閃き・直感を感じて|イシュタヨガ創始者に学ぶ瞑想前のヨガポーズ
イシュタ瞑想への導入としての「クリヤヨガ」
アラン・フィンガーと一緒にこのゆるやかなアーサナを練習することによって、エネルギーブロックを浄化して、瞑想状態にゆったり入っていこう。
クリヤヨガの本質は意識を浄化することであり、そうすることで瞑想が容易になるとアラン・フィンガーは言う。「皆さんは何もしないで座 っていることができます。それは素晴らしいことです。なぜなら、何もしないでいると、縛りのない普遍的な知性に耳を傾けることができるからです。そういうとき、ひらめきや直感や洞察力が舞い降りてきます」
今回フィンガーが指導するクリヤヨガは、間もなく始まるイシュタ瞑想をテーマにしたマスタークラスへの素晴らしい導入部となっている。この講座では、アーサナに呼吸と音を組み合わせて、頭頂部から骨盤底の中央まで通っていて知性を支配しているエネルギーのライン、ブラーマ・ナディ(神のチャンネル)に意識を向けることによって、瞑想に入る準備ができるようになっている。
ここに紹介しているポーズを行うときには、指を閉じよう。そのほうが自分の内側に焦点をつくりやすい。息を吸いながら、ブラーマ・ナディに沿って上から下に(つまり頭頂部から骨盤底に向かって)意識を向けていこう。息を吐くときには、背骨の最下部にある仙骨の前から全身にエネルギーが広がっていくのを感じてみよう。息を吸うときは、ひらめきの音である「サ(sa)」の音を思い浮かべ、息を吐くときは変容の音である「フーム(hum)」の音を思い浮かべよう。
1.ビティラーサナ(牛のポーズ)
四つん這いになり、手首を肩の真下、膝を腰の真下に揃える。指を閉じておく。息を吸いながら、胸椎を胸部に引き入れ、頭部から背骨の基部までの長さを感じる。頭部から背骨の基部に向かって下向きに意識を下げていき、「サ」の音を静かに思い浮かべよう。
2.マルジャリャーサナ(猫のポーズ)
牛のポーズから、息を吸いながらお腹を背骨のほうに引き、腰椎が天井に向かって引き上げられるのを感じよう。さらに、背骨に沿ってエネルギーが広がっていくのを感じよう。静かに「フーム」の音を思い浮かべながら、さまざまな関節がゆるんでいくのを感じよう。サの音とフームの音を一体化させながら、呼吸に合わせて牛のポーズと猫のポーズを3~4回繰り返す。
3.バーラーサナ(チャイルドポーズ)
牛のポーズから、エネルギーラインを保ちながら、吐く息でかかとの上に座り、両腕を前に伸ばす。腹部を太腿の上にのせて、頭を床に下ろす。
4.バリ(力の柱のポーズ)
チャイルドポーズから、息を吸いながら膝立ちの姿勢になる。両手の指を合わせて頭上に上げ、手のひらを前に向けて真上に引き上げる。腹部を働かせ続ける。息を吸いながら、「サ」の音が下がってくるのを感じよう。息を吐きながら、かかとの上に座ってチャイルドポーズに入り、「フーム」の音が広がるのを感じよう。
5.ブジャンガーサナ(コブラのポーズ)
チャイルドポーズから、息を吸いながら四つん這いになる。次に、骨盤を床に下ろして、両脚を背後に伸ばす。肩甲骨を引き寄せてゆるめながら下のほうに下げる。頭頂部から骨盤底の中央に向かって「サ」の音を感じよう。息を吐きながら、かかとの上に座ってチャイルドポーズに入り、「フーム」の音が広がるのを感じよう。呼吸に合わせて、「サ」の音と「フーム」の音を一体化させながら、チャイルドポーズ、バリ、コブラのポーズを3~4回繰り返す。
6.ドルフィンポーズ
チャイルドポーズから、四つん這いになり、肘を肩の真下に下ろす。両手の指を組んで前腕を床に押し下げ、かかとを上げて腰を天井のほうに上げる。前腕を押し下げ続けながら、腰と太腿を引き上げる。ハムストリングや肩が硬い場合は、膝を曲げて、頭頂部から背骨の基部までのエネルギーラインを保つようにする。2~3回呼吸する間この姿勢を保ちながら、「サ」と「フーム」を感じよう。次に、体を逆転させるドルフィンポーズからチャイルドポーズへの移行時間に長く留まるように心掛けながら、かかとの上にゆっくり腰を下ろす。
7.マーメイドポーズ
つま先立ちからかかとの上に腰を下ろしてヴァジラーサナ(金剛座、正座)に入り、坐骨を左側に移して、左足を右足首にかける。右手の指先を床に下ろして、左腕を頭上に伸ばし、左手の先から左の坐骨までの長さを感じる。「サ フーム」を感じながら、この姿勢を4回呼吸する間保つ。反対側も同様に行う。
8.ダンダーサナ(杖のポーズ)
床かブランケットの上に座り、両脚を前に伸ばして左右の太腿骨を平行にする。腕を後ろに伸ばして、指先を床に押し下げる。つま先を立てて、足の指の付け根を押し出す。足の指を広げて足首に空間をつくる。大腿四頭筋を働かせ続け、肩を骨盤の真上に揃える。頭頂部から背骨の基部までエネルギーのラインが伸びているのを感じよう。そして、吸う息と吐く息に合わせて「サ フーム」を静かに振動させよう。
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