ストレスで心を蝕まれないために|日常でできる簡単マインドフルネス実践法

 ストレスで心を蝕まれないために|日常でできる簡単マインドフルネス実践法
photo by contrastwerkstatt/Adobe Stock
君嶋瑠里
君嶋瑠里
2020-04-26

コロナウイルスの感染拡大により、今私たちは様々な不安や恐怖を感じる中で生活しています。もちろん油断は禁物ですが、警戒し過ぎて心が落ち着かず、大きなストレスを抱えている方もいるのではないでしょうか?今回はストレスから心を救うためにできる、簡単なマインドフルネス実践法について紹介します。

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私たちは今、怒り・不安・恐怖に陥りやすい環境に置かれている

感染症そのものに対する恐怖や不安、外出できないことによるフラストレーション、価値観の違いによる人間関係の悪化。予測しない出来事に急に見舞われ、日常が日常でなくなり、未来への不安にも襲われて…。今、私たちは様々な負の感情が沸き起こり、心の安定性を見失いやすい環境にあると言えます。不安や恐怖、怒りなどは本来危険を察知しているからこそ起こる人間の本能のようなものですが、そんな負の感情に心がずっと支配され、長くむしばまれ続ける状況は決していいものではありません。負の感情に流されてしまわないようにするためには、心の持ちようを変えるトレーニングで「動じない心」を養っていく必要があります。

ストレスにならないための2つの発想の転換

負の感情に支配されないためには、ふっと沸いてきたネガティブな感情をそのまま受け取るのではなく、意識的に少しでも良いように考え方を変えてみると心にも変化が現れます。特に、他者に対してネガティブな感情が起こりやすい場合、以下の2つを実践してみましょう。

1.他者にも苦しみがあることを理解する

思うようにならない状況に、イライラを他の人にぶつけてしまったという人ももしかしたらいるかもしれません。特に在宅期間の長い今はストレスの矛先が身近な家族に向けられてしまう場合も…。イライラし続けたり、やるせない気持ちになってしまったら、まずは一度深い呼吸をして心を落ち着かせます。そして「自分もこの人も苦しいのは同じ」と心の中でつぶやいてみます。意識的に思うことによって心のありようも変わっていきます。

2.当たり前だった日常や出来事に改めて感謝してみる

まさに今、当たり前に思っていたはずの物事がそうでなくなっています。以前はいつでも手に入れることができた品物が売り場からなくなり、一生懸命取り組んでいた仕事が急に出来なくなり…。今の状況は、これまで当たり前のように思っていたものが実は全く当たり前のものではなかったのだと気づくきっかけにもなりました。自分が必要とした時に品物を手に入れられたのは、絶え間なくそれを作って提供してくれた人がいたからであり、また自分が毎日元気に働きに行けたのは、提供するものを必要としてくれた人の存在があったから。これまで日常が不自由なく送れていたことに感謝してみましょう。日々がかけがえのないものに感じられると、不必要に負の感情に流されにくくなります。

マインドフルネスで大切にしている「気づく力」を養う

ヨガでもマインドフルネス瞑想をよく取り入れていますが、マインドフルネスとは「今ここにある瞬間に意識を向ける状態」であり、「今ある感覚に良い悪いの判断をしない」ことで思考にとらわれない心の状態へと導く瞑想法です。瞑想と聞くと難しそう、やる気にならない、集中できない、という感覚を持つ人もいるのではないかと思います。しかしながら、マインドフルネスでは「努力して集中状態を作っていく」のではなく、今そこにある心や体の感覚に「気づく」ことがとても大切になります。この気づく力を「アウェアネス」や「セルフモニタリング能力」ともいいます。ヨガで行う座法をしながら瞑想するのはどうしても…と感じるのであれば、日常の中で自動的に沸いてきた思考や感覚に「気づく」だけでも実践してみましょう。具体的にはこのようにしてみます。

1.呼吸していることに「気づく」
2.体のかゆみや違和感がある感覚に「気づく」
3.お腹が空いてきた感覚に「気づく」
4.映画やドラマで感動している自分に「気づく」
5.誰かにイライラしている自分に「気づく」

日常の中のあらゆる場面で「気づく」を繰り返していくうちに、客観的に物事を見る感覚が養われていきます。そうすることによって自動的に沸きてきた思考に流されるのを防げるようになっていきます。この「気づく力」は、これまでストレスに感じていたものに直面したとしても、無理に負の感情を抑え込もうとする必要もなく、「動じない心」によって自分の中でうまく対処できるようになっていくのです。

日常の中で「気づく」を繰り返してみよう

ストレッチや筋トレと同じように、これもまた一朝一夕ではなかなか効果を感じにくいものです。繰り返し実践してそれを習慣化することで自然とストレスを受けにくい心の状態に導かれていきます。そしてこの気づきの実践は、社会の混乱時に限らず、あなたの人生の様々なシーンにおいてもきっと役立つはずです。今日からさっそく「気づく」を実践してみませんか?

ライター/君嶋瑠里
2017年綿本彰氏に師事。2018年指導者養成講座を修了しヨガインストラクターになる。日常に活かせるヨガをテーマに実践中。現在ピラティス指導者資格のための勉強中。2018年日本ヨーガ瞑想協会講師登録。2019年全米ヨガアライアンスRYT200取得。ヨガスタジオ、ホットヨガスタジオ、スポーツクラブ、公共施設にて指導。

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