「どうせ裏切られる」「他人は信用できない」問題行動の裏にある「心の傷」どう向き合えばいい?
子どもにトラウマ体験が起きたら
もし、子どもがトラウマ体験について話そうとしている場合は、話題をそらさず、否定せずに、まずは受け止めることが大切です。あなたが信頼できそうだと感じているからこそ、話してくれているのです。子どものペースを大切にしながら、無理に急かさないよう注意します。トラウマ体験を話すのはとても勇気がいることです。「話してくれてありがとう」と言葉をかけても良いでしょう。そして、決して無理をして自分一人で受け止めようとはせずに、必要に応じて他の相談相手につなげることも考えましょう。
もし、何かあったはずなのに、子どもがトラウマ体験について話さない場合は、「話したいと思うようになったらお話ししてね」など、無理強いをせず、子どもの自主性を大切にしましょう。話すためには、準備の時間も必要になります。また、トラウマについての一般的な知識や、他の相談相手についての情報を伝えても良いかもしれません。年齢や地域によって、スクールカウンセラーや区の施設に相談できる場合も多いでしょう。
トラウマを体験した後の反応は、人それぞれです。子どもの年齢や環境によっても異なります。トラウマ反応の多くは、安全・安心感を感じる環境や対人関係、周囲からの適切な心理的サポートなどによって、月日の流れとともに自然に回復していきます。遊びの中でトラウマを再現しながらなんとか傷を癒そうとする場合もあります。しかし、時には強く症状が続き、日常生活に困難が生じる場合があります。その場合は早めに医療機関を受診しましょう。
参考文献:子どものトラウマ診療ガイドライン - 国立成育医療研究センター
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く