誰のための"我慢"?「我慢してばかり」「損してばかり」と感じた時に見つめ直したいこと
すべき思考
社会的に望ましい自分は、「〇〇すべき」という「すべき思考」となり、私たちの頭の中にさまざまなメッセージを送ってきます。例えば、「他者には親切にすべき」「他者を優先すべき」「締め切りは無理をしても守るべき」「返事は当日中に返すべき」など、さまざまな「べき思考」として24時間、頭の中を飛び交います。
すべき思考は、決して悪いものではなく、私たちに必要なものでもあります。例えば、すべき思考があるから、公共のルールや法律を守り、社会的に望ましい行動をとり、協調性を発揮しながら自分を律することができるでしょう。〇〇すべきという思考のおかげで、自己成長や成功体験につながる場合もあるでしょう。しかし、すべき思考が強すぎると生きづらさにつながります。日常生活が〇〇すべきで埋め尽くされて余裕がなかったり、無理をしすぎて疲労が溜まったりするかもしれません。本当の想いを抑えすぎて、「自分らしさ」がなくなってしまうこともあるでしょう。もし、すべき思考によって苦しいのならすべき思考を緩めてみましょう。
その際は、以下を参考にしてください。
・〇〇すべき思考のメリット・デメリットを書き出してみる。
・すべき思考に反論してみる。
・自分が持つ「すべき思考」について他者の意見を聞いてみる。
・その「すべき思考」が全くない人、ほどほどある人の振る舞いを想像してみる。
他の考え方を意識的に考えることで、思考の幅を広げ、元の「すべき思考」を緩めることができるでしょう。
心の願いに気づく
押さえつけられた「心の願い」があるのなら、それはどのようなものでしょうか。我慢をして苦しさを感じる時、自分自身に問いかけてみても良いでしょう。また、マインドフルネス瞑想やヨガ・ニードラなど、呼吸や体に注意を向けている時など、ふとした瞬間に気づく場合もあるでしょう。例えば、「身体が休みたいと言っている」「頑張りすぎていた」「自分はもっと認められていいはず」などです。しかし、「心の願い」を長いこと抑え込んでいた場合は、なかなか気づけないかもしれません。そのような場合でも、心の声に耳を傾ける姿勢から始め、意識しているうちに少しずつ気づけるようになるでしょう。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com
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