ためになる解剖学!【胸肋関節】の仕組みを利用し、後屈&呼吸しやすい体になる簡単ワーク
ヨガに役立つ解剖学の知識を中村先生が伝授する連載。テーマは「関節」。動きの支点となる関節の構造と使い方をマスターして、体の伸び、ポーズの安定性を実感しましょう。
肋骨につながる関節の仕組みを利用。胸が上がって背骨が伸展し、後屈が楽に
後屈が苦手という人は少なくないでしょう。肩甲骨を寄せるようにしてもうまく反ることができない……。そんなときは、肋骨を持ち上げてみてください。背骨が伸展して後屈しやすくなります。
肋骨は、前側が胸骨と、後ろ側が背骨とつながっています。胸の前側から肋骨を持ち上げると、胸郭全体が引き上がり、それに伴って背骨が伸展。背骨を反らそうとしなくても、肋骨の動きに連動して背骨が伸びるのです。
肋骨の動きは、主に胸肋関節で行われています。それが最もわかるのが呼吸です。息を吸うと肋骨が上がり、吐くと下がります。猫背のような悪い姿勢が続くと胸肋関節の動きが悪くなり、呼吸が浅く。ここで紹介するワークで関節の動きを滑らかにして、呼吸しやすい体に。後屈ポーズの深まりも実感できるはず。
胸の関節【胸肋関節】
両手の指先を胸の中央(胸骨)に置き、横(肋骨寄り)に少しずらしたあたり。体をねじってみると、動くのがわかる。
胸骨と肋骨の接合部。肋骨部分が軟骨になっているため、体をねじったり、呼吸で胸郭を広げたり閉じたりすることができる。肋骨を通して背骨とも連動。
チェックしてみよう
肋骨の間に指をあて、息を吸い、あごを肋骨に近づける。
下の写真のように胸につかない場合は、胸肋関節の動きが悪くなっている。
下の写真のように胸肋関節が動きやすいと肋骨が上がり、あごが胸につく。
ほぐしワーク
息を吸いながら、右手で左の肋骨を斜め上に押し上げるように体を左にねじる。吐いて戻す。反対側も同様に。繰り返すうちにほぐれる。
アンジャネーヤーサナが深まる!
1.土台の脚をつくる
右脚は前で直角に曲げ、左脚は後ろに引いて足の甲で床を押す。両手は右脚の上。鼠蹊部から頭頂を伸ばす。
2.胸を引き上げる
両手を後ろで組む。息を吸いながら肋骨を持ち上げ、手は床のほうへ。あごを引いて肋骨をさらに引き上げる。
3.手を上げて頭を倒す
両手を上げて頭を後ろへ倒していく。背骨を反ろうとしなくても、胸の引き上げを保つことで自然に伸びる。反対側も。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。UTLにて長年ヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。
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