精神科医・臨床心理士が語るヨガの話|心理学とヨガ哲学は違う?ヨガ講師に必要なメンタルの知識・前編
ヨガインストラクターが求められること、実は多すぎる?
輝基:そういうのが起きるのって、ヨガの先生に対する要求の水準が高くなっているからなのかな?僕がRYT200のトレーニングで解剖学の授業を受けた時に、「これ聞いていてみんなわかるのかな?」っていうような難しい内容だったんですよ。卒業したら試験を受けて、医療現場で働くのかな?というレベル。でもみんなそれが当たり前だと思って一生懸命勉強していて。
陽子:解剖学って、私たち医師たちは1年間かけて覚えていくものだから、200時間の中の数時間で、解剖学のコアな名前を覚えるのって大変ですよね。
輝基:それと同じような感覚で、メンタルの知識を覚えるという風にはなってほしくないと思います。例えば適応障害とうつ病の違いについてとか。正直、知ってほしいのはそこじゃない。それよりもそういう方への接し方やケアの仕方などをちゃんと伝えていけるような、そういう流れを作っていかないといけないって思う。
どうやらメンタルの知識を得ることだけが全てではなく、もっとその先に答えがありそうですね。次回は、鼎談の後編をお送りします。ヨガインストラクターにとってメンタルの知識を得る前に大切なことは何か。もっと深く掘り下げます。
プロフィール
中野輝基
精神科医・MBA・RYT200・ Accessible Yoga Teacher
2018年よりMEDCAREYOGAを設立し、共同代表に就任。超高齢社会におけるコミュニティー造り・ヨガをよりアクセシブルにすることがライフワーク。フレイルヨガ®を様々な場所で提供し、地域のソーシャルキャピタルを造成している。
中野陽子
日本麻酔科学会専門医/産業医・E-RYT200/YACEP・ Accessible Yoga Teacher
2018年にMEDCAREYOGA(メドケアヨガ)を設立、代表に就任。医療とケアとヨガの概念を融合し、人種、性別、障がい、社会的背景に関わらずコミュニティーを作り健康格差を改善する活動を国内外問わず行っている。
太田千瑞
臨床心理士・RYT200/RPRT85/RYCT95 Yoga.Ed チェアヨガトレーナー
教育行政・小中高のスクールカウンセラーとして、いじめ・不登校・発達障害などの相談に応じる。自分の価値に気づくツールとして、ヨガを予防的アプローチを提唱し、教員研修・保護者向け講演を行う。2019年初の著書「イラスト版子どもの発達サポートヨガ」を刊行。オンラインスクール「発達支援プロモーター」を運営し、キッズヨガインストラクターや先生・保護者向けに講座を開講する。2020年1月より悪性リンパ腫のため、入院加療後、完全寛解。がんサバイバーとして、どのような状況でも心を整える方法を発信中。学校教育にヨガ・マインドフルネスを教育課程として取り入れることをミッションとして活動している。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
Instagram: @maiminami831
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