頭が「環椎後頭関節」にしっかりのると背筋が伸びる?【ためになる解剖学】

 頭が「環椎後頭関節」にしっかりのると背筋が伸びる?【ためになる解剖学】
(第1頸椎・環椎)と後頭部の骨(後頭骨)

ヨガに役立つ解剖学の知識を中村先生が伝授する連載。今号から「関節」について学びます。関節のしくみと使い方をマスターして、体の伸び、ポーズの安定性を実感しましょう。

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頭が環椎後頭関節にしっかりのると背筋が伸びて多裂筋が働く

ダンダーサナで背筋と首を真っすぐに、と意識してもなかなか正しくできているかわからない……という人も多いはず。そこで知っておきたいのが「環椎後頭関節」。首のいちばん上にある関節で、約5キロの頭を支えている大事な場所です。この関節に正しく頭がのったときは、脊柱と頭がニュートラルな状態でつながり、首が安定。憧れの頭立ちポーズも、この関節に体重をのせることで首が安定し、全身を伸ばしやすくなります。ポーズの安定性はもちろんですが、けがのリスクを減らすことにもなります。
まずは下段のワークで関節の正しい位置を覚えましょう。環椎後頭関節に頭がのることで、骨盤を起こす腸腰筋と脊柱を伸ばす多裂筋がしっかり働きます。いつもよりダンダーサナが楽に感じられたら、成功です。

首の関節【環椎後頭関節】

中村尚人のヨガ的解剖学Vol.19
▲位置はココ
photo by  Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

人差し指で耳の裏の突起(乳様突起)を探し、そこから前に移動させたところのくぼみが環椎後頭関節の位置。

ヨガ的解剖学Vol.19
(第1頸椎・環椎)と後頭部の骨(後頭骨)

首と頭の境目にある関節。首のいちばん上の骨(第1頸椎・環椎)と後頭部の骨(後頭骨)をつないでいる。小さな関節だが、頭の重さを支持する大切な場所。

関節を意識してみよう

OK

中村尚人のヨガ的解剖学Vol.19
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NG

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あごを出しすぎても、引きすぎてもNG。下記4項目を満たす場所が、環椎後頭関節が正しく使われている位置。頭にブロックなどを置いて頭の重さを感じながら行って。

・首の前後にしわがない
・あごがリラックスしている
・目線が斜め上を向き、 視野が広い
・肩と耳が一直線

ダンダーサナが深まる!

正座で頭の上に手をおき、手と頭で上下に押し合う。いちばん強く押し合える位置(環椎後頭関節に頭がのる位置)を探す。

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その位置を保ったまま、脚を前に出してダンダーサナに入る。骨盤から頭頂まで楽に伸びていくのを感じて。

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【応用】指1本の頭立ちポーズも!

環椎後頭関節が意識できるようになると、ほぼ頭だけでバランスがとれるようになるので、頭立ちのポーズも安全にできるように。

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photo by  Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。UTLにて長年ヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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photos by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
illustration by Misako
text by Yasuko Ito
yoga Journal日本版Vol.70掲載



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