「原因はわからないけどなんとなく不調」な時にヨガをすべき理由
呼吸を整える
呼吸の種類
子どもの頃、緊張した時にはよく深呼吸をするように促された経験がある方もいるのではないでしょうか。これは、呼吸と自律神経には深い関係があるから。普段は無意識に「吸って・吐く」という呼吸をしている人も多くいるとは思います。呼吸には、交感神経・副交感神経それぞれの働きを高めるものがあるため、その使い分けを意識するだけで自律神経を整えることができるんです。
- 交感神経の働きを高める「胸式呼吸」
「胸式呼吸」とはおそらく多くの人が日常生活を送るなかで無意識に行っている呼吸法。これは交感神経を活性化させる呼吸法です。基本的に息を短めに吸って吐く方法で、これに疲労や心の動揺、怒りなどが加わると呼吸はさらに浅く激しくなって、より交感神経が働くように。
- 副交感神経の働きを高める「腹式呼吸」
副交感神経を活性化させる呼吸法がヨガで行う「腹式呼吸」です。腹式呼吸は、おなかが膨らむイメージで鼻から息を吸い、吐くときにはおなかをへこませる呼吸法。胸式呼吸とは逆にゆっくりとした呼吸法となるため、心身がリラックスした状態に導きやすくなります。
腹式呼吸のやり方
- 快適な姿勢で背筋を伸ばして座る。お腹に手を当てて、今体にある全ての空気を吐き出す。
- お腹が凹むまで吐き出したら、ゆっくりと鼻から空気を取り入れる。手を当てているお腹の膨みを感じながら。
- 腹八分目位まで空気がお腹に入ったら、ゆっくり長く息を吐き出す。
- 吐く、吸うという呼吸をゆっくり繰り返し行う。
※腹式呼吸のポイント
吸う呼吸よりも吐く呼吸を意識的に丁寧に長くすること。酸素を吸うことは体が必要としていることなので、コントロールしなくても体は自然に行ってくれます。吐くことに意識を向けることで、体に不必要なものをすべて吐き出すことにも繋がります。
片鼻呼吸法(ナディーショーダナ)もおすすめ
鼻孔は、自律神経に繋がっていると言われています。右の鼻は交感神経、左の鼻は副交感神経に。片鼻呼吸法は、左右の鼻で交互に呼吸をすることで自律神経を整えるのに効果的。即効性があるため、筆者も自律神経が乱れがちなPMS期などによく実践します。
- 右手の人差し指と中指を立て、眉間に添える。
- 親指で右の鼻を閉じ、左の鼻から息を深く吸う。
- 軽く息を止め、左の鼻を閉じ、親指を離して右からゆっくり吐く。
- 右の鼻から深く吸い、同様に指を入れ替えて左から吐く。
- 1〜4を5回繰り返す。
※ただしこの呼吸法は、下腹部の内臓疾患をお持ちの方、高血圧や心疾患(心臓の持病)、また脳卒中の既往がある方、緑内障など眼圧の異常を持っている方、重度の椎間板ヘルニアがある方、またてんかんの既往がある方などは、避けたほうがよいとされています。妊娠中あるいは生理中の女性、食事の直後も避けようにしましょう。
休憩時間・就寝前の5分間を「呼吸する時間」に当ててみて
日常生活では、無意識に行こなっている胸式呼吸。普段からずっと胸を使った呼吸ばかりをしていると、どうしても交感神経ばかりが働いてしまい体や心は緊張状態が続きます。過度に交感神経が働くことによって、体も心も緊張状態が続いてしまい、イライラしたり、怒りっぽくなってしまったり…また不眠などにも陥ってしまいます。
緊張状態が長く続いている人は、仕事の合間や、家事・育児の合間など、都度都度短い「腹式呼吸休憩」を挟んでみるのがオススメです!また疲れているけれど仕事のミスが気になって、家族と喧嘩してしまったままイライラが続いてなど、なかなか寝付けない夜を過ごしている方も、寝る前に座って呼吸を整える時間を作ってみてはいかがでしょうか。長くやる必要はないので、5分程度からはじめて下さい。
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