コロナウイルスによるストレス過多を乗り切ろう!臨床心理士が提唱するストレス対処法
コロナウイルスの影響が続く中、みなさんはどのようにお過ごしですか?見えない恐怖や不安を感じる方、学校が休みになったり、決まっていた予定が変更になったり、収入が減るなど経済的な影響やマスクやトイレットペーパーなど必要なものが手に入らないといった様々なストレス状況下にいらっしゃる方も多いと思います。今回はストレスやストレスへの対処法についてご紹介します。
ストレスとは
生きていると大なり小なり様々なストレスに遭遇します。急いでいるのに電車が遅れている、上司から無理な仕事を指示された、恋人から傷つくようなことを言われた、大切な書類をなくしてしまったetc.ストレスのない人生は存在しません。ストレスとは、外部からのさまざまな刺激によって身体や心に負荷がかかり影響を受けることを言います。私たちは常に外部の刺激から影響を受けて生活しています。まったく影響を受けないことは難しいです。だからこそ、ストレスをなくすこと自体は難しいことです。
ストレスによる影響とは
それでは、ストレスによって私たちはどのような影響を受けるのでしょうか?ストレスによる影響は大きく4つに分けることができます。
1.認知
まずは、「認知」です。認知とは「考え」や「イメージ」のことです。頭の中であれこれと考えたり、ふと何か思い浮かんだり、言葉だったりイメージや過去の記憶などのことです。ストレス時には、いつもよりネガティブに考えてしまったり、被害的に捉えてしまったり「認知」が変化します。もともと持っている癖が強くなる場合も多いです。例えば、もともとネガティブ思考の方は、強いストレスを受けると、物事をよりネガティブに捉えやすくなります。
2.感情
次は「感情」です。感情とは、「嬉しい」「楽しい」「不安」「緊張」「恐怖」など、一言で表せるような気持ちになります。ストレス時は、もちろん感情も変化します。普段は気持ちが安定している人でも、不安定になりやすく。通常時より強い感情を感じたり、一つの感情が長く続きやすくなります。
3.行動
次は「行動」です。行動とは、動作や振る舞いのことです。例えば、ストレスを感じたときに、「友達に相談をする」「やけ食いをする」「買い物をする」「家に引きこもる」などです。ストレス時は行動パターンも変化します。いつもとは違う行動を取ってしまったり、もともと持っている行動パターンが強く出ることもあります。例えば、ストレスを感じると、いつもよりたくさん買い物をしてしまう、甘いものばっかり食べてしまう、なんども鍵の確認をしてしまう、などです。
4.身体反応
最後は、「身体反応」です。身体反応とは身体に起きる反応のことで、自律神経やホルモンバランスが関係しています。例えば、心臓がドキドキする、呼吸が速くなる、汗をかく、手足がふるえる、涙が出るなどです。ストレス時には身体反応も強く出ます。そして、その人なりに起きやすいパターンがあります。例えば、ストレスを感じると胃腸の調子が悪くなる、頭痛が起こる、音に敏感になるなど様々な反応パターンがあります。
このように、ストレスによって私たちは様々な影響を受けます。まずは、自分なりのストレスパターンを知り、ストレスを受けた時に早めに気づけることが大切です。早めに気付ければ、早めに対処することができます。
ストレスへの対処法の選び方
1.たくさん用意する
ストレスへの対処法は、なるべく色々な方法を用意することがおすすめです。ストレス対処法が一つしかないと、それが使えない場合は打つ手がなくなり、ストレスやられてしまいます。たくさん対処法があると、状況によって使い分けたり、一つがダメでも別の方法を試すことができます。
2.事前に準備する
ストレスが小さいうちに準備しておきましょう。ストレスが強くなってしまうと、ストレスへの対処法を用意する余裕さえなくなってしまいます。事前に準備しておき、手帳に書くなどリスト化して目に見える形にしておくことがおすすめです。
3.手軽なものを選ぶ
ストレス対処法はなるべく手軽なものがおすすめです。お金がかかるものや時間がかかるものだと、手軽に出来ず、ストレス時に取り組めない場合も多いです。例えば、ヨガの呼吸法は、いつでも、どこでも取り組め、道具もいらず、お金もかかりません。よかったら前回紹介した「完全呼吸法」も参考にしてください。
自分なりのストレス対処法やヨガの呼吸法などで、今のストレス状況を乗り越えましょう。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com
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