なぜヨガでPTSD (心的外傷後ストレス障害)が改善されるのか?
動作と呼吸を連動させると神経系に大きな影響を与えるため、PTSDサバイバーが身体との繋がりを取り戻すための助けになる。
コロラド州デンバー在住のバクティヨガのティーチャー兼ライター、ウルフ・テリーは、ヨガジャーナルの相談コラム「ウルフ・ウィスダム」で、アーサナ練習、瞑想、マントラなどに関する様々な質問に答えている。今回は、ヨガがPTSDに及ぼす効果についての投稿を紹介しよう。
ヨガはPTSDに悩む人々にどのような効果をもたらしますか?
ウルフの回答:
動きと呼吸を意識的に連動させると、神経系に大きな影響を与えます。「心的外傷後ストレスを抱える人は交感神経(闘争・逃走反応)が過活動にあるため、それを鎮めてくれるのです」とマインドフルネスをベースとした心理療法士、ケイラ・ベティス・ウェーバーは説明しています。彼女は自身のトラウマ回復プログラムに、ヨガを取り入れています。「PTSD治療では、落ち着き、消化機能、時間や空間感覚に関わる副交感神経系に重点的に働きかけます」
呼吸法を行い、心身の状態をありのままに観察する陰ヨガやハタヨガは、特にトラウマサバイバーに適しているでしょう。「そのスキルが身につくと、心身に押し寄せる強烈なトラウマ症状から離れて、怖れや恥を感じずに体験を客観的に見られるようになります」とベティス・ウェーバーは言います。
トラウマサバイバーは、肉体的、感情的な外傷によって身体との繋がりが断たれた状態にあるため、正常な身体感覚を得られないことがあります。だからこそアーサナ練習が重要なのです。様々なポーズを通じて、損なわれた繋がりを取り戻す道を探り、ポーズでの身体の限界を感じながら身体感覚を確かなものにしていきます。
誰もがヨガですぐに回復できるわけではありませんが、自分自身と向き合うことで、ありのままの自分を受け入れられるようになるでしょう。
オーム・シャンティ、ウルフより
教えてくれたのは…ウルフ・テリーさん
ウルフ・テリーは、コロラド州デンバー在住のバクティヨガティーチャー兼ライターで、15年以上練習を続けている。
ヨガジャーナルアメリカ版/「How Does Yoga Help With PTSD?」
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