴルクシャーサナ(木のポーズ)

バリエーション:ブロックの上に立ちます。

アクション:股関節の外側をコンパクトにします。

カリキュラムのシークエンスを設計するときは、過去のシークエンスでフォーカスした姿勢を含めると良いでしょう。これにより、生徒は学んだことを復習し、新たな方法でそれを適用する機会を得られます。

たとえば、ヴルクシャーサナ(木のポーズ)は、グラウンドとリバウンドの概念を探求するミニシークエンスの主な目的だったとしましょう。このシークエンスでは、生徒はブロックの上に立って、ヴルクシャーサナを実践することで、すでに学んだことに挑戦できます。これはバランスの探求を促進し、股関節の外側をしっかりと引き締めるきっかけを作ります。

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ヴィーラバドラーサナⅠ(戦士のポーズⅠ)

バリエーション:手首にストラップ(肩幅)を巻き付けます。

アクション:上腕の外側をしっかりと固定します。

ヴィーラバドラーサナⅠは、ヴィーラバドラーサナⅢに移行するのに優れたポーズであるため、このミニクーケンスで重要な役割を果たします。ヴィーラバドラーサナⅠでスッキリした気分なることで、生徒たちはヴィーラバドラーサナⅢに移る前に準備を整えます。ヴィーラバドラーサナⅠでの手首周りのループストラップ(肩幅)バリエーションは、上腕の外側を抱き締める動作をしっかり行います。

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ヴィーラバドラーサナ3(戦士のポーズ3)

バリエーション:上げた方の足を壁に押し付けます。肩の真下に置いたブロックに手を置きます。

アクション:全てがアクション!

ヴィーラバドラーサナⅢは全てを一つにまとめます。上げた方の足を壁に押し付けるバリエーションは、スプタパダングシュターサナⅠのワークを取り入れ、重力に逆らうにながら動きます。

上級者向けのヒント:ヴィーラバドラーサナⅢを何回か繰り返して、安定性と安らぎのコンセプトを試みるきっかけを生徒に提供しましょう。

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教えてくれたのは…クリッシー・カーターさん
クリッシー・カーターさんは、ニューヨークシティにあるヨガワークス(Yoga Works)に勤めるシニア・ティーチャーであり、ティーチャー・トレーナー、アナトミー(解剖学)・ティーチャーでもある。クリッシーさんの活動は、ヨガジャーナル、The New York Times、Whole Living Magazineなどに掲載されており、フィットネス&ヨガ専門チャンネル、Gaiam TVの注目のタレントでもある。

ヨガジャーナルアメリカ版/「How to Design a Mini Sequence for Stability and Ease

 

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By CHRISSY CARTER
Translated by Hanae Yamaguchi

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ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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