感情の解放を促す「フォレストヨガ」を学ぼう

 感情の解放を促す「フォレストヨガ」を学ぼう
Photos by Maria Bassett Christopher Dougherty

フォレストヨガのシニアティーチャー、エリカ・メイザーが自信を深めるための後屈シークエンスを紹介する。

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フォレストヨガを学ぼう

アナ・フォレストは長々と説明をしない。フォレストヨガは感覚を通して学ぶ実践だ。行動して初めてわかる答えがあるように、言葉だけではわからなくても、呼吸と体験を通じて身に付くことがある。とはいえ、アナは思考することを避けているわけではない。彼女のヨガのスタイルは深い洞察に基づいて組み立てられている。彼女がいつも胸に刻んでいるのは「人々の輪(フープ)を修復する」というネイティブアメリカンのスー族の聖者、ブラックエルクの言葉だ。アナは遮断されていても確かに存在する人と人とのつながりを回復したいと考えている。この重要な使命が討論や哲学で取り上げられることはない。行動こそが人生にビジョンや夢をもたらすのだ。呼吸をし、血液がめぐり、汗をかき、魂が輝くことで、私たちのこの混沌とした世界の奥に潜む、傷ついた領域に歩み寄ることができる。そして呼吸が、言葉では到達できない場所へと導いてくれる。

師についてアナにたずねると、彼女は歯に衣着せずに答えた。「世の中を知るために、人が抱く幻想やごまかしや策略を見抜く力はついたわ」と、常に正直だ。とはいえ、フォレストヨガアーサナは欧米で発展したヨガ流派(シヴァナンダ、アイアンガーアシュタンガ)から取り入れている。アナは世界中を回りながら、これらすべての流派の創始者や一番弟子たちから深く学んだ。彼女は、アルコール依存症、拒食症、過食症、性的虐待、てんかんなど、自らの数々の困難に向き合うためにこれらのヨガを実践した。だがどの流派も完全ではなかった。ワシントン州のコルビル先住民居留地で数年間過ごしながら、伝統に従って自分の困難の根源となっている「魂とつながっていない状態」と向き合い、自身を鍛えた。そして1989年、効果的なアーサナと先人たちの霊的な癒しの知恵を融合させたフォレストヨガが誕生した。このヨガは腰痛や手根管症候群などの現代疾患にも対処している。また、生きるうえで徐々に枯渇したり、心的外傷によって体と分離した精神との統合を、コーチングを通じて働きかける。フォレストヨガは、いわば魂の家に続く道であり、アナとガーディアンと呼ばれるシニアティーチャー14人とともに進化し続けている。常に最新のフォレストヨガに触れるには、ティーチャーとじかに練習する必要がある。今回紹介するシークエンスを練習するのはもちろん、近くのティーチャーを探してみよう。そうすれば、感じて、動いて、統合する練習ができるだろう。

シークエンス方法論

フォレストヨガのレッスンでは、必ず最初に「どこに向かいたいか」と聞かれる。たとえば、どんな答えがあるだろうか。カカーサナ(カラスのポーズ)を学びたい? 腰痛を和らげたい? 自分を信じる方法を知りたい? 頭痛から解放されたい? 自分の人生に自信を持ちたい? あなたが目指すものは、アーサナと意図する力の相乗効果によってきっと達成されるだろう。フォレストヨガでは、ポーズを通じて体との向き合い方を、意図を通じてマインドとの向き合い方を学ぶ。アーサナと意図の力が働き合って、最初の質問に答えるための道を示してくれる。この2つを結びつけるものは呼吸だ。 

フォレストヨガには、あらかじめ決められた要素がある。設定されているシークエンスには少なくとも1つの頂点となるピークポーズが含まれている。イレギュラーな要素もあるが、無作為ではない。フォレストヨガは真のヴィンヤサと言われるヴィンヤサ・クラーマにのっとり、目的に向かって一段ずつステージを上がっていく。練習ではまず体系化されたウォームアップを行い、神経系を落ち着かせる。そしてどの練習でも必ず短いプラーナヤーマから始まる。早い段階で呼吸法を行うと、その後の練習効果が上がるためだ。シークエンスでは一連の立位のポーズ群か、立位のポーズを深める短いフローを行い、その間に少なくとも1つのピークポーズが入る。それから徐々にウォームダウンしていき、最後にクールダウンに入る。各ポーズは体の左側から行う。これは普段私たちが右手中心で生活をしているためであり、このアプローチによって体のバランスが整う。
フォレストヨガシークエンスは1つではない。決められたシークエンス構造はあるものの、自由自在に応用できるからだ。練習は通常26〜27度の温度環境で行われる。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Sequence by Erica Mather
Photos by Maria Bassett Christopher Dougherty
Translation by Sachiko Matsunami



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